ふつうだな!!!
2019年アメリカ映画。社会派ドラマ。
監督は「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップス。
主演はホアキン・フェニックス。
「バットマン」シリーズの有名な悪役ジョーカーが誕生するお話です。
・序盤のかんたんなあらすじ
ゴッサムシティに暮らすアーサーは病気の母と2人で暮らし、大道芸人のピエロのバイトをしながらコメディアンを夢見ている。
しかし、アーサー自身も精神の病を抱え、そのせいで仕事でもミスが多い。ある日、決定的なミスを犯してしまい、ピエロの仕事をクビになってしまった。
その夜、地下鉄に乗ったとき、3人の酔っ払いにからまれた。
殴る蹴るの暴行を受けてしまったアーサーは、同僚から借りた拳銃でとっさに2人を撃ち殺した。
残った1人も念入りに追跡し、射殺する。
殺された3人が富裕層のエリートであったことから、この事件は単なる殺人事件を超えた社会現象になっていく。
ゴッサムは貧富の差が激しく、また社会的弱者への福祉政策がつぎつぎとカットされていくことに対して貧困層の怒りが高まっていたのだ。
貧しいものたちは、エリートを殺した犯人――謎のピエロをヒーローとして持ち上げた。
富裕層の代表格である富豪のトーマス・ウェインがその民衆をピエロ呼ばわりしたことで、貧困層の怒りはさらにボルテージを増してしまい暴動に発展する。
意図せずに破壊と混沌の引き金となったアーサーは、さらなる悪の道へと足を踏み出していくのであった……。
―――ネタバレ注意!―――
固有名詞を変えたらふつうの社会派映画になる度☆☆☆☆☆
「ゴッサムシティ」「ジョーカー」「ウェイン」。
こういったバットマン用語をべつの言葉に置き換えたら、スーパーヒーローもののスピンオフだと気付く人はいないでしょう。
社会的弱者を描いたマジメな作品にしかみえません。
ただ、たった1つの殺人事件が民衆を狂わせて浸透していくスピードは、非現実的で、コミックっぽさがあります。
アーサー側から描いているのでトーマス・ウェインが「弱者を気にかけるフリをしながらバカにしている」嫌なやつに見えます。
ジョーカーでなきゃいけない度★★★★★
あんまり、ぜんぜん感じませんでした……。
民衆?(民衆の知能をなめすぎと思いました)を熱狂させるのもほぼ偶然の産物ですし、そんなにカリスマ性もあったんですかねぇ……?
先述したように、ヒーロー不在のふつうの世界で社会的弱者が痛めつけられてあがいたように映りました。
そういう意味では弱者切り捨てのトランプ時代だからこそウケた、のかもしれませんね。
2019年の旬だったのでしょうか……?
トランプが嫌いだからだろ?度☆☆☆☆☆
カンヌ映画祭で受賞したり、アカデミー賞で受賞したりは、正直トランプ大統領へのあてつけだったんじゃないすか?
リベラルな映画人はトランプみたいなの嫌いでしょうから。
トランプが大統領選で敗退したいま、もういちど選びなおしても同じ結論に至るんでしょうか?
弱者をテーマに描いた映画はたくさんあるので、なぜこの映画がピックされたのか、よくわかりません。
というか、やっぱトランプク〇!ってことを言いたかったのでは?
社会派映画として興味深かったです。
わたしからは以上です。