理論上、人類が火星に行くことは可能なのです!
2011年イギリス映画。
監督はラッセ・ハルストレム。
主演はユアン・マクレガー。エミリー・ブラント。
ユニークな恋愛映画です。
・序盤のかんたんなあらすじ
イギリスの魚類学者アルフレッド・ジョーンズ博士のもとに投資コンサルタント会社から奇妙な依頼がくる。
「中東イエメンの砂漠でサーモン釣りができるようにしてほしい」
気温が高い。サーモンの餌になる生物がいない。そして、水がない。
考えるまでもなく断ろうとしたジョーンズだったが、上司の命令でしぶしぶ依頼主のコンサル会社に赴く。
そこでハリエットという担当者と出会う。
当初、若く美しいハリエットのことを秘書かお茶くみかと思ったジョーンズだったが、話すうちに彼女が有能な人物だと気付く。
とはいえあまりにも実現困難な依頼のうえに、釣り好きの大富豪の酔狂のために巨額の費用をドブに捨てることをバカらしいと思ったジョーンズはまったく乗り気になれない。
しかし、ハリエットの提案で依頼主のシャイフ・ムハンマドと対面したことで考えが変わる。
シャイフはただの釣り好きな大富豪ではなく、信念に基づいてこのプロジェクトを始めたのだった。
砂漠にダムを造り、農業を始め、貧しい砂漠を豊かにする。
その夢のような事業を実現できると信じてもらうために、砂漠でサーモン釣りができるという奇蹟を人々に見せたかったのだ。
礼儀正しく、信念をもったシャイフに共感したジョーンズは、プロジェクトに本腰をいれると同時に、彼と友人になっていくのだった。その過程でジョーンズとハリエットの距離も近づいていく。
とは言っても「理論上、人類が火星に行くことは可能だ」というレベルで困難なプロジェクトは、多難な前途が待ち受けているのであった……。
そうは言ってもただの釣り好きだよね?度☆☆☆★★
イエメンは中東でも厳しい状況にある国家のようです。
石油の輸出ごり押しだけで繁栄できる近隣国とちがって、資源はそれほど潤沢ではないようです。
海岸を持っているので漁業はやっているのですが、砂漠地帯なので農業が盛んでなく、石油を売った資金は食料品などで相殺されていきます。
シャイフ・ムハンマドには、その現状を変えたいという確固とした志があります。
日本円にして60億円ほどにもなる巨額の資金を拠出したのは伊達や酔狂ではないのです。保守的な社会では現状を変えようとするシャイフはやっかまれ、テロ予告を出されて、それでも折れません。
ダムを造り水資源を確保して、農業を発展させたい、というのはわかります。
でも、サーモン、いる?一万匹も。
発展させたいのは漁業じゃなくて農業なんです。
やっぱり、釣りしたいだけじゃないか!(確信)
シリアス強め☆☆☆☆★
ラブコメではありません。
砂漠にサーモンが生息する河を造ろうとする、という非現実的なストーリーなので、どっからどう見ても荒唐無稽なコメディになりそうなものなのですが、そうはなりません。
中盤以降わりと重めな展開が続くので、ゲラゲラ笑いたいひとは、期待外れかもです。
恋愛映画として観るのが正解だと思います。
最高のおでこ!☆☆☆☆☆
エミリー・ブラントが大好きなことをここに白状します。
なので、正直この女優が出演している映画は1.5倍増しくらいに評価しがちです。
目の表情の変化がいいな、と思いますし、おでこの形がすごく好きです。
ただ、ひいき目を差し引いてもこの女優の出演作は当たりが多いと思います。
魚の映像がいっぱい出てくるので、魚好きなひとはどうぞ!