『ものがたりいちば』

映画観賞歴5000本以上なりに映画ドラマアニメの感想を書いてます。ゲーム関連はhttps://zwigani.comに移転中です。

映画『マイ・プレシャス・リスト』ネタバレあり、あらすじと感想

短い映画は大好きです!

目次です。

 【序盤のあらすじ】

ニューヨーク在住のキャリーは孤独な19歳。
18歳のときに飛び級ハーバード大学を卒業したIQ185の才女ですが、無職のひきこもりで友だちもいません。


本人は「レベルを落としてまでバカなやつらと付き合う必要はない」などと傲慢なことを言いますが、それは本心ではありません。
頭がいいので自分が問題を抱えていることは自覚しているのですが、その問題がなんなのかわからず、他人に八つ当たりする日々を過ごしています。


パパの友人のセラピストから「今年中にやりたいことリストを作って実行すれば幸せになれるかも」とアドバイスされ、さっそくそれを実行することにしました。


タウンコミュニティ紙の出会い系ページで見つけた「婚約者がいるけど、浮気したいかも」というふざけた投稿をしているマットという男性を見つけて、興味半分で会いにいきます。


どんなクソ野郎が出てくるのかと期待したら、マットは意外にまともな男性で、しかも話が合ったので惹かれてしまいます。
そうするとますます「なぜ婚約者がいるのに出会いを求めるのか」ということがわからなくなって、キャリーは腹を立てました。


キャリーが抱える問題とは、もちろん孤独なことです。
12歳のときに病気でママを失い、14歳のときにハーバード大学に入学して寮生活するためにパパとも離れなくてはなりませんでした。
さらに、14歳で20歳前後の集団に放り込まれたため、友達もできなかったのです。


「家族や友人と過ごす子ども時代」を奪われたので、キャリーには「大切な恋人や家族がいるのに浮気や不倫をする多くの不誠実な人間」のことが理解できず、腹を立てているのでした。

 

【がんばってみるけど、限界を迎えるキャリー】

パパに「働けカス」と言われたので、弁護士事務所で夜のアルバイトをすることになりました。
そこで知り合った同僚のタラと仲良くなり、「とりあえずマットとやっちまえば?」と無責任なアドバイスを受けます。
しかしキャリーは「なんでみんなセックスなんかに夢中なのかわからん」と言います。


なぜキャリーが性行為に否定的なのかというと、じつは16歳のときに、ハーバードで英文学の教授と関係をもち、嫌な目にあったからです。
なんかわかりませんがヘンタイロリコン野郎から「おち〇ぽだいすき!」とかそういう恥ずかしいワードを言うように求められたようです(笑)


しかもママからもらった大切なサリンジャーの初版本を借りパクされたので、踏んだり蹴ったりの経験です。


セラピストにいわれたとおりリストの項目をこなそうとがんばるのですが、ペットの金魚を死なせるわ、不誠実な人間と接して不快な思いをさせられるわ、でいままでよりも孤独を感じるのでした。


ストレスを溜めているキャリーに、さらにストレスがマッハになる出来事が起こります。
パパが自分に内緒で再婚を決めていたのです。
これに腹を立てたキャリーはスマホをぶん投げて破壊してしまいました。


ある日、当のセラピストが不倫をしていることを知ったため、こういう取り組みがばからしくなっちまいます。
「こんなことをやってもパパは振り向いてくれない!」
と、セラピストに苦情を言って、ぜんぶおじゃんにしようとします。
ところが、そこにロンドンにいるはずのパパがいたのです。

 

【リスト完遂!】

娘を心配して会いに来たパパは、「優秀だから」とキャリーをほったらかしにしたことを反省して、抱えている問題を聞き出します。
「ヘンタイロリコン野郎に弄ばれたうえにサリンジャーの初版本を借りパクされた」ことを知ったパパはキャリーを連れてさっそくそいつの家に乗りこみました。


パーティをやっていたヘンタイロリコン野郎が困惑しますが、お構いになしに勝手に図書室に入って初版本を取り戻します。
ついでに野郎を殴っておきました。
殴った理由をちゃんと説明しますが、「16歳の娘に手を出して弄んだから」ではなく「借りた本を返さない無礼者だから」でした。


もちろん本当の理由は前者でしょうけど、周囲にひとがいたのでこう言ったのでしょう。
娘の名誉を守りつつ、報復するパパかっこいい!


パーティに来ていたひとがこの暴行をだれも咎めなかったので、どうやらヘンタイロリコン野郎はうっすら嫌われているようです(笑)


こうしてパパに愛されていることを知ったキャリーはリストの完遂を目指します。
職場のハッピーニューイヤーパーティに顔を出してタラに「友だちだよね?」と自ら申し出ます。
さらに「大晦日を誰かと過ごす」という項目をクリアするために隣人のサイに会いに行きました。


まだ知り合って日の浅いサイから「ミドルネームは?」と聞かれてにんまりするキャリーでした。
これは「本気じゃない男は何年たってもミドルネームすら聞いてこない」というタラ理論によるものです。
2人は仲睦まじく花火を見上げるのでした……。
おしまい。

 

【まとめと感想】

序盤の構成がちょっとわかりづらい度☆☆☆☆☆
ヘンタイロリコン野郎との回想が回想とはわかりづらくて、現在進行形で妄想しているのかと思いました!

 

解決がイージーすぎ度☆☆☆☆☆
パパがちょっと飛行機でやってきてヘンタイロリコン野郎を殴ってくれただけで、長年ほったらかしにされたわだかまりがすぱっと解消するのは薄味だと思いました!

 

天才描写の陳腐度☆☆☆☆☆
記憶力がよくて他人の言葉を引用コピペしまくるだけの人を天才扱いするの、そろそろやめられませんか?(笑)
超絶名作『アルマゲドン』は「あの博士は世界一頭のいい人間です」と、恥知らずもいいレベルの一言コメントでキャラの天才性を表現していましたよ!

 

家族関係、青春の痛みなどの私たちにとって現実的なテーマを扱うにしてはちょっと薄味だと思いました。
まあ、観た動機が99分でさくっと終わりそうだからというものでしたので、無難に楽しめましたけど、130分とかあったら不満をぶちまけていたかもしれません(笑)

「長くてシリアスな映画はあんまりみたくねーなー」という気分のときにはいい暇つぶしになるのではないでしょうか。
以上です。