2016年ロシア映画
監督:クリム・シペンコ
主演: ウラジーミル・ヴィドヴィチェンコフ
この記事はたぶん5分くらいで読めます。
目次です。好きな部分から読めます。
序盤のかんたんなあらすじ
1985年ソ連の宇宙ステーション『サリュート7』との交信が突如として途絶えた。
現状サリュート7は無人であり、復旧の見通しは立たない。
もし制御を失い都市部に墜落すれば大損害が出るかもしれない。
ソ連政府は撃墜を視野に入れた議論を行うが、多額の費用をかけた宇宙開発の足掛かりとなる貴重な設備だけに首脳部も躊躇する。
そんななかアメリカのスペースシャトル『チャレンジャー』の打ち上げが間近に迫っていた。
チャレンジャーは大容量の貨物室を搭載しており、サリュート7を回収できる。
ソ連の最新技術漏出を恐れた首脳部はいよいよ撃墜の方向性に傾いていく。
宇宙開発事業部は宇宙船で人員を送って修復を検討していたが、サリュート7は高速で回転していて手動ドッキングは極めて困難だ。
多くの操縦士がドッキングのシミュレーションを試すものの、だれ1人として成功できない。
そこで白羽の矢が立ったのが、卓越した操縦技術を持つ退役操縦士のウラジーミルである。
ウラジーミルはサリュート7の設計技術者であるヴィクトルとともに、困難なミッションに挑むのであった……。
―――ネタバレ注意!―――
ソ連の情報統制度☆☆☆☆☆
サリュート7との交信が途絶えてまったく制御不能になったというニュースが全世界で報道されるシーンがありましたが、ソ連政府が事実をひた隠しにしたためソ連人だけがそのことを知りませんでした(笑)
ほんのちょっとしたシーンですが、ロシアは自国批判ができる国だったんですね(驚愕)。
過去の国家による情報隠蔽は描けても、どう見てもゴルバチョフ書記長と思われる人物の頭部のシミは描けなかったようです(笑)
あのシミはいまだに国家機密のようですね!
酸素切れわかりやすい度☆☆☆☆☆
終盤の酸素が足りなくなる展開は宇宙ものでは定番ですけど、何度見ても絶望します。
窒息する苦しさは想像しやすいからですかね?
上映時間が20分も残っていなければウラジーミルのことをあきらめたかもしれません。
すみません残り時間カンニングしちゃいました(笑)
このままウラジーミルが窒息死して終わりじゃやるせなさすぎると思ったので……。
宇宙ものや海洋ものでは酸素切れ問題が定番ですけど、タイムリミットの数字がはっきり提示されるからわかりやすいですね。
ハンマーでセンサーのカバーをぶっ叩いて除去するというのも視覚的にわかりやすかったです。
けど、さすがにあれは脚色だろwww
それにしても酸素の残量をだーれも計算してなかったとか、ロシアの管制室のみなさんはいったいなにをやっていたんですかね(笑)
コサックダンスでも踊ってたのかな?
たぶんすべてが実際に起きた出来事ではなく脚色してると思うんですけど、降りかかる問題をすべて宇宙飛行士の2人だけで解決してしまうので、管制室のマヌケっぷりが半端じゃなかったです。
責任者のおじさんは右往左往してるだけだし(笑)
奇跡的に成功したわけですけど、たぶん更迭されるでしょう(笑)
ロシアのCGすごい度☆☆☆☆☆
映像面でハリウッドの宇宙もの映画と比較しても遜色がなかったように感じます。
無重力描写も違和感がなかったし、空中を漂う大量の水滴も目新しくてよかったです。
CGで水を表現するのは技術的に難しい部類に入ると聞いたことがあります。
有名な日本人のCGクリエイターがハリウッド映画制作に参加したときも、えんえんと大滝のCGを作ってました。
よく考えてみると管制室がマヌケすぎておかしいのですが、とてもおもしろかったです!