『ものがたりいちば』

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もう一度観たい名作ドラマ「アンナチュラル」9話 敵の姿 ネタバレ感想

ネタバレありますご注意を!
わたしは放送時リアルタイムで観てました。
今回は3年ぶり2度目の観賞です。

目次です。好きなところから読めます。

 

 

近すぎる遺体


今回の遺体は前回の8話で凄惨な火事があったビルの横にある空き家で発見されました。
火事で焼けたビルの調査をしているときに見つかったのでしょう。


宍戸が遺体を警察が運びだす様子をカメラで激写していますが、おそろしいほどの情報力です。
警察に情報源がいるか、もしくは犯人そのものでないと知りえない早さです。


UDIに運びこまれた遺体はさっそく解剖に回されます。
口の中にあった金魚のマークの件から中堂さんやミコト、神倉所長は中堂さんの恋人ユキコを殺したのと同一犯として見ています。
つまり連続殺人事件とみなしています。


いっぽう警察サイドである毛利刑事はその見方には否定的です。
ユキコの事件と今回の遺体の場合は明確に殺人事件ですが、他の2つは首つりによる自殺と熱中症による病死と認定されているからです。


それに加えて遺体が発見された場所が広域であり、金魚以外の共通点が薄く、同一犯と断定する材料が少ないからです。


そして毛利刑事が連続殺人として扱えないいちばんの理由は、唯一の共通点である金魚のマークの写真が中堂さんによって非公式に撮影されたものであり、証拠として使えないからです。


まあそもそも連続殺人として扱うか単独殺人として扱うかは毛利刑事のような下っ端が決めることではなく、もっと階級の高い偉い人が決めることなので、毛利刑事の考えは関係ありません。


証拠として使えないうえに偶然で済まされそうなレベルの共通点をもとに連続殺人だと主張すると、警察組織内での立場が悪くなってしまうでしょうし(笑)


発見時、遺体はスーツケースに入れられていて、死後約48時間と推定されました。
解剖の結果でもこれといった死因が見当たらなかったので、異常に臭い胃の内容物に目をつけて、ボツリヌス中毒を疑うことに。


8年間探し続けてやっとつかんだ犯人の痕跡ですから、中堂さんは必死です。
ボツリヌス菌の培養検査をしようとしている東海林に「頼んだ」とお願いしました。
中堂さんの過去について初めて知った東海林は傍若無人なオラオラ男のこの態度に驚きを隠せません。

 

 

怪しすぎる宍戸


六郎のもとに週刊ジャーナルの編集長がやってきます。
宍戸が編集部に六郎に渡すようにと託した封筒を渡すためです。
2人でその封筒の中身をあらためてみると、数枚の事件記事のコピーと数枚の絵が入っていました。


事件記事のほうは、編集長が宍戸の書いた記事だと見抜きました。
見出しにしらじらしいポエムがあるから一発でわかるそうです(笑)


死因や凶器の類の頭文字が英語で強調され、アルファベット順の連続殺人であることを示唆していました。
死因と凶器がごちゃまぜになっているものを同一犯のものとするのはおかしいので、疑問をもった六郎は宍戸を呼びだして話を聞きます。


問い詰めても宍戸は自信満々です。
もう犯人そのものの態度です(笑)


六郎もそう思ったのか、宍戸を犯人扱いし始めますが、残念ながら宍戸は今回の遺体の死亡時刻にアリバイがあるそうです。


今回の事件の死因であるボツリヌス菌なら病死ですので、アリバイをでっちあげるのは可能だと六郎が畳みかけると、宍戸は「ボツリヌス菌wBはもうやったんだよ、ばーかw」とUDIの調査能力をバカにし始めました。


ボツリヌス菌の学名は『Clostridium botulinum』らしいのでCなんですけど宍戸さん!?
まあCにしてももうやったんですけど(笑)


宍戸は今回の死因はFだと主張し、六郎もボツリヌス菌じゃないかもと思いなおしたらしく、UDIに戻ってミコトたちにFから始まる死因を探る提案をします。
なんでそんなことを思いついたのかはスパイしていた過去がバレるから言えません(笑)


ところが発見現場でたまたま拾ったアリの死骸から蟻酸が検出され、しかもそのアリが蟻酸を分泌しない種類のものだったことから事態は一気に進展します。
再度解剖した結果、死因はホルマリンによる中毒死でした。


ホルマリンは強力な防腐効果を持つため、死亡推定時刻が大幅にずれていたのです。
ほんとうの死亡推定日時はビル火災よりも前、つまり火事の前からずっとスーツケースは空き家にあったのです。


これで宍戸のアリバイが崩れました!
ユキコを殺した連続殺人犯金魚キラーは宍戸だったのです!


……アリバイがない程度でそんなことになるわけもなく、事件解決の糸口が見えずに疲れてきたのでしょう。


六郎はUDIのなかで宍戸の資料を読むという暴挙にでました。
おい、スパイ行為がバレるぞw
案の定すぐに東海林に見つかってしまい、記事といっしょに入っていた絵に東海林が反応しました。


「ピンクのカバかわいい~」
という東海林の発言を聞いて中堂さんがマッハで飛んできました。
その絵はユキコが事件にあったとき持っていて、発見されずじまいだった絵でした。
描かれてから8年もたったわりにはさっき書いたみたいな良好な保存状態でしたが(笑)。


その絵を持っているのは犯人しか考えられません。
つまり、犯人は六郎だったのです!

なわけない(笑)

 

 

真犯人特定がもう1つの悲劇を生む


中堂さんが六郎のスマホから宍戸に電話すると、宍戸も「人にもらった」と言いました。
その人物とは、前回ビル火災で唯一生き残った高瀬という男だったのです。


な、な、な、なんだってーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!


あ、この臭い驚き演出は犯人が意外だったからじゃありません。
わたしはこのドラマを観るのは2回目なので犯人を知ってましたし(笑)


なにに驚いたかといえば、法医学がテーマのドラマなのに、ラスボスの連続殺人犯を特定する決め手が死因でもなんでもなく「被害者の持ち物を持っていたから」だったことです。


べつに法医学者じゃなくてもいいじゃねーか(笑)
1回目はこのことにぜんぜん気づきませんでした。


それにしても不憫なのは前回の8話で命を捨ててまで高瀬を助けだした三郎さんです。
まさか命と引き換えに助けた男が連続殺人犯だったとは……。


ああなるほど!
今回の遺体が火事の件よりも前に起こった事件の被害者でなきゃいけない理由はそこですね。


もし火事のあとに起きた殺人だったら、三郎さんが余計なことをしたためにあらたな殺人が起きてしまったことになります。
もちろんそのことが三郎さんの責任になるわけはありませんが、ドラマとして後味が悪くなってしまいますからね。

 

 

中堂さん殺意に走る


8年間探し続けた憎き犯人をついに特定した中堂さんは、高瀬の家に走ります。
走ります、ってほんとうに走っていきます(笑)
タクシーに乗って、どうぞ!


そして六郎も中堂さんが高瀬を殺すのを止めるために後を追って走ります(笑)
おまえはバイクに乗って行けよ、余裕で追いこせるだろw
あわてすぎw


毛利刑事たちも高瀬の家に急行します!
こちらはさすが警察官の冷静さを見せつけ、ちゃんとパトカーに乗って行きました。
でも到着はちんたら走ってた中堂さんよりだいぶ遅れました(笑)
大事な場面で道に迷ったのでしょうか(笑)


中堂さんは高瀬をぶっ殺す気まんまんで家に乗りこみましたが、もぬけの殻です。
そのとき高瀬はなんと身柄の保護をもとめて警察署に姿を現していたのです!

 

 

今回、犯人の特定には法医学的な要素がありませんでした。
『ユキコの絵の所有者』が犯人だったというのではふつうの刑事ドラマと同じなので、次回の裁判でふんだんに法医学っぽさを出してくれることでしょう!


1回見てるはずなのに、なぜか最終回のことはぜんぜん覚えてないので楽しめそうです。