『ものがたりいちば』

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映画「イップ・マン 継承」ネタバレあらすじ感想 達人の流儀を描いた大ヒットカンフーアクション!

2015年香港・中国映画
監督:ウィルソン・イップ
主演:ドニー・イェン

 目次です。好きなところから読めます。

 

序盤のあらすじ


1959年香港。
香港武術界で押しも押されもせぬ重鎮となったイップは長男を勉学のために佛山に送り、次男チンと妻ウィンシンの3人で幸せな生活を送っています。


前作で犯した『長男が成長していない』という決定的なミスをうやむやにするために存在を消しやがったwww
勉学のためなら中国の田舎より香港のほうがいいでしょうがw


これまでのシリーズを観ていない方のためにご説明申し上げます。
1作目1938年の時点で長男は5、6歳程度でした。


2作目の舞台は12年後の1950年ですので長男は高校生くらいになっていないとおかしいのですが、なぜか小学校低学年くらい、つまり1作目からほとんど成長しなかったのです(笑)
なんであんなありえないミスしたんだろ?w


本作の話に戻ります。
香港は経済成長が著しく、古い街の再開発が進んでいます。
その結果マネーに引き寄せられた悪党どもが街にのさばり、治安が悪化しているのです。


イップの次男が通う小学校にもその魔の手が伸び、サンという悪党の地上げ屋が手下を連れて職員室に殴りこんで校長に暴行を加え、無理やり土地を売らせようとしました。
たまたま居合わせたイップが追い返したのですが、刑事はそのサンを逮捕できないと言います。


なぜなら西洋人の警察署長がサンのボスとずぶずぶに癒着しているからです。
ま~た汚職警察署長ですか~。
イギリスには汚職官僚しかおらんのかw


警察は頼りにならないので、イップは弟子たちと学校を警備することにしました。
するとサンは数十人もの手下を連れて殴りこみをかけてきて、校舎に火を放ち、校長を拉致しようとします。


いくらイップが達人とはいえ体は1つしかありませんから、手下どもを相手にしているうちに校長がさらわれてしまいそうになりました。
そこに通りかかった車夫のチョンが手下どもを叩きのめし、校長を助けたのです。


チョンはイップと同じ詠春拳の使い手で、お金を貯めて武館を持つのが夢です。
先人が築いた詠春拳の伝統的な型にこだわりがあるらしく、イップの強さを認めても正当な詠春拳ではないといちゃもんをつけてきたので、イップは困惑します。


じつは、サンはイップの友人であるティン師匠の元弟子です。
この暴挙を聞いたティン師匠が、サンが根城にしている造船所に説教しに行くというのでイップも付き添いとしてついていきました。
前作のホン師匠と同じくティン師匠も戦うには太りすぎなのを心配したのでしょう(笑)


造船所と言っても船など作っていないので(笑)、イップたちは50人ほどのチンピラに囲まれてしまいます。
ティン師匠がサンを叱りますが、もちろんサンは聞く耳を持ちません。


当然のように小競り合いが発生するのですが、刑事がやってきたのでその場は収まりました。
しかし、サンの悪行はさらにエスカレートしていくのでした。

 

 

―――ネタバレ注意!―――

 

 

 

無法の極み


サンは自分の主催する闇の賭け試合に金目当てで出場していたチョンの強さに目をつけます。
武館開設のために金が欲しいチョンに大金を与えて、邪魔者を襲わせることにしました。


金に目がくらんだチョンはティン師匠を襲撃します。
なんで襲わせるのが学校を実質的に警備しているイップじゃないのかよくわかりませんが、たぶんイップとチョンの対決をラストに持ってくるための脚本の都合です(笑)


ティン師匠は太りすぎて動きが鈍いため、チョンにさくっと腕を折られてしまいました。
サンは『入院したティン師匠がお見舞いにきてほしがっている』という連絡をイップに入れます。


そして病院にイップが駆けつけた隙に、白昼堂々小学校から子どもたちを誘拐するというとんでもない暴挙に及びました。
この悪行を聞いたイップは単身造船所に乗りこみますが、なんと誘拐された子どもたちのなかにイップの次男が混じっていたのです。


もちろんサンに人質に取られ、言いなりになるしかないイップは土下座させられてしまいます。
べつに自分の子どもじゃなくても人質に取られたら言いなりになるしかないと思うので、これはなんの策もなしに乗りこんだイップの失策です。


たまたま自分も我が子を誘拐されたチョンがやってきてサンを叩きのめしてくれたおかげで難を逃れます。
イップとチョンが数十人の悪党どもと大立ち回りを繰り広げていると、ようやく警官隊が突入してきました。
子どもが誘拐されたとあってはさすがに悪徳署長も目こぼしできなくなったようです。


手下どもは逮捕されましたが、サンだけは逃げていました。
ですが、サンはボスのフランクにやりすぎを咎められ、クビにされてしまいました。
これでサンは映画から退場です(笑)


黒幕フランクはマイク・タイソンみたいなワルい顔をしています。
と思ったら本物のマイク・タイソンでしたwww


学校から手を引かせるために直接話をつけることにしたイップは、フランクの事務所を訪れます。
フランクはやりすぎを認め、もし自分と戦って3分間立っていられたら学校から手を引くと約束しました。
イップがこの申し出を受けると、フランクは律義に目覚まし時計をセットします(笑)


ラウンド1ファイッ!!!
タイソンフランクは体格差を生かしたパワープレイでイップを追いつめます。
ボクシング界のレジェンドを起用しただけあって、見せ場たっぷりです。


強烈なパンチを浴びせられたイップはガードの上からでもダメージを受けてしまいます。
フランクは窓ガラスを片っ端から割って、階下にいる自分の娘にガラスの破片シャワーを浴びせるという謎の行動をします(笑)


押されていたイップですが、ボクサーの弱点である下半身への攻撃で相手を怯ませ、さらにボクサーの武器である拳に肘を合わせるという高等防御テクニックでフランクを翻弄します。


お互いがフィニッシュブローを入れようとしたときに、目覚まし時計が鳴ります。
すると、フランクは律義に拳を止めました。

タイソンの扱いに気をつかってるなぁ(笑)


勝負が引き分けになったのですが、タイソンが負けるシナリオだといくらギャラを要求されるかわかったもんじゃないでしょうから、これ以外の落としどころはないでしょう(笑)
フランクが約束通り学校から手を引くと言ったので、イップは帰宅しました。

 

 

妻との最後の日々


学校の件が無事に片付いたのですが、イップには悲しい知らせが待ち受けていました。
妻ウィンシンがガンに冒され、余命半年ということが判明してしまったのです。
これまで苦労のかけ通しだったことを悔いたイップは、残された時間を夫婦水入らずで過ごすことに決めました。


いっぽうチョンはサンからもらった金で武館を開きました。
金のためにティン師匠の腕を折ったことに対するストーリー上の咎めは最後までとくにありません(笑)


武館を開いたものの、チョンの知名度では弟子が集まらないため、チョンは新聞記者と結託して名を上げることにしました。
他流派の師匠に手合わせを申しこみ、次々と打ち破っていくチョンの知名度はうなぎ上りになります。


大勢の弟子を抱えるようになって夢を叶えたチョンですが、1つだけやり残したことがありました。
それは伝統的な詠春拳とは異なる技を詠春拳として広めているイップを倒して、どちらが正当な継承者か証明することです。


試合当日、新聞で大々的に宣伝したため多くの観客が詰めかけたのですが、約束の時刻になってもイップは現れません。
なにしろそのときイップは奥さんと楽しくダンスしているからです(笑)
イップはチョンの挑戦を断り、奥さんと過ごすことを優先したのです。


棄権したとみなされたイップは負け扱いとなり、チョンは正当詠春拳の看板を掲げるのでした。
断られたのにそれを周囲に隠して勝手に試合を開催して、不戦勝でドヤ顔するとはチョンはなかなかの策士ですね。
武館経営に向いていると思います。


ウィンシンは日々弱っていき、ついに入院することになりました。
病床についたウィンシンは「もしわたしの病気がなかったらチョンの挑戦を受けていた?」とイップに聞きます。
しばらく考えていたイップは「そうだ」と肯定しました。


ウィンシンはイップに「最後に戦っている姿を見せてほしい」と頼みました。
じつはウィンシンは『きっとイップが本当は戦いたかったのだろう』と察して、無断でチョン師匠に挑戦状を送りつけていたのです。

 

 

最後の戦い


イップとチョンの戦いに観客はいません。
ウィンシンは立ち会っていますが、目を閉じて見ようとはしません。
本心ではウィンシンはイップが傷つくかもしれない戦いを望んではいないのですから。


チョンは亜流のイップが棒術を苦手と見て、まず棒術の対決から始めました。
すっげー長い棒ですw
しかも石の壁を削り取る破壊力ですw
詠春の棒、凄すぎんだけどマジでw


1発でも当たったら即死確定の危険な棒術戦ですが、お互いの棒が砕けてしまったため決着はつきません。
つぎは中華包丁みたいなごつい短剣による双剣術の対決です。
これでも優劣がつかなかったので、最後はやはり拳を交えることになりました。


激しい戦いは一進一退で進みましたが、チョンの研ぎ澄まされた目突きが命中し、イップは片目しか見えなくなってしまいました。
間合いを測れなくなったイップは指先をチョンの腹部に当て、密着状態から拳を叩きこみました。


ブルース・リーが創始したことで有名なジークンドーワンインチパンチです!


と言っても映画のおかげで世界的に有名になっただけで、べつにブルース・リーのオリジナル技じゃなく、寸勁という中国武術のスタンダードな技だそうです。


寸勁の強烈な打撃を2度食らったチョンがたまらず膝をつき、勝負は終わりました。
そのあとチョンは負けを認めて正当継承者の看板を壊しましたが、イップはそんなことどうでもいいのでウィンシンを連れてとっとと帰宅するのでした(笑)

 

 

長男不憫度☆☆☆☆☆


前作で年齢設定をミスったからって、存在が消されてかわいそうでした(笑)

 

 

悪いやつが罰を受けてない度☆☆☆☆☆


1作目も2作目も、最終的に悪役は罰を受けましたが、今作では野放しのままですw
サンは組織をクビになっただけでどこかへ行きましたし、フランクも元気に地上げし続けることでしょう。


チョンはあの場では負けを認めてましたけど、あいつけっこうズルイやつですから。
三者の証人がいませんから、そもそもイップとの戦いなんてなかったことにして、しれっと武館経営を続けることでしょう(笑)

 

 

川井憲次度☆☆☆☆☆


攻殻機動隊の音楽を手掛けたことで有名な作曲家の川井憲次が本作も全曲手掛けています。
あいかわらずよかったです。
それだけです(笑)

 

これで終わりかと思ったらまだ続編があるんですね。
スピンオフもあるんですか。
楽しみが増えてうれしいですけど、さすがにマンネリ化してそう……。

 

1作目『イップ・マン 序章』と2作目『イップ・マン 葉問』の感想もあるので、よろしければどうぞ!

 

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