やはり韓国映画は強いのか!?
2016年日本映画。韓国映画を原作とするリメイク作品。
ジャンルは若返りものとなっております。
監督は「舞妓Haaaan!!!」などの水田伸生。
主演は多部未華子。
ネタバレはべつに問題ないでしょう。最初のシーンがネタバレですし。
・序盤のかんたんなあらすじ
70代の老婆カツは頑固で口が悪く、典型的な老害ババアです。
妊娠中に夫を亡くしたため、シングルマザーとして一人娘の幸恵を育て上げて大学まで行かせた立派な母親なのですが、そのせいで「人生を失った」と感じています。
ことあるごとに「おまえがいたせいでやりたいことがなにもできなかった」と愚痴ります。
昔怪しげな健康食品を周囲に売りつけまくって荒稼ぎしたので、友人はほとんどいません。唯一の友人は、同じ戦災孤児として苦境を助け合った幼なじみの次郎老人だけです。
娘の幸恵もやはりシングルマザーなのですが、人気ファッション雑誌の編集長を務めていたので、多忙のあまり息子の翼の面倒を母のカツに任せていた負い目があり、愚痴に言い返すこともできません。
センスが古いということで編集長の座をクビになってしまいますが、そのことを家族には話せないでいます。
カツの孫の翼はバンドマンです。おばあちゃん子です。
甘やかされすぎたせいでしょうか、デスメタルかなにかようわからん絶対に売れそうもない音楽をやりながら、この道でメシを食っていくんだと世の中をぺろぺろとなめていますが、当然ファンなんかぜんぜんいません。
世間のセンスが遅れてるんだ!などとのたまう典型的な雑魚バンドマンです。
ところが、バンドのボーカルの女性がまともな感性の持ち主で、就活すっから、と脱退してしまいます。
そんなある日、幸恵と口論になったことから、カツはぶちぎれて家出してしまいます。
行くところもないカツは、ふと立ち寄った写真館で昔憧れていたオードリー・ヘップバーンの写真を見て、自分も写真を撮ってもらおうと思いつきます。
その写真館は魔法の写真館だったのです。
なんとカツは二十歳に若返ってしまったのでした!
若返ったカツは「今度こそやりたいことをやってやる!」と預金を引き出してファッションに目覚めます(めっちゃ昭和センス)。
歌うのが好きなカツは地元ののど自慢大会に飛び入り参加します。昭和歌謡を熱唱するとこれがなぜかバカウケ!
そこにたまたま2人の人物がいました。
有名な音楽プロデューサーの男性と、そして孫の翼です。
カツは翼にスカウトされてバンドの後任ボーカルになりますが、デスメタルなんてぜんぜん興味を示しません。
翼たちバンドメンバーもとくにデスメタルにこだわりがなかったので(!?)、カツの言う通りに昭和歌謡を路上ライブで演奏します。
この動画がバズって例の音楽プロデューサーの目にとまり、バンドはスカウトされます。
さあ、孫とバンドすることになったカツは、二度目の青春をどう生きるのでしょうか!?
盤石の手堅いストーリー度☆☆☆☆☆
リメイクものの手堅さ。若返りものに定番の流れを踏襲する安定したストーリー展開です。
安定しているということは、つまりサプライズが薄いということです。
卑怯にも映る強引なサプライズに怒ってしまうひとにはおすすめです。
逆に、めちゃくちゃな展開でもいいからとにかく刺激が欲しいというひとにはおすすめできません。
ポップコーン片手に観れるいい作品だと思います。
求めすぎるひとは怒らないで!度☆☆☆☆☆
徹頭徹尾ゆるふわファンタジーです。シリアスな気持ちで観ないでください。
なぜ若返ったのか、とか、なぜカツの歌が現代人を魅了して熱狂させるのか、とかそういうことに理由はありません。
翼がデスメタルを捨てる理由もよくわかりません。よくわからないことだらけですが、そんなことどーでもいいのです。
100点を期待しないで、70点を期待して観る。
その心構えなら高得点をたたき出す、よくまとまった良作です。
多部ちゃんのババア演技かわいい度☆☆☆☆☆
やっぱ多部ちゃんなんだよね~。管理人はファンボーイです。
・まとめ
展開が早く、コメディ要素もまずまず、泣かせ要素もまずまずというバランスのいい作品だと思います。
今夜やることなくてひまだなー、という死にたくなるほど孤独で寂しい夜にうってつけの映画です!