目次です。好きなところから読めます。
【キリガンに惹かれていくアリーナ】
アリーナはバグラのスパルタ教育のもと、本格的に訓練を開始しました。
バグラの訓練は厳しいですが、前回おいたしたゾーヤがキリガン将軍の命令で僻地に左遷されたので、王宮暮らしはますます快適になっています。
ある日キリガン将軍がアリーナを乗馬デートに連れ出し、泉で自分の境遇を語りました。
何百年も前にキリガンの先祖の闇のグリーシャが王に叛意を疑われ、ヤケクソになって影だまりを作ったのです。
先祖の業を背負ったキリガンは誰よりも太陽の召喚者を待ちわびていたのでした。
アリーナはマルからの手紙を待ち望んでいますが、届きません。
マルが手紙を出せていないから届かないのは当然です。
マルに見捨てられたと思ったのでしょうか、アリーナは依存対象をキリガンに切り替えていきます。
訓練の結果、自在に太陽の力を使いこなせるようになりました。
マルとの決別を覚悟したアリーナはテイラー(修復できる)のソフィーに頼んで、2人の絆だった傷跡を消してもらったのです。
【アリーナに会うために犠牲を払うマル】
いっぽう、マルはアリーナの魔力を高めるためのモチーフ動物である牡鹿を探す任務に志願します。
戦友たちと3人で鹿の群れを追跡しているうちにフョーダの領地に入ってしまいました。
フョーダ軍の斥候と遭遇し、戦闘になります。
最初の襲撃はからくも退けることができましたが、敵はとんでもない兵器を持ちだしてきました。
それは機関銃です。
機関銃なんか持ちだされたらしょぼい魔法なんてもう役立たずになってしまいます。
ラブカ軍終了のお知らせが聞こえてきそうです。
機関銃で銃撃されたマルでしたが、軍服の防弾機能がすごいのでなんとか助かりました。
ちょくちょく科学技術が狂ってる世界です。
しかし、戦友たちはやられてしまいました。
敵地で1人きりになったマルの前に伝説の牡鹿が姿を現すのでした。
【怪盗カズ一味】
前回東ラブカにあっさり到着したカズたちは、リトルパレスへの侵入を画策しています。
手引きがないとなると、まずは宮殿の構造を把握しなければ話が始まらないので、公文書館にある設計図を盗み出すことにしました。
途中イヌジャが閉じこめられるというトラブルがありましたが、ジェスパーの活躍で無事設計図の写しを手に入れることに成功します。
これで宮殿の構造はわかったわけですが、依然としてグリーシャだらけの宮殿への強行突入は危険です。
そこで案内人が一計を案じて、王宮でショーを披露することになっている旅芸人の一座に一味を紛れ込ませることになりました。
イヌジャは見事なボディコントロールで、ジェスパーは神業級の銃で一座に合格しましたが、とくに芸のないカズは宮殿に入る手段を探さなければならないのでした。
【感想】
キリガン将軍が怪しすぎるんですけど!
もう謀反の臭いがぷんぷん漂っています。
前回フョーダにさらわれたニーナは、「王への忠誠心が薄い」と案内人に評されていましたが、キリガンからなにか命令を受けてカズたちと接触しようとしていたようです。
ニーナは奴隷商人に尋問されてもキリガンの命令をゲロしなかったので、将軍への忠誠心はかなり高いようです。
アリーナの出した手紙がなぜかマルに届いていないようですが、密かに差し止める動機があるのはアリーナに自分を頼らせたいキリガンくらいしか思いつきません。
アリーナを私物化してなにをやろうとしているんですかね……。
第1軍の将軍を抑えておけず、戦争も終わらせられないダメな最高司令官は国王ですから、これもう先祖と同じで謀反を企んでるに決まっています。
近代戦争をがらっと変えてしまうほど強力な機関銃を開発してしまったフョーダに対して「グリーシャの必要性が低くなる」ことは避けられず、そうなればまたかつてのようにグリーシャが迫害される未来がやってくるかもしれません。
キリガンはそのことを危惧して、行動を起こそうとしているのではないでしょうか。
いまのところアリーナはキリガンにラジコンみたいに操られているだけですので、いつキリガンが野望を明らかにするかが楽しみになってまいりました。
以上です。