『ものがたりいちば』

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映画『シャザム!』ネタバレあり、あらすじと感想

 

2019年アメリカ映画
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
主演:ザッカリ・リーヴァイ

 目次です。好きなところから読めます。

 

 

【序盤のあらすじ】


14歳のビリー・バットソンは4歳の頃に母親と生き別れて孤児になりました。
それ以来いくつもの里親に迎えられましたが、家族に馴染めず、家出を繰り返しては次の里親に押し付けられています。
そもそもビリー本人が里親に頼ろうとせず、自分で実の母親を探しているのです。


ビリーは問題を起こしてグループホームに送られ、バスケス夫妻という2人の里親と5人の兄弟たちとの新生活が始まりました。
そこでも家族と馴染もうとしないビリーは、ある日「あらゆる魔術が秘められた永遠の岩の洞窟」にワープしてしまいます。


そして7つの大罪の魔物を封印している魔術評議会最後の1人シャザムと出会い、その力と名を受け継ぎました。
じつはシャザムを受け継ぐためには「テストを受けて清らかな心と強い魂の持ち主である」と証明しなければならなかったのですが、このとき前任のシャザムが力を失い、すでに7つの魔物が解き放たれてしまっていたので、ビリーはこのテストを受けていません。


試練を受けずに突然スーパーパワーを受け継いでしまったビリーは戸惑います。
しかもただスーパーヒーローになるだけでなく、14歳なのにいきなり30歳くらいのおっさんの姿になってしまったのです(笑)
そこでグループホームで出会ったアメコミオタクのフレディに相談しました。


というわけで、2人はノリノリでスーパーパワーを試し始めます。
耐久力テスト、目からビームテスト、耐久力テスト、高速テスト、耐久力テストと、やや耐久力部門が多めです(笑)
その結果、怪力と電撃放出能力と超耐久力と高速移動能力があることはわかりましたが、飛行能力はありませんでした。


ビリーとフレディは「アメコミヒーローは愛する人や家族を人質に取られることが多いから正体を秘密にしよう」と決めたのに、フレディが撮影した動画をYOUTUBEにアップしまくりやがったのですぐに新たなスーパーヒーローは有名になります。
ビリーが『シャザム』という名前を口にすると強制的に変身が発生してしまうので『スーパー電力会社マン』とかてきとうなダサい名前を名乗ります。


いっぽう、スーパーパワーを得たのはビリーだけではありません。
何十年も前に永遠の岩の洞窟を訪れ、そこで試練を受けて失格の烙印を押されたドクター・サデウス・シヴァナという男が自力で洞窟を探り当てて「7つの魔物の力」を手に入れていたのです。


家族に愛されなかったことを恨んでいるサデウスは、力を得るとさっそく自分を虐げた兄と父を殺して復讐を遂げました。
さらに子どものときに失格とされたシャザムの力をも手に入れようと行動を開始するのです。


試練を突破していない勇者シャザム・ビリーと自力で悪の力を手に入れたサデウス、くしくも家族の愛に恵まれなかった2人の戦いはこうして幕を上げるのでした。

 

【増長するビリーと生き別れの真相】


スーパーパワーを手に入れたビリーはやりたい放題やらかします。
清い心の試練を受けてないので、大人の姿でストリップバーに入ったり、いじめっ子に復讐したり、電撃の力でATM強盗をしたりと、いかにもコメディヒーローがやりそうなことをやっていきます。
しかしATM強盗はさすがにやりすぎたと思ったのか、路上で電撃能力を披露しておひねりをもらうという大道芸で金を稼ぐことに落ち着きました。


この頃になると相棒のフレディのことを鬱陶しく感じるようになり、単独行動を取るようになります。
そこらじゅうで能力を見せびらしていたので、すぐにシャザムを探すサデウスに見つかってしまいました。


突然現れたスーパーヴィラン(悪役)のサデウスはビリーと違って力を見事に使いこなしています。
飛行能力で上空に連れて行かれて叩き落されたことで、ビリーは飛行能力には目覚めることができましたが、戦いではボコボコにされたため、たまらず変身能力で元の少年の姿に戻って逃げました。


しかし、サデウスにフレディとシャザムが親しいことがすぐにバレてしまい、フレディが拉致されてしまいます。
そうとは知らないビリーがグループホームに帰ると、兄弟たちが待っていました。
ビリーが家族に馴染もうとしない理由が「実の母親を探して帰ろうとしているから」と知ったみんなが協力して、探し当てていたのです。


この情報を得たビリーはすぐに母親のもとへ走ります。


「このガキお礼の一言くらいあってもいいんじゃね?」と思うかもしれませんが、なにしろ10年も探し求め続けてきたのですからしかたありません。
ところが、10年ぶりに再会した母親は再婚しており、あからさまにビリーを歓迎していません。


現在の夫に息子がいることを告白してないのでしょう、家に入れようともせず、「いい家庭で育てられてるのね」と追い返そうとしている気配をぷんぷん漂わせております。
ビリーが粘ろうとするので母親は生き別れた真相を自白しました。


10年前、カーニバルでビリーが迷子になったあと、母親は警官に保護されるビリーを見つけていたのです。
当時は若く、実家を追い出されて頼る人もいないシングルマザーだったため育てていく自信がなく、自らその場を立ち去ってビリーを捨てたのでした。


ここ映画内では「17歳だった」と言っていました(吹き替え版)が、それだと13歳でビリーを産んだことになってしまいますし、演じた女優がぜんぜん17歳設定には見えなかったので「17歳で産んだ」の間違いでしょう、たぶん。


自分が迷子になったのではなく捨てられたことを知ったビリーですが、それほどショックを受けたようには見えません。
おそらく捜索願すら出されていなかったことで薄々気づいてはいたのでしょう。
実の母親のもとを去ってすぐ、フレディから電話がかかってきました。


フレディを拉致したサデウスグループホームに侵入し、5人の兄弟たちを人質に取っていました。
実の母を失い、もはや唯一の家族と帰る場所を守るためにビリーは急行します。

 

【意外な展開】


人質を取られて言いなりになるしかないビリーはシャザムの力をサデウスに譲り渡そうとします。
デウスと2人で永遠の岩の洞窟にワープして力を譲ろうとしますが、それを止めるために追いかけてきたフレディたちがサデウスにおもちゃの武器を投げてなんと傷をつけました。


じつはサデウスの力は7つの大罪の魔物が体内にいるときにだけ使えるものなので、すべての魔物が外に出ているとき本体は無防備なのです。
デウスを倒す手段に気づいたビリーはみんなを連れて洞窟から逃げだし、ストリップバーにワープします。
心の中で強くイメージできる場所がそこしかなかったんだからしょうがない(笑)


すぐにサデウスが追いかけてきたのでビリーは変身を解除して兄弟たちと人の多いところに逃げこみました。
偶然、ビリーが実の母親に捨てられたのと同じカーニバル会場です(場所が同じかどうかは知りません)


デウスは、変身を解除して大勢の人の中に隠れたビリーを「臆病者に勇者の資格はない」と罵り、6つの魔物を解き放って一般人を襲わせました。
それを止めるためにビリーがシャザムに変身すると、サデウスは再度兄弟たちを人質に取ります。


「兄弟を殺されたくなければシャザムの力を渡せ」
と、脅されたビリーは兄弟たちが制止するのも聞かずにサデウスの前に跪きました。
このまま世界はサデウスの前に屈してしまうのか……と思われたとき、ビリーが「シャザム」と叫んで変身を解除します。
変身するときと解除するときに強力な電撃が発生するので、その衝撃でサデウスと魔物たちを弾き飛ばすためです。


すぐさまビリーは兄弟たちを集めて、魔法の杖に触れさせて「シャザム!」と呼ばせました。
すると、兄弟たちもスーパーヒーロー(大人)に変身したのです!
他の子は大人になっただけですが、もともと大人っぽかった長女メアリーだけはかわいげがなくなってすこし残念な感じです(笑)


じつはシャザムというのは「6(7?)人の魔術評議会の総称だった」ため、玉座に空きがあったのです。
よくわかりませんがそういうわけでみんながシャザム化しました。
ビリーは母を失ったカーニバル会場で、シャザムファミリーという新しい家族を得たのです。

 

【決着とアメコミお得意の次回匂わせ】


5人の兄弟たちが6人の魔物を食い止めて戦ってくれるので、ビリーはサデウスと一騎打ちになります。
デウスは強く、正攻法では勝つのが難しいと考えたビリーはある策を弄することにしました。


「傲慢、憤怒、色欲、怠惰、暴食、傲慢の6体はでかくて強かったけど、サデウスの中に残った嫉妬は小さくて弱いから引きこもってるんだよなぁ?」
と挑発して、嫉妬の魔物が自ら外界に出現するように煽りました。
まんまと引っかかった嫉妬の魔物が出てきたことでただの人間になったサデウスから7つの魔物の力の源である『魔物の目』を引きずり出し、ゲームセットです。


魔物の目はビリーを力で誘惑しようとしますが、ビリーは笑い飛ばしました。
こうして本来ならシャザムになるために受けるはずだったテストにも合格して真の勇者となったのです。
永遠の岩の洞窟に戻り、目を封印したビリーたちはそこを自分たちの秘密基地にできると喜びました。


あとは『スーパー電気会社マン』と友だちだと言い張ってしまったフレディのためにビリーがシャザムの姿で学校のカフェテリアに現れていじめっ子を見返してやるのですが、友人としてスーパーマンを連れてきて『DCエクステンデッドユニバース』の宣伝をして終わりです。


と思ったら、クソなげえエンドクレジットのあとにアクアマンネタっぽい演出が入って今度こそ本当に終わりです。

 

【まとめ】


序盤のありがち度☆☆☆☆☆
近年ではアメコミヒーロー映画の急増化により「未熟なスーパーヒーロー」や「初心者スーパーヒーロー」を描いた映画はけっこうあります。
序盤のマヌケなはしゃぎ方は『スパイダーマン:ホームカミング』や『スパイダーバース』によく似ていて既視感がありました。


ただ「超能力でATM強盗をやったやつ」は初めて見たので、そこは新鮮でした。
これは劇中でフレディが言っていた「人は本音ではかっこいい能力より(得する)ヘンタイ能力を欲しがる」というテーマを形にしたものでしょう。
いや、ヒーローなんだから強盗した金は返せよ今からでもいいから(マジ顔)

強盗した上に金を返さなかったので-20000点です。

 

 

あっさり度☆☆☆☆☆
アメコミの主人公は身内の不幸を経験しているヒーローが多いですが「実の母に捨てられたことを知る」というのは中でもヘビーなほうだと思います。
立ち直りが早いと言いますか、あれだけ実の母との再会に執着していたのにビリーはほとんど落ちこんでいなかったようにすら見えました。
展開が忙しくて落ちこんでいる暇がなかったのかな?

 

 

シャザム連発してたほうが強そう度☆☆☆☆☆
高速移動、怪力、電撃放出、超耐久力、飛行能力……もう何回も見た能力ばかりで、目新しさはありませんでした。
「これってスーパーマンのただの下位互換なんじゃ……?」
と途中まで思ってましたが、終盤で6人に増殖したので納得です。
とりあえず瞬間無敵っぽいのがついてるシャザム変身を6人で連発するのが強そうだな、と思いました!

 

変身する前のメアリーがかわいかったです。
以上です。