『ものがたりいちば』

映画観賞歴5000本以上なりに映画ドラマアニメの感想を書いてます。ゲーム関連はhttps://zwigani.comに移転中です。

「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」の感想


この作品、おすすめのしやすさが異常なんですけど!

 

 

 

今回おすすめするのは「アバウト・タイム」です。
2013年イギリス映画。
監督はリチャード・カーティス。この方は恋愛群像劇の「ラブ・アクチュアリー」が有名です。


出演はハリーポッターシリーズで主役格ロン・ウィーズリーの兄弟役を演じたドーナル・グリーン(いかにも冴えないイギリス男って感じ!)。
バットマンなどのDCエクステンデッドユニバース映画で、ハーレクインを演じてブレイクする前のマーゴット・ロビー(マジでちょうかわいい)。


ヒロイン役はレイチェル・マクアダムス

「あーどっかでみたことある!絶対みたことある!」というのが似合う人。

かわいいし、色んな映画で観たような気がするのでたぶん演技もうまいのでしょうが、ちょっと、印象、薄いです……。ごめんなさい!

 

本作も恋愛ものではあるのですが、ふつうの恋愛ものとちがうポイントがあります。
それはタイムリープものでもある、という点です。
え? タイムリープ? なにそれ? わかんないし難しそうだから観るのやーめたっ!
というせっかちボーイズアンドガールズ、ちょっちょっとだけ待って!十秒で説明できますから!


タイムリープというのは、SF用語で、めちゃくちゃかんたんに言えば、
「主人公が過去に戻れる」
という能力を持っているってことです。

 

 

 

・あらすじ
本作の主人公はティム。いいやつです。
イギリスの田舎に住む青年です。優しくて真面目なのですが、ルックスがいまいち、ここぞというときの行動力もありません。はっきり言って女性にもてるタイプじゃありません。


ティムは21歳の誕生日に父親からある秘密を告げられます。
それは「一族の男には過去に戻れる能力がある」ということです。
ただし、この能力は世界を大きく変えることには使えないとのこと。独裁者になる前のヒトラーを殺すとか、そういうことはできません。
もちろん父の嘘だと思ったティムでしたが、実際にタイムリープできてしまいます。
そして「自分がほんとうに望むことのために使え」と助言されます。ティムは父を敬愛していましたので、その助言に従うことにします。
ティムの望み、それは「恋人がほしい!!!!」だったのです。


さて、冴えないタイムリープ能力者のまぬけなどったんばったん劇、はっじまっるよ~!
(ティムはいいやつです。エロ紳士どももこれだけは覚えて帰りましょう)

 

 

 

では今回も、三つの観点からおすすめポイントを解説していきます。
タイムリープもの界屈指の優しい世界度☆☆☆☆☆
・じつは恋愛ものじゃなかったというある意味どんでん返し度☆☆☆☆★
・未来は自分次第で変えられる度☆☆☆☆☆☆

 

 

タイムリープもの界屈指の優しい世界度☆☆☆☆☆
ネタバレ回避のためにも簡潔にいきます。
タイムリープものは、三つに分類できます。
まず人が死にます。そうじゃない場合、人がめちゃくちゃ死にます。もしくは世界が滅びます。
それを回避するために過去に戻るというのを主人公が繰り返し、でも何度やり直してもダメで、だんだん主人公が病んでやけくそになったりするのですが、本作はそうじゃありません。


物語を盛り上げたり、緊迫感を出したりするためだけに理不尽に人を殺しはしません。
主人公は誰かの死を「なかったこと」にするためには一度も能力を使いません。
そうしたほうが簡単に山場を作れるのに、です。これは作り手の良心だと管理人は思いました。
明らかに伝えたいメッセージがあるのです。
まぁ、魂が歪んでいる管理人にはよくわかんなかったんですけど(笑)

 

 

・じつはタイムリープものじゃなかったという、どんでん返しある意味すごい度☆☆☆☆★
ネタバレになるので、察してくれ!としか言いようがありませんが……。
以下にあげる作品群のようなものを期待しているタイムリープオタクの紳士淑女のみなさまは、どうぞ回れ右してご帰宅ください。あなたが求めるものとはたぶん、絶対違います。
「ファイナルディスティネーション」「シュタインズゲート」「Re:ゼロから始める異世界生活」「バタフライエフェクト」「君の名は。」「時をかける少女(アニメ版)」
ほらほら、とっとと撤退して、どうぞ。
つか引っ越し引っ越しさっさと引っ越し!もし手をだしても苦情は受け付けんぞ!

 

以下にあげる作品群が好きな人にはおすすめできます。
イルマーレ」「恋はデジャ・ブ」「オーロラの彼方へ

 

 

・未来は自分次第で変えられる度☆☆☆☆☆☆



(ネタバレ警報)



(ちょっとでも観たいと思ってしまった人は、どうかご自分で観たあとに読んでください)

 


断言しましょう。タイムトラベルは人類の夢です。
過去や未来へ自由に時空間移動できれば、可能性は無限大。
と一般的には思われがちですが――そうではありません。
未来への移動は、あんまり強い行動ではないのです。
これはタイムリープもの大好きな管理人は解説できますので、興味ある方は読んでいって欲しいです。


まず未来に行くことのメリット。
中高生の学生ならテストの答えを見てから帰ってくれば、百点満点確定です。一夜漬けで東大に入れます。
大人なら話はもっとはやい。一週間後を覗き見して、上がるとわかっている株、当たるとわかっているロト6、競馬。それらを確認すれば誰でも億万長者になれます。金儲け関連は無敵と言えるでしょう。


また、宗教団体の教祖になることも簡単です。

三日後に有名な政治家がくも膜下出血で突然亡くなるとか予言してしまえばいいのですから。ただ見てきただけの事実なのに。もうあっという間に世界最大の宗教を築けるでしょう!


ですが、これら未来に行くことへのメリットには致命的な弱点があります。
それは未来に行ったあと、現在に戻れなければなんの意味もない、ということです。
未来に行きっぱなしというのはほとんどメリットにならないのです。
たとえば、一年後の未来に移動したとき、愛する人が交通事故で死んでいることを知ったとします。
家族、恋人、親友、だれでもいいです。
それを知ったところで、どうしようもないんです。助けられない。
ただただ過程をすっとばしただけ。
だからこそ、「過去に戻れる」ということは未来に移動することよりはるかに価値が高いのです。


交通法規を守って青信号を渡ろうとしている愛する人の手をつかむだけでいいのです。居眠り運転の赤信号無視トラックにはねられる未来を回避できるのです。


(例外もあります。不治の病に侵されて余命数か月という人なら、治療法が見つかりそうな未来に飛ぶのがいいでしょう。宇宙コロニー時代を見てみたいとかいう極度の科学技術オタク。もしくは地球消滅の日を見たいというやべえやつ。このへんは管理人にとってやけくそサイコパスなので、考慮しません!!!だって、自分の大事な人がだれもいないのですから!)

 

SFファンからは無視されるか、冷笑されるかもしれない作品でしょう。
しかし、SFというのはただの設定、装置に過ぎないと管理人は思います。
それを使ってなにをしたいのか、という点。
今を生きて欲しい、というメッセージを伝えたいという熱意がこもっていました。
でもあんまおもしろくなかった。

えぇぇ……?

 

管理人は小うるさいSFファンなので!!!
とりあえず女性陣はマジでかわいかった。
以上です。