『ものがたりいちば』

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映画『AI崩壊』ネタバレあり、あらすじ感想

2020年日本映画
監督:入江悠
主演:大沢たかお

AIがテーマだからって主題歌を歌うのがAIなのは安直すぎない?な映画の感想です。

 目次です。好きなところから読めます。

 

【序盤のあらすじ】


舞台は2030年。
天才科学者桐生は高度医療用AI『のぞみ』を開発しますが、厚労省の認可が間に合わずに妻のぞみをガンで失いました。
それから数年後、失意の桐生は「娘の心と過ごして」という妻の遺言に従って、研究を引退してシンガポールに移住して心を育てています。


認可され導入されたAIのぞみはまたたく間に日本社会に根差していき、日本人はAIのぞみの指示通りに健康的な生活を送るようになりました。
おかげで多くの人が病気から救われましたが、これにより平均余命が伸びてますます少子高齢化が進み、福祉の予算で財政が圧迫されるという副作用も生みだしたのです。


とはいえ多くの人の命を救った桐生の功績を称えて総理大臣賞が贈られることになりました。
AIのぞみの管理運営を桐生から託された義弟の西村(HOPE社社長)から帰国の誘いが来ますが、妻の死から1度も日本に帰っていない桐生は渋ります。
しかし、娘の心がどうしても帰国したいと言うので、数年ぶりに日本の地に降り立ちました。


千葉に新設されたHOPE社のデータサーバーセンターの落成式に参加した桐生は、AI反対派のデモ隊のみなさんに「てめえのせいで仕事がなくなった、桐生出てこいオラ!」と熱烈な歓迎を受けます。
どうやらAIのぞみは医療だけでなく、自動運転車の運用など社会のさまざまな分野に進出しているようです。


式典後、桐生は警視庁サイバー犯罪課の若き理事桜庭と出会います。
桜庭は桐生と同じくAI研究の専門家だそうです。
犯罪捜査のためにAIのぞみを利用したいそうですが、それは桐生や西村の理念とは異なるのでお断りしました。


次は総理官邸に向かおうとするのですが、娘の心が亡き母の写真をどこかに落としてしまったと大騒ぎしたので、桐生は官邸へ、心はセンターに残って写真を探すことになります。


心がサーバー室に入ると、突然AIのぞみが暴走して部屋がロックされてしまい、さらになぜか急速冷却システムが起動してしまいました。
HOPEのみなさんががんばってドアを開けようとしますが、テロに備えて爆弾にも耐えられる構造になっているので無理です。


暴走したAIのぞみは次々に医療機器を狂わせていきます。
ペースメーカーが停止したため多くの人が死亡し、そのなかにはなんと現職の総理大臣まで含まれていました。
なぜか自動運転車も狂ったため事故が多発し都心の交通網はストップしてしまいます。
ほんの1時間で死傷者が1万人を超えるという未曾有の事態です。


警視庁に戻った桜庭のチームは高度犯罪捜査AI『百目』をデビューさせて、AIのぞみにクラッキングをしかけた犯人を追いました。
すると、AIのぞみに不正なデータを送りこんでいたのは、渋滞で足止めを食らった桐生の車のなかにあった娘の心のバッグに入っていたデバイスでした。
もちろん桐生や心がそんなことをするはずがないので、これは桐生に罪を着せる何者かの策略です。


というかAIのぞみは外部からのアクセスを完全に拒否しているので「データを送りこんでいるように偽装している」だけです。
AIのぞみは外部に悪さをしまくっているので、スタンドアローンではなく回線がつながっていることだけは確かなのですが、なぜ外部からアクセスできないのか、素人なのでよくわかりませんでした。

 

犯人がどこかでこっそり心のかばんにデバイスを潜ませたのでしょうが、もし心がかばんを置き忘れていなければ桐生に罪を着せることはできなかったので、これは犯人にはラッキーでした。
計画がガバガバなんですけど(笑)


「AIのぞみには外部からアクセスできない」ことをその道のスペシャリストであるサイバー犯罪課のみなさんがご存じないせいで、桐生はテロリストと認定され『サイト』という対テロ部隊に逮捕されそうになります。
偶然暴走した自動運転車が現場に突っ込んできた混乱を利用して桐生は逃げだしますが、監視カメラ映像から行動予測する百目に追いつめられ、どこに行ってもすぐに見つかってしまいます。


百目の人物認証システムは優秀で、着替えたり顔を隠しても骨格や歩き方だけで桐生を看破します。
このようにAIの百目は優秀なのですが、人間の警察があまり優秀ではないので何度見つけても桐生を取り逃します(笑)
これから「優秀なAIが桐生を発見し、無能な人間が取り逃す」パターンが終盤まで続きます。


人間の不要さをアピールする映画ですか?(笑)


逃げながら密かに義弟の西村に連絡を取った桐生は2つのことを知りました。
1つは「サーバー室に閉じこめられた娘の心の凍死まで24時間」ということです。
もう1つはAIのぞみが「処刑する人間の選別方法を学習中で、完了したら虐殺が始まる」ということです。


AIのぞみのデータを書き換えるにはHOPEの優秀なプログラマーが束になっても2か月かかるとのことなので、天才桐生にしか暴走を止められません。
心を救うため、そしてAIのぞみを止めるため、桐生の逃避行が始まるのでした。

 

【奮闘する桐生】


AIのぞみを止めなければならない桐生ですが、千葉のセンターで警察が待ち構えていることはわかりきっています。
そこで東北行きのフェリーに乗りこみ、かつて勤めていた大学院の研究室に向かいました。


この動きを警視庁のたたき上げの刑事コンビが読んでいて、さらに百目にもバレてしまいます。
百目の手配したサイト部隊のヘリがやってきて、桐生を狙撃するのですがさっぱり当たりません。
桐生はライフジャケットを片手に冬の海へ飛び込んでしまいました。


本来なら高確率で死亡していたはずですが、桐生は偶然通りかかった漁船に助けられ、港で目覚めます。
漁師のおっちゃんは桐生がテロ容疑で追われていることを知っていますが、昔AIのぞみのおかげで妻が長生きできたことを感謝していて、逃走用の車をくれました。


大学院の研究室につくと桐生はさっそくAIのぞみの修正プログラムを書き始めます。
HOPEのプログラマーたちが総出で2か月かかると言われた作業ですが、あっという間に書き終わりました。
さすが天才科学者!
どうやら天才科学者が1人いれば無能なプログラマーたちなど不要のようです(笑)
(一応現AIのぞみのプロトタイプに手を加えた形なので、早かった理由付けはあります)


そうしている間にAIのぞみは「不要な人間の選別方法」の学習を終えて、虐殺対象の選別を始めてしまいました。
全国民の選別まで残された時間は6時間、だいたい心が凍死するまでと同じ時間です。
選別した順番にとっとと虐殺を始めちまったほうが効率的だと思うんですが、AIのぞみは几帳面で非効率的なので全員決めてからじゃないとやりません。


書き上げたプログラムのデータ処理?に時間がかかるので、待ち合わせしていた西村が持ってきた機材で今度はAIのぞみにマルウェアをしこんだ犯人探しをします。
AIのぞみには外部から悪さをすることがなぜかできないので、悪さをしたとすれば犯人が直接サーバー室に入っていたはずです。


防犯カメラ映像を見てみると、そこに映っていたのは西村でした。


「違う兄さんぼくじゃない!」と西村が弁明しようとしたとき、またサイトの部隊が突入してきます。
百目はマジで優秀すぎます。
しかし、サイトがまた無能を晒すことになります。
人間の警察官がぜんぜん役に立たないので、AIに完全管理されたロボット警察官の導入が必須です(笑)


サイトは重要な人物であるはずの西村(丸腰)をとくに理由もなく射殺し、逃走した桐生の車を追います。
桐生の車は崖から転落して炎上、朝を迎えました。
ところがこれは西村と桐生の策で、サイトが追っていた車は自動運転車、桐生はホログラムだったのです。
本物の桐生は乗ってきた古い軽トラでまんまと逃げ延びて、千葉に向かっていました。

 

【演説欲が捨てきれなくて自滅するよくいる悪役】


天才科学者桐生は警察のサーバーにクラッキングを仕掛けて、百目の認証システムから逃れつつ、千葉に戻ってきました。
怒りの抗議をする市民のみなさんたちに紛れ込みサーバーセンターに近づいた桐生は知り合いの社員たちの手引きを受けてセンターにこっそり忍びこみサーバー室を目指します。


しかしその動きは桜庭に読まれており、武装した刑事たちに囲まれてしまいました。
べつに桜庭が切れ者だからじゃありません。
AIのぞみを修正するにはここにくるしかないからです。
「桐生が向かっているのがHOPEで2番目に大きいデータサーバーセンターではないか」などと推察するポンコツが多々見受けられましたが、そんなところにいってもなにもできないので天才桐生が行くわけがありません。

やっぱり、ごく一部の天才をのぞけば大多数の一般人間なんていらないんじゃね……?


今度こそ追いつめられたように見えた桐生が反撃を開始します。
マルウェアが仕込まれたときのサーバー室の監視カメラ映像をスクリーンに映し、西村を騙してマルウェアを仕込ませたのが桜庭だったことを暴いたのです。
「そんなフェイク映像誰でも作れる」と桜庭はごもっともにもほどがある反論をしました。


するとたたき上げ刑事コンビがやってきて「西村も死の直前に犯人は桜庭っていうとった!」と糾弾します。
テロ容疑者のお友だちから口頭で聞いたと自称する情報のどこらへんに証拠としての価値があるのか、法律の素人の私にはわかりませんが、これで桜庭がペラペラと自供を始めてしまいました。


少子高齢化のせいで国家財政が破綻して滅亡寸前だから、国を救うために老人や無能者という役立たずたちを合理的なAI(非合理的)に選別処分してもらうんだよ!」
さすがにこの桜庭の言葉には後ろにひかえている刑事たちがものすごい顔になります。
なにしろ失敗続きの警察官たちは処分される可能性大ですから(笑)
プログラマーの人たちもはやく逃げて~!


天才科学者の桐生はこの展開を読み切っていました。
天才的なクラッキング技術で警察のドローンのコントロールを奪い、今の自白を生配信していたのです。
なお、配信にはさっき知り合った記者に手伝ってもらいました。
全世界にテロを自白してしまったため、桜庭はこれにてザ・エンドです。

 

【奇蹟】


修正コードを持ってサーバー室に急行する桐生たちですが、どっちにしろ部屋に入れない状況は変わりません。
中に入れなければAIのぞみを修正できませんし、AIのぞみを修正できなければ中に入れません。
詰んだ……というか最初から詰んでいたのだよ……。


でも大丈夫です、コードを映写してそれをAIのぞみのカメラに読み取らせればいいんです。
やってみましたが、なぜかカメラの前に邪魔な障害物があってうまくいきません。


桐生が心に「手鏡で反射しろ!」と身振り手振りで伝えると、それをくみ取った瀕死の心が最後の力を振り絞ってコードをカメラに反射させました。
しかし、まもなく心は力尽きて気絶、反射も終わってしまいます。
万策尽きた、とだれもが思ったときAIのぞみに変化が起こりました。
修正コードがギリギリ間に合っていたのです。


AIのぞみは正常に再起動し、サーバー室のドアも開きました。
桐生たちは心を救出し、AIのぞみの暴走危機(暴走ではない)は去ったのです。


心が回復してから、桐生たちは母のぞみの墓参りに行きました。
そこで協力してくれた記者に「あんなことがあったのに、桐生さんはまだAIが人間を幸せにすると思うんですか?」と煽り同然の質問をされます。


桐生はその問いに……


その問いに……


問いに……!!!


なんて答えたのか忘れました(笑)
と、とにかくめでたしめでたし!

 

【まとめ】

近未来っぽい美術のできがよかった度☆☆☆☆☆
約10年後が舞台ということで、あまりSFっぽくなりすぎずに、でも未来っぽい雰囲気が出てたと思います。

 

AI依存社会へのアンチテーゼにはなってない度☆☆☆☆☆
記者さんの問いへの桐生の返答を不覚にも忘れてしまったので、私の答えを書いておきます。
AIが自律学習(いわゆる進化)した結果「人間が意図しない暴走状態になってこのような殺戮に発展してしまった」という設定ならわかりますが、今回の場合「人間の桜庭が選別虐殺の実行をAIのぞみに命令しただけ」なので、あまり警鐘にはなってないと思います。
命令されたら虐殺を実行するのは人間だって同じなので。

AI依存への警鐘にはなっていませんが「人間なんて自分で善悪を判断する能力がない、命令されりゃなんでもやるAI程度の猿」というメッセージは刺さりました。

まあわりとよくあるメッセージなんですけど、忘れがちなことなのでためになりました。

 

人間の無能アピール度☆☆☆☆☆
残念ながらサイトの隊員たちを始めとする警察官やHOPEのプログラマーは有能とはいいがたいので、AIのぞみによる間引きの対象となるのは当然のことでしょう……ご冥福をお祈りいたします。

ん?

えっ、ちょ、ちょっと、お医者さん、なんで私の生命維持装置を外すんですか!?

AIのぞみやめてーーーーーーーー無能者にも生きる権利ちょうだい!!!

 

「ん?」と思う場面がすこし(めちゃくちゃ)あった気もしますが、楽しめました。

「命令されたことを実行するだけの人間なんてロボットと同じ」という痛烈な批判は時代を超えて共有されるべきものだと思いますが、AIはあんまり関係なかったかもしれません(笑)


以上です。