瞬殺アクションの最高峰!
2014年アメリカ映画。
監督はチャド・スタエルスキ。
主演はキアヌ・リーヴス。
残虐描写がてんこ盛りなのでちびっこは帰って!
・序盤のかんたんなあらすじ
最愛の妻を病気で失って悲しみにくれるジョン・ウィックに残されたのは、愛車のムスタングと妻から贈られた愛犬だけだった。妻の葬儀から数日後、ジョンはガソリンスタンドに立ち寄った。
そこでチンピラたちが彼の車に目をつけ、売るように言ってくるがジョンは断る。
その夜不審な気配を感じてジョンが目を覚ますと、家の中に昼間のチンピラたちがいた。
チンピラたちはジョンに暴行を加え、犬を殺し、そして車を奪い去った。
実はそのチンピラたちはただのチンピラではなかった。
ニューヨークの闇社会を牛耳るロシアンマフィアのボス、ヴィゴ・タラソフの息子、ヨセフ・タラソフだったのだ。
ヨセフがやったことを聞いたヴィゴは激怒する。たかが犬を殺して車を盗んだだけで、なぜそんなに怒られるのかわからないヨセフにヴィゴは驚愕の事実を告げる。
ジョン・ウィックはかつて闇社会で恐れられた伝説の殺し屋だったのだ。
その妻が死んだ数日後に、愛車を盗み、愛犬を殺した。
ヴィゴはただちにすべての部下を集めて守りを固めるように指示する。
大組織のロシアンマフィア対ひとりの殺し屋。
闇社会の戦争が幕を開けるのだった。
――ネタバレ注意!――
やっぱりシオン・グレイジョイじゃないか度☆☆☆☆☆
ヨセフを演じるアルフィ・アレンは、「ゲームオブスローンズ」でシオン・グレイジョイという役を演じてスターになったのですが、このシオンという男イキリ散らしたあとビビリ散らすというじつに人間味あふれるキャラなのです。
ヨセフもパパの威光を背にイキリ散らしているわけですが、すぐにビビリあがります。
多彩なアクションの硬派さ☆☆☆☆☆
「ボーン・アイデンティティ」で披露されたスピーディな瞬殺アクションの影響をうけて、これまでにも数多の瞬殺アクション映画が生まれてきましたが、そのなかでも本作は最高峰です。
瞬殺銃撃、ナイフアクション、立ち技格闘術、柔術のような寝技、アイディア豊富で飽きの来ないアクションが展開されます。
監督のスタエルスキはもともとスタントアクションの専門家だそうで、納得の出来です。
管理人が本作で特にすごいと思ったのは、戦闘シーンのカット割りの硬派さです。
カット割りが少なく、カメラワークが揺れないのです。
瞬殺アクションものもピンキリで、なかにはスピード感を出すためにやたらとカット割りを多くして、激しさを演出するためにやたらとカメラを揺らして、という手抜き手法を使って(言葉は悪いですが)楽をしている作品がけっこうあります。
カットを割りまくると楽な理由は、演じる俳優やスタントマンが実際にスピーディに動く必要がないからです。
たとえば相手を投げて寝技にもちこんで首の骨を折る、という動きを表現したい場合、「つかむ」カット「投げる」カット「後ろに回り込んでいる」カット「首を折る」。
こんな感じでカットをわければ、なんとなくスピード感が伝わってきますし、俳優が実際に「動ける」必要がないのです。アクション映画に出ているからと言って本当に動ける俳優とは限りません。
しかし、本作は一連の動作をワンカットで見せるシーンが多いです。
ということは、編集の切り貼りでスピード感を出せないので、俳優やスタントマンたちはちゃんと格闘術や殺陣、射撃などの動作で素早く動かなければならないのです。
事前に時間をかけて技術を習得し、体を作り、綿密なリハーサルを重ねなければ、おそらく無理でしょう。
画面が揺れまくる手ぶれカメラは、はっきり言って論外です。映画なのに、なにをやっているかよく見えないなんてふざけすぎでしょう……。
本作の場合、昔の香港カンフー映画のように、本当にすごいことをやっている感が味わえます。
さすがキアヌ!
犬を殺すとだいたい死ぬ説☆☆☆☆☆
「極大射程」という瞬殺アクション映画でも、悪党どもの死因は凄腕スナイパーの主人公の愛犬を殺したことでした。
殺し屋の車を盗んだり、犬を殺すのはやめましょう……。
え?
だれが殺し屋かわからない?
まあそうですよね。
じゃあ車を盗んだり犬を殺すのをやめましょう。ダメ!ゼッタイ!
極上のアクションも魅力ですが、殺し屋たちを取り仕切る「コンティネンタルホテル」という謎の組織も魅力的です。
殺し屋にも掟があり、掟破りは厳禁。
金銭のやりとりは現金ではなく、謎めいた金貨で行います。なんだか他にもルールがたくさんありそうです。
ちょっとファンタジックな世界観も魅力。おすすめです!
チャプター2の感想はこちらです。
チャプター3『ジョン・ウィック:パラベラム』の感想にはあらすじがついてます。