『ものがたりいちば』

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『シンエヴァ公開記念』映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」ネタバレあらすじ感想

2009年日本映画
監督:庵野秀明
主演:緒方恵美

新作公開間近なのでおさらいしときました。
『序』のあらすじ感想も書きましたのでよろしければどうぞ。

 

zwigani.hatenablog.com

 

 目次です。好きなところから読めます。

 

序盤のあらすじ


ネルフユーロ支部に保管されていた第3使徒が封印を破ってしまったので、エヴァンゲリオン仮設5号機で殲滅することになりました。
なにやら分析するために切り刻まれたことで第3使徒がキレちまったそうです(笑)


5号機のパイロットはユーロ所属の真希破・マリ・イラストリアスというメガネっ子です。
マリは使徒を倒すために5号機を自爆させました。


やむを得ない事故や成り行きではなく、ネルフ諜報部員の加持リョウジとマリが示し合わせて人為的に起こした自爆のようです。
これによって乗る機体がなくなったため、マリは日本へ向かいました。


日本では碇シンジ碇ゲンドウが墓参りをしています。
親子の間には前作でのギスギスした雰囲気はなく、どうやら関係性が良好なものになりつつあるようです。


墓参りから帰る途中、第7の使徒が現れました。
零号機は修復中、初号機のパイロットがここにいるので(笑)、本来なら迎撃できません。
ところが、ユーロから送られてきた2号機がぶっつけ本番で稼働し、使徒を撃退しました。


パイロットの式波・アスカ・ラングレーは傲慢な性格の持ち主で、綾波レイのことを『えこひいき』、シンジのことを『七光り』と呼び、自分だけが才能で選ばれたと豪語します。
だいたいあってるw


シンジは帰宅途中、加持と遭遇します。
初対面にもかかわらず加持はシンジに『葛城ミサトの昔の男』アピールをするという大人気のないところを見せました。


加持が日本に帰ってきた理由は、第3使徒騒ぎのどさくさ紛れにユーロ支部からちょろまかした『ネブカドネザルの鍵』というマジックアイテムをゲンドウに渡すためでした。
エヴァあるあるの『思わせぶりだけどとくに意味はない』ですね。


アスカはミサトの家に同居することになりました。
ミサトによると、初対面のときの他のパイロットへのアスカの態度がよろしくなかったので、協調性を学ばせるための同居だそうです。


さらに協調性を育成するために、加持が子どもたちを連れて『汚れた海を浄化して旧世界の生物を復元する施設』へ社会科見学に行きました。
シンジは早起きして作ってきた弁当をみんなにふるまって、露骨なポイント稼ぎをします。


肉が食べられない綾波に「あったまるよ」とみそ汁を差しだす気づかいまで見せて、モテ男アピールしました。
『序』では人間関係がさんざんだったのに、今作では絶好調です。
ちなみにこの世界はセカンドインパクトの影響で常夏のはずなので「あったまるよ」はある意味嫌がらせに近いです(笑)

 

 

第8使徒襲来


劇場版で時間が押しているのでテンポよく次の使徒が現れました。
こんどのやつは宇宙空間から飛来してきます。
落下のエネルギーと光を歪めるほどの強力なATフィールドの相乗効果で、第3新東京都市ごとネルフ本部をまとめて吹っ飛ばす作戦のようです。


どこに落ちてくるか正確な場所がわからない、ということでミサトはエヴァ3機の共同作戦を立案しました。
技術部門の赤城リツコ博士が反対しましたが、とくに他にいい案もなさそうなので無視されます(笑)


作戦開始前エヴァに乗りこんだシンジはエヴァの匂いについて、「母さんの匂い……綾波の匂い」などと綾波の正体について薄々感づいているようなことを独り言しました。
ですがシンジは真相に迫ることを無意識に回避する性格なので、とくに考えを掘り下げたりしません(笑)


失敗したら街がまるごと吹っ飛んでしまうので全市民を避難させました。
そのおかげでエヴァの進路を作るために壁を建てたりジャンプ用の足場を用意したりと、要塞都市としての機能をフルに活かせます。
というか、危ないし邪魔だし、もうこの街に民間人を住ませないほうがいいんじゃないでしょうか……?


見事初号機が使徒を受け止めましたが、敵にがっちり握手されてしまったため戦えなくなりました。
そこでアスカの2号機がコアを破壊しようとするのですが、動きが速すぎて捕捉できません。
レイの零号機が身を挺してコアをつかんだおかげで2号機は無事コアを破壊して使徒を殲滅できました。


せっかく使徒を倒したのにアスカは「1人じゃなにもできなかった……」と落ちこみます。
月に出張していたゲンドウが音声通話ではありますが、シンジを褒めました。
ついにシンジの望みが叶ったのです!
ほんとうに今作の人間関係はシンジの思いどおりに進みます(笑)

 

 

ブコメ突入


第8使徒との戦いで協調性の大事さを学んだアスカがシンジに夜這いをかけます(!)。
時間がないのでアスカは急速に協調性を学び、シンジとの仲も急接近していきました。
これもゲンドウの計画の一部なんでしょうか?


アスカが自分の才能にこだわる理由は、生い立ちの影響が大きいようです。
というのも、いっしょにランチしようと誘ってきたクラスメートの委員長に弁当を奪われると思って「弁当は分けてあげないからね!」と一般的ではない発想を見せたからです。


きっと経済的に厳しい幼少期を過ごしたため、貧乏が染みついているのでしょう。
そのためネルフパイロットとして自立した今でも職を失って貧乏に逆戻りすることを無意識のうちに恐れているのです。


古い携帯ゲーム機を遊んでいたり、携帯もガラケーだったりと、節約家の側面も見せていますしね。
(公開年2009年当時はまだそれほどスマホが普及していなかった、というだけかもしれませんが)


シンジがレイにも弁当を作ってあげるというモテ男プレイをすると、アスカが露骨に嫉妬しました。
ほんとうにマジでシンジの人間関係が絶好調です(笑)


レイはゲンドウとシンジの仲立ちをするために、食事会を開くことを思いつき、そのために料理を練習し始めました。
アスカはレイが料理を始めたことを指の絆創膏から察して、対抗意識を燃やし自分も料理を特訓し始めます。


しかし、ミサトからレイが料理を練習する本当の意味(ゲンドウとシンジの仲立ち)を聞いて、自分との動機の違いに気づきました。
さらにたまたまネルフで会ったときに、レイがものすごい数の絆創膏をしていることで負けを認め、退く決意をしました。


この子たちいくらなんでも不器用すぎなんですけど、エヴァに乗ると不器用になるのかな?(笑)
レイが伝説の「ぽかぽか」発言を連発しましたが、何度観ても恥ずかしい気分になりますw

 

 

ブコメヘヴン終了、地獄モードへ


そこらじゅうで発情していたシンジのハーレムモードは終了です。
ネルフ北米支部で開発されていたエヴァ4号機が突如爆発して支部は消滅してしまいました。
事故か人為的なものかわかりませんが、この事件でエヴァを手元に置いておくのが嫌になったアメリカが、3号機を日本本部に押し付けてきます。


1つの国が保有できるエヴァは3機までという国際条約があるので、2号機が凍結されることになり、アスカは失業の危機に怯えます。
3号機の起動実験のパイロットをだれにするかミサトは悩みますが、実験日が『ぽか波の食事会』の日とかぶっていたため、アスカが立候補しました。


シンジがいなくてもレイがいなくても食事会の本来の目的が達成できないことを察したのでしょう。
成り上がりで傲慢だったアスカが、元恋のライバルを思いやれるようになるとは、すばらしい成長です。
まあそのせいで散々な目にあうんですけど……。


レイにお礼を言われ、ミサトに褒められた照れ隠しに、3号機の起動実験に立候補したのはパイロットとして「食べていくため」だと言いました。
14歳でそんな言語表現が出てくるなんて、ほんとうに貧乏で苦労したんだなぁ……。


起動実験を始めると、3号機は使徒落ちしました(笑)
おいてめーアメリカ、使徒入りのエヴァよこすなんてなに考えてんだこのヤロー!
本来ならどえらいレベルの国際問題になるところですが、どーせもうすぐ世界が終わるので無問題ですw


シンジはアスカを救いだすことをまったく模索せずに、アスカ入りの第9使徒と戦うことを拒否します。
さらに「アスカを殺すくらいなら殺されるほうがマシだ!」と極論をぶっぱなして一方的にやられるがままになったので、ゲンドウは初号機とシンジを守るためにダミーシステムを運用させました。


ダミーシステムのパワーはすさまじく、3号機をフルボッコにしてアスカ入りのエントリープラグをおいしく食してしまわれました。
幸いアスカの命だけは助かったようですが、使徒による汚染を考慮して封印されてしまい、本作での出番が終わってしまいます。


基本的に評価の高い映画ですが、アスカファンからの評価は微妙そうですねー。
幼少期に貧乏を経験し、自分の力でそこから脱出するという快挙を成し遂げたものの、のうのうと生きてる周囲の子どもと馴染めなくなってしまった少女が、ようやく他人と良好な関係を築けるようになった矢先の悲劇、不憫でなりません……。


ゲンドウの仕打ちにキレちまったシンジはネルフ本部に初号機でカチコミをかけます。
周囲の説得にも耳を貸さず、「本部なんてぶっ壊してやる」と脅しをかけるのですが、ぶっちゃけなにがやりたいのか目的がわかりません(笑)


「子どもの駄々に付き合っておれん」
と、ゲンドウに冷たくあしらわれて無目的な反乱は終了しました(笑)


逮捕、拘禁されたシンジはゲンドウに「エヴァに2度と乗るか!」と三行半を叩きつけてネルフを去る決断をします。
決意は固いようで、ミサトのまあまあ長めの説得にも心変わりしません。
ただシンジはミサトの説得を無視して立ち去るのではなく、ちゃんと立ち止まって最後まで話を聞いていたので、見方によってはミサトが説得をミスったとも見られます。


まあまあ時間をつかって「気持ちはわかる、わかるよ気持ち」みたいなふわっとしたことを延々と話していただけですから。
「人類や友人を見捨てる気か」と人質に取って脅すとか、泣き落としを使うとか、もっと有効な説得方法があったのではないでしょうか。

 

 

ラストバトルとようわからん呪文


アスカが封印され、シンジが去った今、パイロットは序の最初と同じレイ1人になってしまいました。
というわけで、大チャンスを逃さずに第10使徒がお見えになります。
まるでネルフの戦力が低下するタイミングを知っていたかのようです。


アメリカさん、やりましたね?
アメリカの手先この使徒は化け物みたいに強く、第6使徒が10数時間かけて貫いたネルフ本部の装甲をビーム1発で破壊してしまいました。


多彩な戦闘手段を持つ2号機や暴走に特化した(笑)初号機と違って、いまいち売りのない零号機だけで相手をするのはしんどそうな相手です。
しかし、アメリカの策を読み切っている人物がいたのです。
あ、日本のネルフじゃないです(笑)
ここにはそんなキレ者はいませんから。


アメリカの策を読み、あらかじめ2号機を送りこんで戦力を増強させ、さらに予備のパイロット(マリ)まで派遣していた人物――それはユーロのネルフだれかです。
たぶん、マリが学校の屋上にパラシュート降下してシンジを「ネルフのワンコくん(犬)」呼ばわりしたときに電話していた相手でしょう。


次作『Q』にも出てこなかったのでだれかはさっぱりわかりませんし、これからもわからないでしょう(笑)
なぜアメリカのネルフが日本のネルフを潰そうとするのか、ユーロがそれを阻止しようとするのかもさっぱりわかりません。


ともかく、いまだに2号機のコントロール権はユーロが保有しているので、マリは勝手に乗りこみ、動かします。
ところが第10使徒は冬月副指令が『最強』と評するだけのことあって、2号機の攻撃をまったく受け付けません。


マリは隠しコマンド裏コードを入力してウメハラザ・ビーストモードに2号機を強力な姿に変態させます。
(※ウメハラとは海外で『THE BEAST』と呼ばれている、その筋で有名なプロ格闘ゲーマーのことです)
でも結局やられちゃいました(笑)


するとレイの零号機が現れてN2ミサイルを抱えて特攻し始めます。
瀕死の2号機も協力してなんとかすべてのATフィールドを突破したのですが、物理的な殻でコアを守られて失敗に終わりました。


自爆のダメージで動けなくなった零号機は、たまたま近くにいたシンジの目の前で使徒に捕食されてしまいます。
エヴァを取りこんだことで分析パターンが変わり、セントラルドグマの自爆センサーに引っかからなくなったのです。


なんか日本ネルフの最高機密をいろいろ知りすぎなんだよなぁこの怪獣……教えたのやっぱアメリカだろwww


レイが食われるのを見たシンジは初号機に走りました。
ここまでいまいちやりたいことのなかった主人公に、ようやくやりたいこと(綾波を取り戻す)ができたのです。
ゲンドウパパに「欲しいものがあるなら犠牲を払ってでも自分の力で勝ち取れ」とお説教されていましたが、そのときにはそもそも欲しいものがありませんでした。


「ぼくはエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!」
と威勢よく初号機で発進しましたが、やっぱりダメでした(笑)
ボコボコにされて機能停止しました。


しかし、初号機は暴走特化型の危険な機体です。
シンジがやる気を出した今、電力がなくても動くのです。
再起動して自己修復、さらに使徒みたいに目から破壊ビームまで放つ暴走初号機を、リツコは「人の願いを叶えるマシン」と親切に説明してくれました。
その前後にわけわからん呪文を唱えてましたけど(笑)


シンジは初号機のマジックパワーでレイを取り戻すことはできましたが、エヴァと同じくらいのデカさです。
それ、レイって言えるの?(笑)


おまけに「世界なんかどうなってもいい!」という超絶余計な一言をシンジが願いに加えてしまったため、さっそくサードインパクトが起こって世界が終わることになりました(笑)


初号機さん律義すぎぃ!
ちょっと勢いで口が滑っただけなのにぃ!


天才赤城リツコ博士は自分だけわかった風になって「古の種族は滅びるのみ」などともう諦めムードです。
ゲンドウたちの目的は人類を種として強引に進化させることなのかな?


それはともかく、失言のせいでシンジが歴史上最大の大量虐殺者になってしまうのはあまりにもかわいそうなので、親友のカヲルくんが月から降りてきてなんとかの槍で初号機を貫き、サードインパクトを止めてくれました。


「今度こそ、君だけは幸せにしてみせる」
と『序』のときと同じくカヲルくんのメタ発言を聞いて、終わりでございまする。

 

 

アスカファンの気持ちお察しします度☆☆☆☆☆


いいとこのお嬢さま感全開だった旧シリーズと打って変わって、なぜか貧乏設定に変えられ、弁当を死守しようとするケチくささを見せつけ、レイとのラブコメバトルにも敗れ、あげくの果てに使徒になって出番終了というアスカの姿を見せられた当時のファンの心中、察するにあまりあります(笑)

 

 

音楽ガチ度☆☆☆☆☆


すばらしいの一言です。
劇場公開当時ぜんぜん観に行く気なかったんですけど、テレビCMで流れていたサントラがかっこよすぎてつい観に行ってしまったことを覚えています。

 

 

公開が12年前なの笑える度☆☆☆☆☆

時間かかりすぎぃw

 

続編の『Q』の感想もありますのでよろしければどうぞ。

※追記:『シン・エヴァ』の記事も追加しました。

 

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