『ものがたりいちば』

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「ルパン三世 THE FIRST」の感想

日テレさんありがとう!

 

 

2019年日本映画。ジャンルはルパン。
監督は「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」などの山崎貴
声の出演は栗田貫一などのレギュラーメンバー広瀬すずなど。
ネタバレがダメだったルパンを知らないのでだいじょうぶでしょう(たぶん)。
初の3DCGアニメルパン。
日テレの地上波放送で観賞しました。

 

 

・序盤のかんたんなあらすじ
舞台は1960年代フランス。
高名な考古学者ブレッソン教授の日記「ブレッソン・ダイアリー」が博物館で公開された。
しかしそこにいつものように世紀の大泥棒ルパン三世から犯行予告が届く。


急遽金庫に保管するため、警備員がダイアリーを持つが、その場にいたべつの女性警備員が不審な点に気づいた。
大慌てで走ってきたのに顔に汗をかいていない、こいつがルパンだ!
そこに現れた銭形警部がさっそくルパンに手錠をかけるが、いつものようにのらりくらりと逃げていくルパン。


いっぽう他の警備員と金庫に向かっていた先ほどの女性警備員が、警備員に睡眠ガスを浴びせてダイアリーを奪う。彼女――レティシアもお宝を狙う泥棒だったのだ。


レティシアは脱出のため建物の屋上に行くが、そこでルパンに見つかってダイアリーを取り上げられてしまう。
しかし、ルパンも結局は最後に現れた峰不二子にダイアリーを取られてしまった。
お互いに獲物を取り逃がしたレティシアとルパンは警察の追跡からなんとか逃げ出した。


レティシアは深く落胆しながら自宅に帰りついたのだが、なんとそこにルパンが現れたのだ。
じつはルパンは先ほどレティシアに発信機をつけていた。
部屋の数えきれないほどの蔵書に感心したルパンに、レティシアは自分はもともと考古学者の卵であり、今回の盗みは考古学者として本格的に生きていくためにしょうがなくやったことだと告白する。


その告白に対してルパンはあるアイテムを見せて、ダイアリーの鍵を解くためには祖父のアルセーヌルパンから受け継いだこのアイテムが必要だと告げる。
どうしてもダイアリーが必要なレティシアは一計を案じる。
ルパンに共同作戦を申し込んだのだ。
最初は嫌がっていたルパンも説得に応じるのだった。


素性の怪しい考古学者の卵と世紀の大泥棒、この急造コンビはダイアリーを手に入れ、その謎を解くことができるのであろうか?
そして、ダイアリー争奪戦の裏側ではナチスの残党が暗躍しているのだった……。

 

 

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

ベッタベタのベタベタ度☆☆☆☆☆
ルパンファンにも、冒険活劇ファンにも、ストーリー展開に一切驚きはありません。
ルパンがお宝を盗もうとしたら不二子にかすめ盗られて、じつは不二子は陰謀組織とつながっていて、それでも最終的にはルパンサイドに復帰して、なんやかんやあって一味はその陰謀を止める。
いったい何作のテレビスペシャルが上記の雑なストーリー説明に当てはまってしまうことでしょうか。
ほぼ全部じゃね?
だけど、それはそれでいいと思います。
管理人なんかはとりあえずルパンのテーマを聞けたら満足しちゃいますし。


また本作は過去作のオマージュを強く意識して作られています。
序盤のルパンジャンプはわかりやすい例です。
他にも、やっぱり冒頭では不二子にしてやられるとか、「いつ作ったんだろう?」という疑問をいつも抱かせる完璧な顔変装道具や重力無視の空中泳ぎ、斬鉄剣で真っ二つにされてもしばらく走り続ける車など、過去作へのオマージュがふんだんにちりばめられています。


こういうのがルパンの“王道”なんだよなぁ……と思えるひとならうれしい要素。
手抜きのベタ、と感じてしまうときついかもしれませんね。
わたしは前者でした。好ましく感じました。
ただし、残念な要素ももちろんあります。それが下記の要素です。

 

 

年々お色気が減っていく悲しみ☆☆☆☆★
序盤の不二子の3DCG谷間は目新しかったですが、そのほかにお色気要素はなし、もうぜんぜんなし!
ルパンつったらさぁ、ハードボイルド感だったりぃ、冒険活劇感だったりぃ、義賊的な熱だったりぃ、そういうのも魅力だけどさぁ、お色気だってルパンの“王道”要素でしょう……?
テレビスペシャルならともかく劇場公開作品ですよね?
選んで見に来るひとを対象にしてるんですよね?
サービスしちゃだめなの?
お色気シーン入れるのそんなに怖いの?
悲しい……。
全体的に3DCG自体のデキは予想をはるかに上回るよいものだったので、そこが残念!

 

 

アニメや洋画の吹き替えに芸能人が出演するとだいたい叩かれてる説☆☆☆★★
はい。みんな大好き声優問題です。
ルパン三世栗田貫一
次元大介小林清志
石川五ェ門浪川大輔
峰不二子沢城みゆき
銭形幸一山寺宏一


2011年に大幅に刷新されたのですが、次元だけは何千年もずっと同じ声優です。
もうかなりお年を召してらっしゃるので、声のハリや喋るスピードが遅いのはやはり気にはなりますね。
観ているうちに慣れてくるのですが。
あと、なんか次元のセリフ少なくないですか?
声優の老いに対してセリフの量を減らして対処しようとしているのなら、それはちょっと悪手のような気がします。

 

そして本題。ゲスト声優!
レティシア広瀬すず
ランベール:吉田鋼太郎
ゲラルト:藤原竜也


芸能人声優はたいがい問題にされてます。
有名どころだと「アベンジャーズ」は芸能人の吹き替えに対して署名運動にまで発展したそうです。
事前に申し上げておくと、当方は広瀬すずファンです。かなり忠誠心高めです。
でも目立ちましたね。
あまりよくない方向に……。
単純に舌がもつれて活舌がよくない部分がところどころありました。
こはちゃんとできるまでとり直しすればよかったのになぁと思いましたが、スケジュールとか予算とかいろいろあったんでしょうか。
たまに違和感がある程度なのでそんなに気にしないことにしましょう。
もしかしたら本人のキャラクター性がレティシアのキャラクター性とあってなかったんじゃないですかね。
考古学者というマニアックな知的キャラはメジャー感のある広瀬すずのイメージとかなり遠いのかな、と思いました。
いわゆるちぐはぐなキャスティングってやつですね。
え?声の演技がヘタなだけだろ?
しょうがないだろ!専門じゃないんだから!
つーか、べつに実写の演技だってそんなにうまないわ!
今回の声の演技だってうまくないけど、そこまで変でもないだろ!


嘘だと思うんなら「TIME/タイム」という映画を吹き替えでごらんなさい!
あれこそ本物の地獄……ひとたびあれを経験すれば、芸能人声優なんてぜんぜん気にならなくなります。

 名作なので、ゼッタイに字幕版でみましょう!!

いいですか!?

わたしは忠告しましたよ!

吹き替え版はこの世に現出したほんもののインフェルノです。

 

というわけで、管理人は本作をおすすめします。
ただ、お色気はないよ、ぜんぜん……。