2020年日本映画(Netflix)
監督:佐藤順一、柴山智隆
声の出演:志田未来、花江夏樹
目次です。好きなところから読めます。
【序盤のあらすじ】
舞台は愛知県常滑市。
中学生の少女美代は小学生のときに両親の離婚により父親に引き取られ、母親と離ればなれになりました。
最近父親が薫(かおる)という若い女性と再婚していっしょに暮らし始めたため気まずい思いをしています。
美代は幼少期から奔放な行動が目立ったため、同級生から無限大謎人間、略して『むげ』と呼ばれています。
そんな美代は日の出というクラスメートが好きで、いつも謎な愛情表現をしていますが、相手からはやや嫌がられていました。
学校ではむげに塩対応をする日の出は家に来る猫の太郎がお気に入りで、太郎の前でだけは屈託のない笑顔を見せます。
しかし、なんと太郎の正体はむげなのです!
じつは、むげは母親と祭りに出かけたとき、自分から出て行った母親が「またいっしょに暮らしたい」と言いだしたことに腹を立てて、「人間なんてしょうもない。世界なんか終わっちゃえばいい」と願いました。
すると猫人間のお面屋が現れ、かぶっているあいだ猫になれるお面をくれたのです。
その夜、猫の姿になって物陰でふてくされていたところを日の出に発見されて、その無邪気な笑顔に惹かれたのでした。
以来、むげは太郎となって日の出の家に入り浸るようになったわけです。
日の出の陰口を叩いていた嫌なクラスメートをむげが咎めたことをきっかけにして、2人の人間状態での距離が縮まります。
日の出は陶芸工房を営む祖父に憧れており、将来は陶芸家になって跡を継ぎたいとひそかに思っているのですが、教育ママの母親に言いだせずにいます。
そのことを太郎として知ったむげは、翌朝日の出に励ましの手紙を渡そうとするのですが、さっきの嫌なクラスメートに奪われて教室で読み上げられてしまいました。
たいして自分のことを知らないくせに知った風なことを言われた日の出はむげに「大嫌いだ!」と言います。
ショックを受けたむげのために、親友の頼子はさめざめと泣くのでした。
【むげの家出】
お面屋はたびたびむげの前に現れて「完全に猫になっちゃえば?」とそそのかしてきます。
本人は慈善事業だと申しておりましたが、それは完全に嘘でした。
日の出に拒否されて傷ついたむげが家に帰ると、継母の薫が心配してきます。
いったんは笑顔でごまかそうとしたむげですが、薫が「むりに笑うのをやめて」と言ってきたことにカチンときて「むりに笑うくらい好きにさせろよ!」とキレて家出してしまいました。
太郎になったむげは日の出の部屋に行きました。
日の出は今朝むげに「大嫌いだ」と言ったことを反省しており、思ったことをストレートに言える(ように見える)むげを羨ましがっています。
そこで太郎にむかって「好きだ」と思いを告げるのでした(練習)。
そのまま日の出の部屋で朝を迎えたむげですが、「人間のときには誰からも好きだと言ってもらえなかったし、猫のままでいっか」と思ってしまいます。
するとそのとき人間のお面が剥がれ落ちて、それをお面屋に奪われてしまいました。
「そのうち完全に猫になる」と告げて、お面屋はバックレます。
人間に戻れなくなったむげですが、当然むげの家出は騒ぎになっており、昨夜帰宅しなかった娘を心配した父と薫が学校を訪れ、頼子や日の出に事情を聞きます。
頼子は日の出にむげの境遇を話しました。
いつも能天気に見えるむげが複雑な家庭環境で育ったと知った日の出は、外部にそれを見せないむげの強さに感心します。
いてもたってもいられなくなった日の出と頼子はむげを探しに行きました。
いっぽうそんな大事になっているとは知らないむげが家に帰ると、家出を聞いてやってきた実母と薫が取っ組み合いのケンカになっています。
それは見なかったことにしてむげは自分を探す日の出と自分探しをするのですが、もちろん見つかりません(笑)
むげはこのとき変化に気づきます。
じつはむげの完全猫化は急速に進んでおり、日の出の言葉が聞こえなくなっているのでした……。
【猫の島】
むげが猫になってから3日後、学校には元気に登校するむげの姿があります。
そのむげは偽物で、その正体は家の飼い猫きなこでした。
きなこはお面屋からむげのお面をもらい、化けているのです。
きなこが人間になった理由は薫に幸せになってほしいからでした。
もともときなこを子猫の頃から飼っていたのは薫で、結婚したときにいっしょに佐々木家へやってきたのです。
しかしきなこはもう12歳、猫の寿命が近づいていたので、人間になって娘として薫に恩返ししようとしているのでした。
そんなわけで「顔を返してほしい」というむげの要求をお断りします。
「あんたの寿命はわたしとお面屋で折半した。詳しいことが知りたければ猫の島にいるお面屋に聞け」
きなこにそう言われたむげは町の空中に浮かぶ猫の島へ向かうのでした。
むげを追っ払って帰宅したきなこは、猫状態の自分がいなくなって傷ついている薫の姿を見て、過ちに気づきます。
想像以上に薫が自分を愛していたことを知り「猫のときよりも人間として薫を幸せにすることはできない」と悟ったきなこは日の出のもとを訪れ、むげを追って猫の島へ向かいました。
先に猫の島に入国していたむげはお面屋を探してまわりますが、見つかりません。
むげと同じく元人間の猫たちと出会い、完全猫化までのタイムリミットが近いことを知ります。
元人間のみなさんはむげの境遇に同情して、協力的です。
突然お面屋が現れて「後を追ってきたきなこと日の出を自分の店に監禁した」とわざわざ犯行を自白してくれたので、むげはお面屋に急行しました。
日の出たちと再会してきなこから人間のお面を返してもらいましたが、どういうわけか人間に戻れません。
人間として生きる未来に希望を抱けないため、心の底では人間に戻りたいと思っていないことが原因のようです。
【お面屋とのラストバトル】
追ってきたお面屋がむげを拉致して島の中心部のご神木へ連れ去ろうとします。
しかしむげは脱出し、日の出と合流しました。
中心部に到達したところでお面屋に追いつかれ、ちょうどそのときご神木が目覚めてなにかが始まってしまいます。
すると、お面屋はむげから寿命を取り出しました。
日の出がそれを取り戻そうと戦いを挑みます。
どたばたとかわいらしいファンタジーバトルがしばらく続きますが、そのうちにお面屋が凶暴な本性を露にして「引き裂いてやる!」と鋭い爪を振りかざします。
しかし「これは全年齢ファミリー映画なので申し訳ないが残虐描写はNG!」ということで元人間のみなさま方がやってきてお面屋をノックアウトしてくれました(笑)
無事に寿命を取り戻したむげは、家族や友人たちへの向き合い方を改めてもっと対話したいと思います。
すると人間に戻ることができました。
猫の島から戻ってきたむげと日の出は手をつなぎお互いに「好き」と気持ちを確認し合ったのです。
きなこも愛する薫と再会することができました。
めでたしめでたし!
【まとめと感想】
志田未来おそるべし……度☆☆☆☆☆
アニメや洋画の吹き替えに芸能人が起用されると、ちょっとアレな出来栄えになってしまうことがまれによくありますが、この映画は違いました。
「聞いたことない声だけど、どっかの声優なんだろうな」と思っていたら志田未来……。
おみそれしました!
尾道度☆☆☆☆☆
いや、愛知県常滑市なんですけど。
途中までは勝手に尾道だと思ってました。
坂があって海があって風光明媚だったらなんでも尾道だと勘違いしてしまう短絡さどうにかなんないんすかね~。
「あ~こんなすてきな町に住んでみたいな~」と平凡な町に住んでいる者は思っちゃいますけど、よく考えたら坂ばっかで疲れそうだからやっぱ観るだけいいです……。
歌がいい度☆☆☆☆☆
あ、ただヨルシカのファンなだけです、はい。
シンプルにおもしろかったです。
以上です。