2018年韓国映画
監督:チョ・ギュジャン
主演:イ・ソンミン
この映画を観てイラつかなかったあなたはとても寛大な心の持ち主です、な映画の感想はっじまっるよ~!
目次です。好きなところから読めます。
- 序盤のストーリー
- ハン、嘘を重ねる(サイコパスの特徴w)
- 薄毛刑事が犯人に迫り、ハンが妨害する(笑)
- ついにハンに魔の手が伸びる待望の展開
- 最後の目撃
- 主人公にイラつく度☆☆☆☆☆
- マンションの住人にイラつく度☆☆☆☆☆
- 警察上層部にイラつく度☆☆☆☆☆
序盤のストーリー
主人公であるサラリーマンのハンは飲み会の1次会が終わったあと2件目に行きたがりますが、同僚に嫌われているらしくみんな帰ってしまいます(笑)
なぜハンが嫌われているのかはこのあとわかります。
しょうがないので自宅に帰って1人で飲みなおしていると、外から悲鳴が聞こえてきました。
窓から外を見ると、なんと女性が男に殴られているではありませんか!
痴話げんかというレベルではなく、ハンマーで完全に殺りにいってます。
起きてきた妻が電気をつけたのでハンはあわてて消しました。
おそるおそる窓から様子を窺うと、犯人はこちらを見上げ、階層を数えています。
有名なサイコパステストのネタですね。
あなたは自宅マンションから、男が女を殺しているのを目撃しました。
犯人はあなたを指さしています。
いったい犯人はなにをしているのでしょうか?
一般人の答え:つぎはおまえだという意思表示
サイコパスの答え:目撃者を消すために階層を数えている
まさにこの映画と同じ状況です。
有名ですが、おそらくなんの科学的根拠もありません。
こんなものでサイコパスが診断できたらFBIも苦労しません。
そもそもサイコパスのほうの答えは論理的に正解が導きだせるものですので、まともな人間をサイコパス扱いしてからかう悪質なジョークでしょう。
むしろ一般人の答えのほうがヘンです。
なんだよ「つぎはおまえだ」って、なんための予告だよ!
一般人バカにしすぎだろwww
このように一般人の答えのほうも統計で導きだされたものとは到底思えないので、だれかがお遊びでテキトーに作ったものが独り歩きして広まったのではないかと思います。
さて映画に戻りますと、犯人が指差し確認しているのを見たハンは一瞬で意図を理解して震え上がります。
答えがわかったってことはハンはサイコパスですね(笑)
(笑)と書きましたけど、じつはそうなのです……。
なんとハンはわが身のことしか考えず、自宅の戸締まりをして通報もせずに眠ってしまいました。
サイコパスというのは一般的に『良心の欠如した、他人の痛みや感情を理解できない人間のこと』と言われていますので、まさにハンは当てはまります。
しかも、このとき被害者の女性は気絶していただけでまだ生きていたのです。
2時間後、目覚めた女性は自力で通報しようとしましたが、犯人にスマホを蹴とばされてトドメを刺されてしまいました。
犯人はハンが通報するかもしれないと警戒して離れたところで様子を窺っていたのです。
というわけでハンのせいで女性は殺されてしまいました。
もうこの時点でこの男がどうなろうが知ったこっちゃない気分になってきました。
―――ネタバレ注意!―――
ハン、嘘を重ねる(サイコパスの特徴w)
翌朝警察が事件現場を調べています。
薄毛の刑事がこんなマンションの敷地のど真ん中で事件が起こったのに、通報が入らなかったことを訝しがっています。
この刑事さんは有能で情熱にあふれています。
ほとんどこっちが主人公みたいなものですが、名前がわからないので薄毛刑事と呼ぶことにします。
薄毛刑事は目撃者を探すためにマンションの住民に聞き込みをしますが、住宅価格が下がることをおそれた住民たちは協力的じゃありません。
殺人犯が近所をうろついているかもしれないのに(笑)
マンションの防犯カメラを確認すると、事件発生時刻の2時に帰宅した者が2名いました。
薄毛刑事はハンのところに聞き込みにきますが、ハンは知らないと嘘をつきます。
とっとと事件を解決したい警察上層部は被害者をストーカーしていた男をとくに根拠もなく逮捕することにしました。
びっくりしたストーカー男はつい逃げてしまい、真犯人に殺されます。
警察はストーカー男が被害者を殺して自殺した、と発表してしまいます。
薄毛刑事だけはそうじゃないと疑い、捜査を続けます。
いっぽう、警察がマスコミに発表したストーカー男の写真を見たハンは、犯人ではないと確信しました。
自宅にいたハンのもとにマンションの住人の女性チェさんが訪ねてきます。
チェさんは事件当夜ハンと同じ時間に帰宅して、犯行を目撃していたのです。
ハンと同じく犯人を恐れて黙っていたのですが、このままでは真犯人が野放しになってしまうのでハンといっしょに警察に通報しようと勧誘しにきたのです。
チェさんは良心の呵責に耐えかねて勇気を振り絞って行動したのですが、残念ながらハンはサイコパスなのでこの申し出を突っぱねます(笑)
チェさんがスマホを忘れていったので、ハンは4階のチェさん宅に届けに行きました。
すると、半開きになったドアから、あの殺人犯がチェさんの死体を処理しているのが見えました。
ハンのせいで3人目の被害者が出てしまったのです。
この時点でわたしのイライラゲージは有頂天です。
「とっととこいつ殺されておわんねーかなー」と思ってました。
スマホが鳴ったので目撃していたことが犯人にバレました(笑)
あわてて逃げだしましたが、マンションの外で妻と娘とばったり出くわしてしまいます。
追いかけてきた犯人もさすがに白昼堂々3人を始末するのはむずかしいためか、様子を窺っています。
するとそこへ正義のヒーロー薄毛刑事が颯爽と現れました!
ところが、いまそこに犯人がいるのに、なぜかハンは薄毛刑事になにも言いません。
1人目のときは、犯人が怖いからという理由があったので納得もできますけど、今回は事情が違います。
目撃したことがバレているので、いずれ殺されるに決まってます。
怖いなら薄毛刑事に真犯人を告げるべきでしょう。
しかしハンが方向性のよくわからない保身に走ったために、犯人は再度野放しになってしまいました。
薄毛刑事が犯人に迫り、ハンが妨害する(笑)
犯人が犯行に使った盗難車のナビデータから、薄毛刑事は犯人の自宅を特定しました。
しかし証拠がないので逮捕には踏み切れません。
どうしてもハンの目撃証言が必要なのです。
そこで犯人の写真を見せてハンに証言してくれと頼むのですが、ハンは断るばかりか、あろうことかもう1人の目撃者であるコーラという少年に証言しないようにと口止めします。
ハンはコーラ少年の身を案じているフリをしていますが、完全に捜査妨害でしかありません。
自分の都合でしか動かない、これはまさしくサイコパス……!
この妨害工作には温厚な薄毛刑事もハゲキレちらかします。
「あなたが黙ってるせいで犯人は野放しだ!」
とザ・正論をぶつけるのですが、市民としての義務や社会正義など知ったこっちゃないハンには響きません。
警察はマヌケだから信用できないそうです。
そこで薄毛刑事は説得方法を変えることにしました。
「失踪したチェさんを今なら助けられるかもしれない!」
と良心に訴えかける作戦に出ましたが、これは逆効果でした。
残念ながらハンには良心がない、チェさんがもうお亡くなりになっていることを知っているのでハンはだんまりを決め込みました。
コーラ少年はこのあと犯人に半殺しにされて病院送りになりました。
ついにハンに魔の手が伸びる待望の展開
子どもまで被害にあったことで、さすがのハンも警察に証言することを決意し、妻に事の真相を告げます。
この奥さんはまっとうな正義感の持ち主なので、よく呆れられなかったものです(笑)
ハンの証言を取れた警察はさっそく犯人の逮捕に動きました。
犯人の自宅に踏み込みますが、犯人はガスボンベを電子レンジでチンしておもてなししていました(笑)
爆発の隙にまんまと逃げおおせてしまいました。
そんなお手軽な爆弾あったんですね、覚えておきます(!?)。
くしくも『警察はマヌケ』というハンの主張を裏付ける形になってしまいました。
みすみす犯人を取り逃がした刑事たちがすごすごと警察署に戻ってきたのを見たハンは、家族に危険が迫っていることを予感します。
薄毛刑事の制止も聞かずにタクシーに飛び乗りましたが、あやしげな黒い車に追跡されていることに気づきました。
黒い車は追突するという荒業で強引にタクシーを止めます。
黒い車の男はハンをタクシーから引きずり下ろすと、首を絞めました。
いいぞ、やっちめえ!!!がんばれハン!!!
ハンを殺そうとしているのはあの犯人ではなく、チェさんの夫でした。
どうやらハンのせいで奥さんが失踪したことを知ったようです。
そのとき、追いついてきた薄毛刑事がチェさんの夫を銃で撃ち、殺人を止めました。
するとどうしたことか、ハンはチェさんの夫をかばったのです。
この行動を一般の人間と同じ善意からの行動とみなすのは早計です。
なにしろ相手は身勝手なサイコパスですから……。
チェさんの死にハンの責任が少なからずあることは間違いないので、妻の死を知った夫にますます恨まれることになるでしょう。
そのために警察からかばうフリを見せつけて、恩を売っておこうとしたのです!
まんまとその演技に騙されたチェさんの夫は、事の次第を語ります。
なんでもチェさんの夫が犯人からハンのせいだと教えられたときに、犯人がハンの家族を狙うようなことを匂わせていたそうです。
ハンの予感は当たっていたというわけです。
あわてたハンは銃で武装した薄毛刑事を置き去りにして車で自宅マンションに急行しました。
ほんの2、3秒待つだけで強力な味方が手に入ったというのに(笑)
最後の目撃
犯人はハンの家族を警護しにきた刑事をハンマーで殴り殺し、家に侵入しました。
なぜかやたらとハンマーにこだわりがあるようですが、サイコパスの考えは理解できません。
たぶん刃物で臓器を刺すよりも『頭蓋骨が砕ける感触が味わえて気持ちいいから』とか、そんなクソみたいな理由でしょう。
あ、理解できちゃった……!?
うわっ・・・わたしのサイコパス度、高すぎ・・・?
ハンの奥さんは必死に抵抗しますが、相手は虫でも殺すみたいに人殺しをするやつです。
それでも娘を守るために奮闘します。
ハンが襲われても観客が喜ぶだけでまったくハラハラしないので、そのとばっちりで襲われた奥さんたちがんばれ!
奥さんはからくも家から逃げだしたものの、マンションの1階で犯人に追いつめられます。
しかし、そこに他の住人が通りかかりました。
なにしろ1階ですから、多くの住人が遠巻きに様子を窺っています。
さらにハンが駆けつける声がしたので、犯人は逃げました。
奥さんと娘の無事を確認したハンは「ケリをつけてやる(キリッ」となぜか急にかっこつけはじめます(笑)
ハンは山に逃げた犯人を追いかけました。
2人は取っ組み合いになりますが、大雨のせいで突如土砂崩れが発生し、押し流されてしまいました。
なんとか土砂から這いだしたハンが目撃したのは、大量の死体でした。
チェさんの死体もあれば、完全に白骨化した死体もあります。
この死体の山を築いた犯人は木に腹部を貫かれていて、間もなく死亡しました。
事件後、引っ越すことにしたハンの一家に、マンションの婦人会の会長が4億ウォン以下では売るな、と謎のアドバイスをして去っていきます。
最後まで住宅価格のことしか気にしていませんでした(笑)
他人に無関心な現代人はみんなサイコパス的になっているという警鐘を鳴らしているんでしょうか?
というところで終わりです。
主人公にイラつく度☆☆☆☆☆
上にも書きましたけど、最初の殺人を通報しなかったのは『怖かったから』というのは納得できますけど、チェさんの件まで言わなかったのは怖いからではすまされません。
行動に一貫性がないのでだいぶイラつきました。
マンションの住人にイラつく度☆☆☆☆☆
身の安全より住宅価格を心配するのはさすがに?
警察上層部にイラつく度☆☆☆☆☆
まじめに捜査して、どうぞ!
以上です!