『ものがたりいちば』

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「ウォーキングデッド シーズン10 16話」の感想

 ネタバレあります。ご注意を!

 

 


半年ほど前、コロナの影響で16話の公開が延期されました。
わたしは見逃したまますっかり忘れていたのですが、最近プライムビデオにシーズン10が追加されていたので観てみました。
まあ、観てみたはいいものの、15話を観たのが半年以上前だったのでだいたい忘れていたという……。
なおシーズン11で完結と決まった影響かわかりませんが、シーズン10のエピソードがいくつか追加されるそうです。
なので16話は最終話ではなくなりました。
17話以降は2021年放送予定だそうです。

 


・前回までのあらすじ
(覚えてないので半分予想で書いてます)
数々の犠牲者をだした囁く者(ウィスパラーズ)との過酷な戦いはクラマックスを迎えています。
趣味が焼殺の最強エルフおばちゃんことキャロルの策略で潜入させていたニーガンが見事アルファの首を取りました。
比喩じゃなくて文字通り首をちょん切りました。
しかし、ウィスパラーズは崩壊しません。
圧倒的なカリスマのアルファを討ち取れば戦いは終わるというキャロルの読みは外れたのです。
アルファの名を継いだベータが大量のウォーカーを引き連れて壮絶な復讐戦を挑んできました。
もともとベータのほうがラスボス感があったし、妥当な流れですね。
なにしろエレベーターシャフトから転落しても無傷のタフガイですし……。
タイマンバトルであのダリルを圧倒していたし、かなりの強者のはずです。
いっぽうユージーンやエゼキエル王は、無線で知り合った生存者に会うため、旅に出ました。

 

 

 

・今回のかんたんなあらすじ
アレクサンドリア連合軍の面々は、群れに追い詰められて建物に立てこもりました。
完全包囲されており、このままではジリ貧。ということでウィスパラーズへの反抗作戦を開始します。
スピーカーなどの機材を馬車に積み、群れをおびき寄せて崖から落として一網打尽にする、というすごく失敗しそうな作戦を実行するのです。
毎度おなじみ「ウォーカー寄せの術」ですね。
シーズン6に出てきたウルブズも使っていた伝統の作戦です。
ゾンビになっても音楽を愛する心を忘れないなんて、アメリカ人は音楽好きなんすねー。
今作戦ではもうひとつの伝統「ウォーカー臓物ステルスの術」も使います。
ウォーカーの臓物や体液を全身に塗りたくると、気持ち悪がったウォーカーたちが避けてくれるようになる、あれです。
こちらはシーズン1からの伝統芸能ですね、懐かしい……。
2つの伝統的作戦の合わせ技、もはや結果は明白!
勝ったな!

 

ところがどっこい、群れに紛れ込んだウィスパラーズに邪魔をされ、あっさり馬車が壊されてしまいました。
まあそうなるよねー。
群れはそっこうで元来た道を引き返していきます。あぁ、失敗する~。
これでは建物に残っているゲイブリエルたち非戦闘員の住人たちが避難できません。困りました。

 

どうする!?と仲間に問われたダリルが画期的な作戦を思いつきます。
「群れに入りこんでマスクのやつらを1人1人始末しよう」
お、おう。
いちばん最初に思いつくやつだな!
ピクサーのクリエイターが「いちばん最初に出てくるアイディアはだれでも思いつくものだから捨てよう!」って言ってましたよ、ダリルさん!?
つーか脳筋担当に作戦決めさすな!
と、言いたいところですが緊急事態ですから。
ほんとうはダリルたちだってそんな危険はおかしたくなかったはずです。


というわけで、アレクサンドリア連合軍の戦士たちはとくに策もなく、群れに紛れ込んでおもむろに1人1人マスクマンを始末しはじめます。
ぶっつけ本番ですが、わりとうまくいきます。
もちろん何人か犠牲者が出ますが、わたしは彼らを覚えてないのでだいじょうぶです。え?

 

さて下っ端ウィスパラーズをさくさく始末していくダリルたちですが、その前にラスボス・ベータが立ちはだかります。
これはピンチ!
そこに現れるのがニーガンです。
アルファを殺してさらし首にしたニーガンを見て逆上するベータ。
ものすごい怪力でニーガンを組み伏せてトドメをさそうとします。
しかし、そこは我らがダリル。
隙をついてベータに襲いかかり、華麗な剣技でその両目に短剣を突き立てました。
かっこいいぞーダリル!


というかですね……ニーガンを組み伏せたということは自分も地べたに屈んでいる状態なので、隙だらけですね。
はっきり言ってベータの自滅でしょう。
これは冷静さを失わせるというニーガンの作戦勝ちですね。お見事。

 

やたらと大物感を漂わせていたベータもあっさり敗北。
これにてウィスパラーズは壊滅というわけです。

 

残った群れを崖まで引率するのはリディアです。
アレクサンドリアの住人に受け入れてもらうために危険な役目を引き受けたのです。
もはや邪魔するやつもいないので、かんたんに群れを崖まで連れていけました。
そこで同行していたキャロルがいつもの自殺癖を出しそうになるのですが、リディアに止められます。
ウォーカーの大群はつぎつぎと崖からダイブしていきます。レミングスかな?
戦場のお掃除も終了です。

 

いっぽう、建物に立てこもっていた残留組。
みんなを逃がすためにしんがりを務めたゲイブリエルがピンチに陥りました。
その危機を救ったのは、マギーでした!
あと、カンフー映画に出てきそうなやたらと俊敏な謎の武術家もいました。だれかな?

 

無線で連絡した生存者との合流地点についたユージーンたち。
しかしそこで待っていたのは思いもよらぬ相手でした。
いきなりストームトルーパーみたいな戦闘服を着たコスプレ武装集団に囲まれてしまったのです。
も、もしかして市民共同体軍かな?
というところで、幕です。

 

 

 

・かんそう

いや~ひさびさのウォーキングデッド本編。
あいかわらずグロ描写がすっげえ下品で安心しました。
手足ぐっちゃぐちゃに引きちぎられるシーンはもはや伝統ギャグですね。
アレクサンドリア連合軍側にも何人かサブキャラの犠牲者が出ていましたが、ちょっとぜんぜん誰だか思い出せません……。

 

15話までのことをだいぶ忘れてるのでストーリーに思うところがあまりないのですけど、戦いの決着がずいぶんあっさりだと思いました。
ウォーカーを大量に引き連れていただけで、ウィスパラーズの個々の戦闘力は雑魚そのもの。
ラスボスのベータもとくに見せ場もなく散っていく体たらく。
あの大物感なんだったん……。


と言いたいところでしたけど、書いているうちに急にいろいろ思い出してきました。
シーズン9から描かれてきたウィスパラーズの不気味な強みは「愛を捨てた非情な集団」ということでした。


アルファ自身が愛や執着を捨てることが強くなる唯一の道だ、と仲間に語っていたのに、結局アルファは娘への愛を捨てられずにニーガンにハメられて殺されます。


その後継者のベータもアルファへの執着を捨てられず、リスキーな復讐戦を始めてしまい、ニーガンへの憎しみで逆上して、自滅しました。


「愛は捨てられない。重いしがらみだとしても……」


これがウィスパラーズ編のテーマだったんですね。
最後ウォーカーの群れのなかで抱き合うキャロルとリディアの姿は、新たな愛の芽生えを感じました。
戦いの敗者と勝者をわけたのは、愛を否定したフリをした者と、そうでない者の差でしょう。
愛こそがすべて。
ただグロいだけじゃなく、深いテーマがあるのがウォーキングデッドの魅力!

 

え?
単純に戦闘員の強さ、装備、人数が優っていただけだろ?
そんなことはありません!

 

たしかにウィスパラーズの雑兵は弱すぎましたよ。
やっぱちんたら歩いてるだけのやつらはダメだな!
野宿ばかりで栄養も足りてなさそうだし。
兵站を怠った者が負けるのは歴史の必然です。

 

たしかに装備にも差はありましたよ。
アレクサンドリア軍がばんばん弓で射ってるのに、ウィスパラーズの標準装備はしょぼいナイフ。
でもね、まともな武器を用意できないなら戦いなんて挑んでくるんじゃないよ!
戦いの結果は始まる前に決している、という格言もあるんですよ!

 

たしかにウィスパラーズの戦闘員の数はあまり多くなさそうでした。
でも、無数のおともだちウォーカーがいたでしょう!?
戦力差だけを比較すれば100倍じゃきかなかったはず。
とはいえ、逆に言えばウォーカーしかいなかったんですけどね。
それを見破って「ウォーカー臓物ステルスの術」で数の利を無効化したアレクサンドリア軍に拍手。

 

あれ?
アレクサンドリア軍、圧倒的有利?
勝つべくして勝っただけ……?
いやいや!愛ゆえの勝利ですってたぶん!

 

最後にガチでやばそうなコスプレイヤー集団が出てきましたが、あれが最後の敵なんでしょうか?
あれが市民共同体軍で「ワールド・ビヨンド」とリンクしながらファイナルシーズンを迎えるとかだと面白い試みだと思います。
ただ「ワールド・ビヨンド」がすげえ不評っぽいので、引きずられて共倒れにならないか心配でなりません。


あ、ごめんなさい!
今の言い方はずるいですね……。
「ワールド・ビヨンド」は個人的にすっげえ不評なので、あれが市民共同体軍だったら……と恐れております。

 

さて追加エピソードが楽しみですね。
あと、マギーおかえり!