ゾンビに噛まれる決定的瞬間をぜんぜん見せてくれないゾンビドラマの感想です!
この記事はたぶん読むのに10分以上かかってしまいます。
クルミとは……?
クルミさんは駐屯地で感染者の確認作業にあたっています。
この世界ではゾンビに変わる人間を早めに知ることは超重要ですからね。
首藤博士はクルミさんを使ってなにかをやろうと企んでいますが、大切な仕事も任せているんですね~。
作業中のクルミさんのもとに、等々力が現れました。
等々力は自衛隊員の戦闘服を着ています。
おそらく駐屯地に侵入するために手に入れたのでしょうが、どうやって入手したんでしょうか?
……こいつ殺ったか?
等々力はクルミさんに響が死んだと嘘を告げます。
するとびっくり、クルミさんは一発で信じてしまいました!
任されたゾンビの確認作業を放り出してふらふらと建物の屋上に行き、飛び降り自殺を試みようとしますが、幸い自衛隊に制止されました。
えぇぇぇぇぇ……。
クルミさん?
医者なのに頭弱いのこの子?
「あいつ死んだよ」
「がーん!自殺しまーす!」
完全にアホ丸出しです。
もしくは、もともと死ぬつもりのところに愛する人の死が告げられたので、自殺する口実にした感さえあります。
後追い自殺するほど愛しているなら、そう簡単に死を認めるわけがありません。
しかもそれを告げた相手は何年も会っていなかった昔の知人です。
自分や響の親友や親兄弟でもなんでもありません(元親友ではありますが)。
そんなぽっと出の相手に最愛の人が死んだと言われて、一瞬で信じるようではカルト宗教や詐欺は不可避でしょう。
首藤博士がクルミをなんらかの形で騙そうとしているっぽいですが、余裕で引っかかるでしょう(笑)
まともな思考力があれば最低でも『どうやって死んだのか』くらいは確認するはずです。
そうしていれば詳細な状況を語れない等々力が嘘がついていることはわかったはずです。
確認、といえばクルミ(こんなやつに『さん』はいりません)が確認作業を放り出したため、野放しになったゾンビが駐屯地内で発生してしまいました。
そして、駐屯地に避難していた少女が噛まれてゾンビになってしまいました(笑)
いいですねーもともと大して魅力のないキャラの好感度をガンガン下げにかかっています。
ただし、少女は噛まれていない可能性もあるのですが、詳しい根拠は後回しにします。
首藤博士の思うツボ
首藤博士は少女ゾンビを巧みに利用し、クルミのせいで少女はこんな醜いバケモノになったのだから、自分だけきれいなまま死ぬことなど許されないとプレッシャーをかけます。
償う術は、ワクチンを作るために医療に身を捧げることだけだと熱く語りました。
もちろんイチコロですw
というか、そんなに論理的かつ熱っぽく説得しなくても、「君なら世界を救える」とかなんとかてきとうに言えば簡単に騙せると思います。
なんでもクルミの遺伝子にはゴーレムウィルスへの耐性があるとかなんとか言っていましたが、正直そこらへんはどうでもいいです(笑)
響を失い、少女への罪悪感に苦しめられたクルミは、もともと人を助けたくて医者になった初心を思いだし、首藤博士への協力を申し出ました。
人を助けたくて医者を志したなら、男を失ったくらいでホイホイ死ぬなよな!
それにしても『男がいないと生きていけない』というのは、なんか古くさい女性像ですね。
製作者の時代感覚がバレちゃいましたよ。
森喜朗かな?
ばっちりマリオネットになったクルミは首藤博士になにかを注射されるのでした。
あ、等々力はすぐに変装がバレて捕まってましたね(笑)
敬礼をしてごまかそうとしていましたが、きっと相手が陸上自衛隊なのに警察式の敬礼をやってしまったんでしょう。
薬を手に入れろ!
いっぽう響サイドでは、親子連れの娘ユズキちゃんのぜんそく薬が切れるという事態に陥っています。
というわけで響と韓国人のテコンドー選手の武術コンビが病院に薬を取りに行くことにしました。
道中でゾンビに襲われている3人組を発見し、助けました。
3人は封鎖線を越えて入ってきたとのことで、封鎖線の外は安全だと言います。
これは嘘だとわたしは即座にわかりました。
予想とかなんとなくとかではなく、明確な根拠があります。
なぜなら駐屯地の自衛隊が封鎖地区内の病院から医療物資を集めているからです。
もし外の世界が安全なら、隊員を危険に晒すようなことをせずに、外部からヘリで駐屯地に物資を運べばいいからです。
それができずに現地調達せざるを得ないということは、すでに外の世界も崩壊している証拠です。
さて、2人はスクープを求めて入ってきたマスコミの記者を名乗りましたが、残りの1人は妻と娘を探しに来たそうです。
写真を見ると、なんとそこに映っていたのはユズキちゃんとショウコさんでした。
はえ~すっごい偶然!
母子が潜んでいる船の場所を教えると、夫はそちらに赴きましたが、偽記者2人は響たちに同行したいと申し出ました。
病院につくとあっという間にゾンビに食われてしまったので、結局あの偽記者2人が何者でなんのために響たちに接触したのかはわからずじまいです(笑)
病院でぜんそく薬をゲットしますが、物資を調達にきた自衛隊と鉢合わせになります。
響たちはあわてて逃げ出します。
逃げるとき、ゾンビに襲われた自衛隊員を響は苦渋の決断で見捨てました。
かなり助けに戻りたそうにしていましたが、一度でも噛まれたら終わりというこの世界のルールをまだ理解していないのかとわたしは怯えました(笑)
感動の再会……?
薬を手に入れて船に戻ると、親子3人の感動の再会劇はありません。
夫は大喜びしていますが、ショウコさん(妻)とユズキちゃん(娘)はなんかテンションが低いです。
おやおや……変ですねぇ?
じつはショウコさんと夫は1年前に離婚しており、理由はDVでした。
ちなみに番組の説明欄には「妻子を探しにきた男の正体はじつは……」みたいな、限りなくネタバレに近いなにかが書いてありました(笑)
お願いですから公式ネタバレはやめてください!
偽記者を守れなかったこと、自衛隊員を見捨てたことに苦悩する響が1人でたそがれて船に戻ると、DV男がゾンビに噛まれて寝込んでいました。
ショウコさんが『血のついた船』に誘いこんで、わざと噛ませたと自白しました。
殺人事件発生です!
いかにそいつがDV男とはいえ、1年も前に別れた妻子を救うために危険な封鎖地区に乗りこんでくるほど愛していたのです。
心を入れ替えたという言葉をちょっとは信じてあげてもよかったんじゃないでしょうか?
まあ再会してさっそくサイコパスDVプレイをやり始めたから信じるのは無理なんですけどねw
というか、DV男が「ほんとうに心を入れ替えて助けにきてくれたのかもしれない」とショウコさんが一度は信じるシーンを挟まないと「やっぱり裏切られたから殺っちゃってもしょうがないよね」という視聴者の同情や共感が生まれないんですが……。
あまりに高速展開、あまりにダイジェストすぎて、これじゃ人間ドラマになってません(真顔)。
狂っていく倫理観、もともと狂っていた説
で、結局『血のついた船』にDV男を誘いこんでゾンビに噛ませたのはショウコさんではなく、娘のユズキちゃんでした。
余談ですけど『血のついた船』って言い方www
血の匂いに引き寄せられるっていう設定、持て余してませんか?(笑)
さらに余談ですけど、なんでこのドラマに乗り切れないのか、少しわかった気がします。
「気がついたら噛まれていた」という展開が多いからでした。
噛まれたら終了という設定は既存のゾンビものを踏襲している以上、噛まれるシーンは見どころのはずなんです。
今回は「だれが噛ませたか」という部分をサプライズ要素にしたかったようなのでしょうがない面が5%くらいはありますが、リアルタイムに噛まれる人物の描写が少ないのは不満です。
噛まれてるっぽい描写は大群に襲われてそのまま死ぬ人物しかされません。
ちがうちがうそうじゃない!
しょうがないからゾンビもののテンプレパターンの一例を教えて差し上げます。
- 1、ある人物(仮名リック)がゾンビに腕を噛まれる。(視聴者は目撃するが、他の登場人物は見てない)
- 2、リックは噛まれたことを仲間に悟られなくて不自然な動きをする。
- 3、他の仲間が、リックに「噛まれたんじゃないか?」と疑いをかける。
- 4、リックは「か、噛まれてない!」と嘘をつくが、「だったら見せてみろ!」と強引に腕を確認され、噛まれた傷跡が発覚。
- 5、歯形のついた傷跡ドアップ、ドーン!と衝撃的な効果音が流れる(笑)
- 6、仲間たちがリックの処遇をめぐって「殺す」「殺さない」の議論を始める。
ウォーキングデッドで500回くらい見たパターンです(笑)
噛まれるシーン、もしくは噛まれた傷、このどちらかをはっきりくっきりドアップで見せる、これはゾンビものに絶対必須です!
アップ!!!
アップを見せて!!!
やっぱり技術も予算もないから、まさに噛まれる瞬間をアップで表現するのは無理なんでしょうか……。
余談(本題)終わりです。
えーとなんでしたっけ?
狂っているのは……DNA?
殺人犯がユズキちゃんということになって、封鎖地区を脱出したあとに警察に突き出すかどうかとか話し合いが始まります。
殺人犯ユズキちゃんは「わたし悪くないもん!」と主張します。
すげえサイコパスっぽい(笑)
サイコパスDV男の遺伝子をばっちり受け継いでしまったようです。
すると響が「きみは悪くない、悪くないんだよ」と優しい言葉をかけました。
いやいやいや!
悪いことをしたと罪悪感を抱いているやつを「なにも悪くない」と慰めるならともかく、ちっとも悪いと思っていないやつに悪くないと言うのは無意味です(笑)
無意味を通り越して、悪人同士の会話にすら聞こえました……(怖)
自分が甘ったれていたことに気づいた響はDV男がゾンビ化する前に首を絞めて殺しました。
いいよいいよ!
わかりきっていた事実
そして一行はついに横浜にたどりつきました。
もちろん封鎖フェンスの向こうにはゾンビの大群がいます(笑)
絶望する仲間たちですが、すでに人を殺して覚醒している響は俯きません。
この世界で安全な場所は駐屯地しかない、そこに行くんだと仲間を鼓舞して終わりました。
ところで、少女がゾンビになったのがクルミのせいではない可能性があると書いた理由ですが、まず噛まれたシーンがなかったからです。
このドラマは噛まれるシーンを見せてくれないので、ただそれだけなのかもしれないのが怖いのですが(笑)一応もうひとつの根拠として、首藤博士が「ゴーレムウィルスは空気感染する」と言っていたことが挙げられます。
つまりもともと少女は空気感染でゾンビ化が決定していたのに、クルミが放置したせいで発生したゾンビの存在を利用してクルミを追いこんだ、という可能性もあるのです。
ただ、脚本があんまり細かいことを考えてないっぽいのが怖いんですけど(笑)
ああくそっ、そんなにおもしろいと思ってないはずなのになんでこんなに長文を書いちまったんだ!!!
2時間もかけて、4000文字以上も!!!
はっ!?
これって……もしかして……恋?