『ものがたりいちば』

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映画『ウィズアウト・リモース』ネタバレあり、あらすじ感想

2021年アメリカ映画
監督:ステファノ・ソリマ
主演:マイケル・B・ジョーダン

アマゾンオリジナルビデオです。

 目次です。好きなところから読めます。

 

【序盤のあらすじ】


米海軍特殊部隊『ネイビーシールズ』に所属するジョン・ケリー上級兵曹長は、上官のグリア少佐や部隊員たちとCIAの極秘任務のためにシリアのアレッポに赴きます。
任務はシリア政府軍に人質に取られたCIA工作員の救出で、CIA局員のリッターも同行しています。


部隊は首尾よく人質を救出しましたが、1つ想定外なことが起こりました。
リッターからの情報では敵はシリア政府軍のはずでしたが、実際に人質を守っていたのはロシア兵であり、そのアジトもロシア軍の弾薬庫だったのです。


想定外の状況下で仲間の隊員が死んだことに憤ったケリーは、リッターを問い詰めますが、はぐらかされてしまいましす。
この件が納得いかなかったケリーは軍を除隊することにしました。


それから3か月後。
身重の妻と自宅にいたケリーは深夜、謎の戦闘集団に襲撃されます。
ケリーはとっさに反撃し、3人を射殺しますが、自分も重傷を負って1人を取り逃してしまいます。
そして、妻はお腹の子どもとともに殺されてしまったのです。
不可解なことに、この日、かつてアレッポの作戦に参加したシールズの隊員が3人も殺されていました。


失意のうちにリハビリをしていたケリーのもとにかつての隊長グリア少佐がやってきて、CIAのリッターから得た襲撃犯たちの身元を明かします。
なんと連中は全員元ロシア兵だったのです。


3か月前のアレッポの作戦のときに、ロシアの重要人物がケリーたちに射殺されたことへの報復行為だとCIAは分析していて、この件はお互いが痛みわけという現状で手打ちにして、これ以上追及しないと決めました。
それでは腹の虫がおさまらないケリーは取り逃した襲撃犯の名前を知るために独自に動き始めるのでした。


あ、生死をさまようほどの傷はささっと治ってリハビリも高速で終わったようです(笑)

 

【問われるアメリカの司法制度】


ケリーは、ロシアの諜報機関FSBの重要人物ワシリエフに狙いを定め、ダラス空港で襲撃します。
ワレンコフの乗る車に車で衝突して、車体にガソリンをぶっかけて火だるまにしたあと、車に乗りこんでワシリエフを脅しました。


ケリーのことを知っていたワシリエフは「おまえは死から逃れられない」と逆に脅し返しましたが、何発か撃たれてたまらず襲撃の実行犯「ヴィクトル・ルイコフ」という名前を吐きました。
妻の仇の名を知ることができたケリーですが、殺人犯ですから当然逮捕されてしまいます。


裁判とかもろもろすっ飛ばして(笑)高速で刑務所にぶち込まれたケリーは現在国防総省に出向中のグリア少佐を通じて、実行犯の情報を国防総省及びCIAに提供することになりました。
情報提供の場にはグリア少佐、CIAのリッター、そしてなんと国防長官までいます。


ケリーがルイコフの名を告げると、リッターは「ルイコフはもう死んでる」と否定します。
しかし、面通しの結果、やはり襲撃犯はルイコフだとわかり、逮捕することになりました。
そのチームを率いるのはグリア少佐です。


ケリーは「自分もチームに加えてほしい」と重罪犯の分際で図々しくも立候補します。
なんと国防長官がこれを認め、ケリーはチームに加わることとなりました。

 

【とりあえずドンパチ】


現在ルイコフはロシアのムルマンスクに潜伏していますが、ロシアとアメリカの緊張状態を考慮して、ドイツから民間機で目的地上空まで行き、そこから降下して街に潜入するという作戦になりました。
グリア少佐指揮するチームの面々は飛行機に乗りこみますが、CIAのリッターは「現地で会おう」となぜか飛行機に乗りません。


案の定、飛行機は目的地付近でロシアの哨戒機に撃墜されてしまいます。
緊急着水に成功したので、幸い隊員に犠牲は出ませんでしたが、まるで情報を知っていたかのような迷いのない撃墜っぷりに、一同は情報漏洩を疑いました。
合流地点に現れたリッターをケリーが痛めつけて「アレッポのときも今回もおまえがいる!」と情報漏洩の件を問い詰めますが、リッターは頑なに否定します。


ともあれ作戦は開始され、ケリーはついに妻の仇ルイコフと対面しました。
ところがルイコフは全身に爆弾を巻いていて「俺もCIAで、お前と同じ王に仕えてる」と驚愕の発言をします。
そして「俺たちはここで出会うことになっていた。あとは死ぬのが仕事だ」と爆弾を起爆させて吹っ飛んでしまいました。


すると、チームは近くで待ち伏せしていたスナイパーたちから狙撃されます。
さらにスナイパーたちは現場に駆けつけたロシアの警官を撃ち殺してしまいました。
それを見てケリーは「この状況を作りだすことが黒幕の目的だった」と気づきます。
まずアメリカでロシアの兵士が死に、今ロシアでアメリカの兵士が死ぬ……黒幕の狙いは戦争を勃発させることだったのです。


現場はロシアの警官だけでなくロシア兵に囲まれています。
仲間を逃がすためにケリーは1人で残り、現場の混乱に乗じてロシア兵の軍服を盗んで自分もなんとか生還しました。


チームの仲間たちと合流したケリーは「黒幕はわからなかったし、俺も刑務所に出戻りだ」と諦めムードですが、リッターが「金がある。あんたはムルマンスクで死んだことにして、黒幕を追え」と作戦の続行を提案したのです。
互いの誤解が解けた2人はがっちりと固い握手をし――ませんが、志を同じくする盟友であることを知りました。

 

【意外性たっぷり?の最後】


ワシントンDCに潜む謎の黒幕を追うことになったケリーですが、すぐにわかっちゃいました(笑)
調査過程とかすっとばします(笑)


レストランで外食中の国防長官がトイレに入ったときに対面し、ちょちょっとカマをかけてやると、すぐにボロを出しやがります。
「ルイコフが爆弾で自爆した」と聞いても驚かなかったのです。
これで黒幕は国防長官だと確信したケリーはささっと拉致して車に乗せました。


「家族を殺す」と脅してやると国防長官は自分が黒幕であることを認め、一連の陰謀を企んだ理由を吐きます。
「冷戦終結後、強大な敵国がいなくなって国内が分断したから、もう一度国を強くするためにロシアと戦争を起こしたかった」

とのことですが、冷戦終結(1989年)からアメリカ国内の分断(2016年?)まで20年以上かかったタイムラグを国務長官はご存じなかったようです。


このやっつけにもほどがある理由にケリーは激怒、「死ぬ前に俺の妻の名を言え!」と車を川にダイブさせてしまいます。
国防長官は水に浸かるとなぜか即死しました(笑)
おそらく心臓に疾患を抱えていて、水の冷たさで心臓発作を起こしたのでしょう。


妻と産まれてくるはずの子を失い、今その仇を討ったケリーは、川底で目をつぶります。
そこへ妻の霊が現れて「今もあなたのそばにいる」と言いました。
ケリーが「いつも俺のそばにいるのか?」と聞くと「いや、いつもじゃないけど」と否定します。
なんで否定するんだよ、そこはいつもでいいでしょうが(笑)


場面が変わって墓地でケリー上級兵曹長の葬儀が行われています。
葬儀を終えたグリア少佐が車に乗ると、もちろんケリーが乗っていました。
ケリーはリッターのおかげで新しい身分をもらい、どこかへ去っていきます。


それから1年後、DCに戻ってきたケリーはCIA長官に出世したリッターと会い、「未来が危ないから同盟国から精鋭を集めて特殊部隊を作ってその責任者になるわ」と言い、このアイディアを大統領に売り込み気のようです。
元上級兵曹長(しかも重罪犯)の売りこみを聞いてくれる大統領だったらいいですね(笑)
以上です。

 

【まとめ】

 

高速消化度☆☆☆☆☆
生死をさまようほどの重傷からの治癒、空港でロシア人襲撃からの逮捕拘禁、裁判など、けっこう劇中では長い時間が経っているはずですが、そういうふうに描かれていないのですっ飛ばしているように見えました。

 

とくに言うことない度☆☆☆☆☆
たぶんシナリオとかいい出来じゃないと思うんですけど、なぜかそこそこ楽しめたので文句があんまりでてきません。

 

やっぱり言うことあった度☆☆☆☆☆
最後の黒幕・国防長官関連のシーンはひどかったです。
黒幕に辿りつく過程もすっ飛ばしたし、黒幕がボロを出すのも超高速だし、死ぬのも即死だし(笑)

愛国心の議論とか、国際政治の軋轢とか、トム・クランシー的なエッセンスはほんのり香っていましたが、どうにも高速すぎて消化不良ですし、ドンパチやりたいだけに見えてしまいました。

そのドンパチも昨今の瞬殺アクションのスピード感と迫力には及ばないという……。

全10話くらいのドラマシリーズにしてじっくり描けば、もっとおもしろくなったのではないかと愚行する次第であります。

結論:急ぎすぎててよくわかりませんでした!!!

 

以上です。