『ものがたりいちば』

映画観賞歴5000本以上なりに映画ドラマアニメの感想を書いてます。ゲーム関連はhttps://zwigani.comに移転中です。

アニメ「さよなら私のクラマー」シーズン1 2話 ネタバレあり、あらすじと解説つき感想

思ったよりサッカー用語を説明しないで連発するアニメの感想です。

 目次です。好きなところから読めます。

 

【スパルタ教育】

 

前回、弱小高校のサッカー部『ワラビーズ』に元日本代表レジェンドの能見奈緒子がコーチとして就任しました。
奈緒子はさっそく部活に顔を出します。
ワラビーズ奈緒子が想像していたよりもずっとレベルが低く、きゃっきゃうふふと遊び気分でやっていることにイラつきます。
さらに恩田希に「だれ、このおばちゃん?」呼ばわりされたことでイライラが早くも絶好調に達しました。


部活の他のメンバーはさすがに奈緒子を知っており、元世界的名選手がコーチにきたことを不思議がります。
自己紹介を済ませると、奈緒子は「強豪と練習試合組んどいたからビシバシ鍛えるぞ~!」と最初からスパルタモードです。


主にシゴキの対象は「おばちゃん」呼ばわりしてくれた希です。
世界的な選手だった自分を知らないことにイラついたのか、おばちゃん扱いされたことにイラついたのかどっちでしょうか(笑)
希がボールを失ったり、守備をしなかったり、ぼーっとしてたりするたびに腕立て伏せの罰を与えます。
しかも連帯責任で他の子たちにもやらせました。


これはいけません!


現在欧米ではミスに対して罰を与える軍隊式コーチングはNGというのが定説になっています。
ミスを恐れた選手が委縮してチャレンジしなくなるし、しかもつまんなくて子どもがその競技をやめる原因にもなるからです。
奈緒子がコーチングの勉強を一切していないことがバレてしまいました(笑)


そのうえ、連帯責任を負わされた他のメンバーに希が文句を言われ、チームワークにもヒビが入りました。
さすがにムチばかりじゃダメと思ったのか、シゴいた後にはアメを与えます。
奈緒子は実家のお好み焼き屋に子どもたちを招待して、お腹いっぱいお好み焼きを食べさせました。


とはいえご馳走になったのは主要キャラ5人だけなんですが、残りの子たちと差別して大丈夫なんでしょうか(笑)
奈緒子の指導力に疑問が残るスタートとなり、すぐさま練習試合となります。

 

【日本一のチームと練習試合】

 

埼玉県蕨市から神奈川に遠征しました。
対戦相手はなんと全国大会優勝校のチーム久乃木学園高校です。
ワラビーズみたいな弱小チームと練習試合をやってくれる理由は、監督が元日本代表監督だから奈緒子にコネがあったからのようです。


試合が始まる前、久乃木の監督は「10点差以上、クリーンシートじゃないとお前らは試合に使わない」とノルマ&脅しをかけます。
※クリーンシート:0点に抑えること。


女子サッカー界隈には選手を委縮させる監督しかいないのでしょうか(笑)
久乃木のスタイルがポゼッションサッカーなので、ワラビーズはカウンターサッカーで対抗しようとします。
ポゼッションサッカー:ボールを保持する時間を長くして試合を安定的にコントロールするスタイル。


年代別代表になったことのある曽志崎緑が徹底マークされますが、その隙をついて周防すみれが俊足を生かして敵の守備をぶち抜いてクロスを上げ、FWの白鳥綾がヘディングシュートしようとしますが惜しくもGKに阻まれてしまいました。
なかなかいい滑り出しですが、ワラビーズの見せ場はこれだけでした。


すみれがマークを外してしまった選手がとんでもない位置からのミドルシュートを決めます。
それを見た希が「ロベカルみたい!」と目を輝かせました。
ロベルト・カルロス:元ブラジル代表のサイドバック。強烈なロングシュートでファンを沸かせた。


元女子日本代表の選手を知らなかったのに、10年以上も前に全盛期が終わった男子の選手のことは知っているとは、希は本格的に女子サッカーに興味がなかったようです。
いいのかこれが主人公で(笑)


さらに久乃木は最終ラインを上げて前線からの距離をコンパクトにすることで、すみれの位置取りを下がらせ、カウンターをやりづらくする戦術に出ます。
※最終ライン:ディフェンスの選手が敵のオフサイドを誘うために横並びにポジションを取ることから『ライン』と呼ばれる。


オフサイド:ロングパスの放り込みを禁じるためのルール。ルール上は後ろから2番目のプレイヤーがオフサイドラインの対象者となり、パスが出たときにその選手よりゴール側にいた攻撃側の選手がプレーに関与すれば反則になる。


すみれのようにディフェンスの裏を取りたい選手は基本的に最終ラインの手前あたりをうろちょろしたいので、ラインを上げられてしまうと自陣側に下がらざるを得ません。
そうなるとゴールとの距離が長くなってしまうので、たとえ裏に抜けられてもゴール前の味方にパスする選択肢が取れなくなってしまいます。
とくに俊足のすみれと同じスピードでゴール前に上がれる選手がいない状況ではなおさらです。


また中盤の狭いエリアに敵味方が密集しているため、ボールの奪い合いが激しくなり、運動量の少ないチームが不利になります。
ただ、最終ラインを上げると裏を取られたときゴールキーパーと1対1の状況を作られやすいので、敵にスピードのある選手がいるときにはリスクのある戦術となります。
すみれが自分でシュートしてゴールを決めれば問題ないのですが……。
中学時代に『自己中』と非難されたすみれがその選択肢を取れるかどうかが肝になりそうです。

 

ワラビーズフルボッコ

 

この久乃木の戦術は効果的でした。
ワラビーズはなす術もなくボコボコにされ、前半で「0-7」という無慈悲なスコア差をつけられてしまいました。
ワラビーズの深津監督が奈緒子に「こんなレベル差のある相手とやらせてよかったのか?」と当然の疑問を口にします。


しかし奈緒子は「ボコボコにされても顔を上げて前を向ける選手がいるかどうか見たかった」と、この手合い違いの組み合わせの意図を明らかにしました。
いなかったらどうするんでしょうか(笑)
さては「あ、いなかったんだ~他いくわ~」って逃げるつもりだな!


奈緒子がクラブチームからのオファーを断ってまでワラビーズのコーチに就任したのは、草の根から女子サッカーを盛りあげなければ未来がないと危機感を抱いていたからだそうです。
ボコボコにされて気落ちしているチームのなかで唯一希だけが「オラわくわくすっぞ!」と強敵の出現に胸を躍らせていました。


後半の焦点は、1点取れるかどうかです。
監督の個人的な付き合いのせいで「弱小とのリスクマッチをやらされた」久乃木の選手たちの高校サッカー人生が終わり、さらに有望な1、2年生を試合で使えなくなって監督が自分の首を絞めるハメになるのか楽しみにしときます。
以上です。