『ものがたりいちば』

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「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」の感想

べつに空海じゃなくても……?

 

 

 

2017年日中合作映画。ジャンルはファンタジー
監督は「さらば、わが愛/覇王別姫」などのチェン・カイコー
主演は染谷将太。中国側の主演はホアン・シュアン。


絶世の美女楊貴妃の死の謎を空海が解き明かすファンタジー探偵ムービー。
国史に詳しいひとじゃないとなにが謎なのかもわからないので、ネタバレの危険性はたいしてないと思います。

 

 

 

・序盤のかんたんなあらすじ
西暦800年頃。
密教を学ぶために大唐帝国へ渡った空海は、時の皇帝の崩御を目の当たりにする。
医者は風邪と診断したが、どう見ても異常な死に疑問をもった空海は宮殿で猫の足跡を見つけた。


足跡を辿っていくと、文が置いてある。
「皇帝は死んだ。次は皇太子だ」と記されていた。
その不吉な予告通り、後を継いだ次代の皇帝も不可解な死を遂げる。


そのころの空海は仲のよい白楽天と行動をともにすることが多かった。
2人で立ち寄った遊郭で高官たちの宴に参加した空海たちは、そこで謎の化け猫が高官たちを襲うのを見る。
空海が幻術を使うのを見た高官が助けを求めてくる。
その高官の家で対峙した化け猫は「これは復讐だ」と語った。
皇帝の不審死と高官を襲った呪い、2つの事件の共通点は数十年前に死んだ楊貴妃だったのだ。
空海たちは化け猫と楊貴妃を巡る謎に足を踏み入れるのであった……。

 

 

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

めちゃくちゃ金かかってそう度☆☆☆☆☆
中国映画特有の色とりどりの衣装や美術の魅力は健在です。
幻術や妖術の類のエフェクトも豊富で、宴のシーンの幻想的な華やかさがすばらしい。
150億円もかかっているそうです。日本側にそんなカネを出せる映画会社なんてありませんので、ほとんど中国側が出してそうです。実質中国映画でしょう。
今後はハリウッドの大作映画に対抗していくのは中国映画界になりそうですね。

 

 

空海じゃなくてもいい度☆☆☆☆☆
別名弘法大師と呼ばれる空海には五十音を成立させたという説もあり、古来から宗教家としてだけではなく、日本史史上屈指の大人物とされています。

ですが、この物語ではただ名推理をする妖術探偵です。
たまたまその時代に唐にいたという記録があって、しかも幻術とか妖術を使っても不思議じゃなさそうな空海がチョイスされたというところでしょう。
べつに架空の人物でもぜんぜん問題なさそうです。


原作小説では空海である必要性があったのかもしれませんが、映画のストーリーでは必然性ないです。
いっぽう白楽天のほうは必要性大です。
彼の書いた「長恨歌」が作品の重大なテーマになっているからです。

 

 

予算の半分くらい猫のCGにかかってる説☆☆☆★★
冗談です。さすがにそんなにはかかってないと思います。
とはいえ化け猫は出ずっぱりで、めちゃくちゃ演技します。
顔芸連発、目の演技もしっかりやります。

 

歴史っぽいファンタジーや探偵バディものが好きなひとは、好きかもしれません。