『ものがたりいちば』

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映画「サイド・エフェクト」 夢遊病に隠された真実とは!? ネタバレ感想

2013年アメリカ映画
監督:スティーブン・ソダーバーグ
主演:ジュード・ロウ

 

この記事は5分程度で読めます。

 

 

序盤のかんたんなあらすじ


精神科医のバンクスは、自殺未遂事件を起こしたエミリーという患者を担当することになる。
エミリーは魅力的で美しいのだが、4年前に夫が逮捕されたことで鬱病を患っていた。


治療を受け鬱病から立ち直り、仕事を見つけて新しい生活をしていたのだが、最近夫が出所してきて生活が変わったことでまた鬱が再発してしまったのだ。


気の毒に思ったバンクスはエミリーが以前にかかっていた精神科医と会って詳しい事情を聞くなど親身に接する。
しばらく治療しても症状が改善されなかったため、バンクスは新薬を試すことにした。


すると、鬱の症状は改善傾向がみられたのだが、薬の副作用でエミリーが夢遊病のような異常行動を繰り返すようになる。
ある日エミリーは薬による異常行動のせいでとんでもない事件にまきこまれるのだった……。

 

 

―――ネタバレ注意!―――

 

 

 

スリードうまい度☆☆☆☆☆


最初は病気に苦しむ陰鬱な映画かと思わせて、次に製薬会社の犯罪を暴く社会派ムービーかと思わせて、その次にハメられた男が破滅していく恐怖映画かと思わせて、結局どんでん返しのサスペンスでしたーというジャンルシフトがうまかったです。


刑事もの、医療もの、のように最初からジャンルをわかりやすく提示すると、視聴者は安心して観れる反面、気を許してダレるという副作用が発生しがちです。


わたしは個人的に話の雰囲気がガラッと変わるジャンルシフト系の映画が好きなので楽しめました。

 

 

 

おクスリこわい度☆☆☆☆☆


結局エミリーは詐病で薬の副作用も嘘っぱちだったわけですが、劇中には他にも薬の影響で起こったとされる殺人事件の例が複数でてきました。


ほんとにそんなことありえるのかよ?
殺人ドラッグを売りつけるなんてもはやヤクの売人やんけ(笑)
もし薬の副作用で殺人を行う可能性があるんだったらマジでやばくね?と軽くググってみました。


抗インフルエンザ薬の影響で10代の若者が自殺に走った例が複数例あるみたいですけど、殺人まではさすがにいかないみたいです。
というか自殺と殺人はエスカレートの段階の問題ではないので、当然なんですけど。


さらに軽くググってみると、精神刺激薬を長年大量に服用しつづけたひきこもりが妄想に取りつかれて近隣住民を何人も惨殺したという事件がヒットしました。
しかも2015年……わりと最近ですね、知らんかった……。


ただこの犯人の場合20年以上もひきこもっていたうえに長年の大量服用ときていますから、薬の副作用が原因とは言い切れないようです。

 

どうやら薬でキマっちまった状態で、ネットでよからぬ陰謀論などを吸収して、電波な被害妄想を抱くようになったそうです。

事件の前にはSNSなどで赤の他人を誹謗中傷したりしてトラブルを起こしていたみたいです。


劣悪な生活環境による精神状態の悪化や長い年月をかけて育てていった妄想が引き金になったようなので、あくまで一因というレベルなのでしょう。
薬が有罪とまではさすがに……。


今度は『夢遊病』状態で殺人が行えるのか?という線で軽くググってみました。
ばっちりありました!(怖)
しかも複数例あるそうです。

以下引用です。

 

事例1:寝室内の物音で目を覚まし、侵入者と間違えて妻を殺した
事例2:夜勤の仮眠中に同僚に起こされた直後、混乱して射殺した
事例3:物音で目覚めた少年が横で作業をしていた友人を刺し殺した
事例4:ホテルの部屋にポーターが入ったところ、目覚めた客に撃たれて死亡
事例5:子どもに猛獣が襲いかかる夢を見て、子どもを守ろうとして抱き上げ壁に投げつけてしまい、子どもが死亡した
事例6:キャンプ場で寝ていて、火で焼かれる夢を見て飛び上がり、斧で近くにいた人を殺してしまった
事例7:押し込み強盗が家族を殺す夢を見て、銃を乱射して父親、兄を射殺してしまった
事例8:自分と妻がジャングルで日本人兵士2名に追いかけられる夢を見て、そのうち1名と格闘して殴る蹴るなどしているうちに気づいたら妻を殺していた

 


(※出典『睡眠の都市伝説を斬る 第86回 寝てる間に殺人犯になってしまった!そのワケとは』より)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/403964/020700080/?P=1


あの権威あるナショナルジオグラフィックが太鼓判を押した医学博士の書いた記事ですので、わたしは100%信頼します(笑)
冗談です、権威を無条件に信じるのがいちばんやっちゃいけないやつですから。


記事として興味深いしおもしろいかったです。
上にURL張っときましたので、よろしかった元記事をどうぞ。


殺人が発生した状況が多様で、なかには誤解や勘違いっぽいのも混じってますが、本人が覚醒状態になかった場合、夢遊病が原因ということになるんでしょう。
劇中でも『自覚』がなければ犯罪とは言えないとバンクス医師が証言してましたしね。


射殺率がお高めなので、アメリカで起こった事件が多そうです。
すぐ手に取れるところに銃を置いておくからそんなことになったんじゃないですかねー。


とはいえ、すぐ手に取れるところになかったら咄嗟のときに対処ができませんし、銃社会における悩みどころでなんでしょうね。


すぐにケリがつく銃や刃物なら数秒の夢遊状態で殺人を行えてしまいますが、事例8の「格闘して殴る蹴るなどしているうちに」は数十秒から数分はかかりそうなので、いくらなんでも寝ぼけていたというレベルではなく、まさに夢遊『病』です。

 

殴る蹴るの暴行は自分の拳などにもけっこうな衝撃が入ってダメージを負うはずなのに目覚めないんですかね?


それにしてもほんとに夢遊病殺人があるんですね。
というわけで、薬の影響そのものでは殺人まで至らないものの、薬による夢遊病状態なら殺意がなくても人を殺してしまうケースは否定できないようです。


なら本作のような夢遊病トリックを行うこともじゅうぶん可能ということですね。
エミリーみたいに嘘ついてるやついそう(笑)
いやぜんぜん(笑)えない……。
できれば引用した事例の裁判の結果も知りたいところです。

 

 

 

アマゾンビデオの表記おかしい度☆☆☆☆☆


今回わたしはアマゾンプライムを利用してこの映画を視聴しました。
サイド・エフェクト(字幕版)』です。


映画説明欄には2020と書いてありました。
しかしこの映画は2013年公開の映画です。


またかよ~~~~~~~~~!
道理でキャサリン・ゼタ・ジョーンズジュード・ロウを若く感じてしまうはずです。
この類の表記ミスがけっこう多いんですよ、アマゾンビデオさんは!


現代劇の映画を観るにあたって、公開年度はけっこう大事だと思うんですよ。
舞台の時代背景がストーリーを理解する助けになることが多いですから。


登場人物が知りたいことがあってもスマホがない時代だからその場でググれない、などのように時代背景を知っておければ余計な部分に引っかからずに集中して観れます。
誤表記、なんとかなりませんかね……?


いちいちアマゾンさんに誤表記訂正のお願いメールとか送ってたらあっというまにクレーマー認定されそうなのでなにもしませんけど。(めんどくさいだけ)

 

映画のストーリーそのものにも騙されましたし、最近の映画だと思って観たので映画の外でも騙されました(笑)
ナイスサスペンス!