『ものがたりいちば』

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映画『ゾンビの中心で、愛を叫ぶ』ネタバレあり、あらすじと感想

2018年デンマークスウェーデン合作映画
監督:アントニオ・トゥーブレン
主演:ゾーイ・タッパー

 目次です。

 

【序盤のあらすじ】

カレンとジョンは夫婦仲が冷え切っています。
1年前にカレンは死産を経験し、妊娠できない体になってしまい、そのショックから立ち直れないでいるのです。


ある日カレンが離婚を切り出そうとするのですが、そのときゾンビパンデミックが始まりました。


政府から「家にこもって救助を待つように」とお達しがあったので、2人の立てこもり生活が始まります。
となればまず食糧の調達が必要です。
幸い住居は集合住宅なので、外に出なくても調達可能でした。


ジョンは他人の家から食糧を盗むことを躊躇しますが、カレンはぜんぜん気にしません。
調子に乗って服やテレビもちょろまかします(笑)
さらにカレンは今までジョンには見せなかった悪い一面を見せていきます。
なんと、大量のドラッグや銃を隠し持っていたのです。


2人はいずれ来るであろうゾンビとの戦いに備えるため、体を鍛えて格闘術の訓練も始めました。(まあダイエット程度のおままごとなんですけど……)

 

【マウントの取り合い】

立てこもり生活が始まってから数日後、ご近所さん夫婦が家にやってきました。
自分の家にゾンビがいたので逃げてきたそうです。
断ればいいのに、世界の終わりでもいいひとぶりたいジョンが家に入れてしまいます。
しかもご近所さんの妻は、カレンと仲が悪いひとでした。


というわけで、陰湿なマウントの取り合いが始まります(笑)
最初のうちは「夜な夜な喘ぎ声を聞かせる」とか「どうでもいい雑用をやらせる」などの嫌がらせレベルでしたが、2日目にしていきなりエスカレートしました。
ご近所さんがカレンたちの殺害を思い立ったのです。


それを察したカレンが大量の覚せい剤をクッキーに盛り、提供しました。
で、ご近所さん、殺そうとしている相手から差し出されたものをマヌケにも食ってしまいます。
ヤクの量を間違えたため、ご近所さんはすぐ死にました。


死んだご近所さんが数分でゾンビ化したため、どうやらウォーキング・デッドの世界のように誰もが感染しているようです。
元警察官のカレンはゾンビを撃って処理するのですが、頭を撃たなくても死にました。
珍しい設定ですね。


こうしてうざいご近所さんを排除して、ふたたび2人の生活に戻りました。

 

【愛】

2人はゾンビパンデミック前の不仲が嘘だったかのように急速に愛情を取り戻していきます。
出会いのときのデートのロールプレイングをしたり、酒を飲んだり、ヤクをやったり、性行為にふけったりします。
なんだかんだ言っても電気も水道も使えるので、あまり危機感がありません。


しかし、その油断がトラブルを招きました。


カレンが救助隊を装った野盗の群れを家に入れてしまったのです。
侵入してきた野盗のボスはさっそくカレンをレイプしようとしますが、カレンは隙をついて喉にナイフを突き立てて返り討ちにしました。
残った野盗どももジョンが銃で撃ち殺します。


トラブルを切り抜けた2人ですが、すぐ新たなトラブルに見舞われました。
とうとう食糧が尽きてしまったのです。

 

【最後の決断】

待っていても救助隊がこないので、一か八か外に出ることにしました。
ヘルメットや防御力の高い服で身を固めて突撃しましたが、この決断は凶とでます。
やはりゾンビの数が多すぎて家に舞い戻るしかありませんでした。
しかもカレンがゾンビに噛まれてしまったのです。


ゾンビ化が進むカレンに、ジョンは自分の血を飲ませて人間としての意識を長らえようしますが、吸血鬼じゃないのでどうにもなりません。
自分の人格が終わることを察したカレンはジョンへの愛をこめた手紙を残し、自らを鎖で柱に縛り付けます。


「愛してるなら殺して!」というメッセージを見たジョンは、ある決断を下します。
その決断は「カレンに食われて自分もゾンビになって添い遂げる」というものでした。
繋がれた2体のゾンビを見つけた救助隊の隊長は「愛だ」と察します。
そして、部下に処分を命じるのでした……。
おしまい。

 

【まとめと感想】

べつにゾンビじゃなくてもいい度☆☆☆☆☆
噛まれなくても感染していたり、頭を撃たなくてもゾンビが死んだりと、あまりゾンビ感へのこだわりを感じない映画でした。
まあそもそもゾンビがあんまり出てこないんで、どうでもいいですけど。


ゾンビが一大ジャンルになってから久しいので、他との差別化をはかるためにこういう変化球系の映画が増えていくのはふつうの流れだと思います。
あんまり同じことをやられても飽きますし。
ところで、ゾンビファンってなんでゾンビに飽きないんですかね~(まったく飽きてないわたし含めて)


とにかくすそ野が広がるのはゾンビファンにとってはうれしいことです。
それに、王道ゾンビを作ろうとするとお金がかかしますしね……。

 

 

嫌なご近所さんの図々しさが最高度☆☆☆☆☆
ちょっと雑用をやらされただけで殺害を決意するなよ(笑)
しかも敵が作ったクッキー食うなよ(笑)

 

 

突撃するタイミングがヘン度☆☆☆☆☆
「屋上に行って救助隊にサインを送ろう」とせずに、なぜか外に特攻するのは不自然だと思いましたが、まあ結末ありきなのでしかたありません。

 

変化球ゾンビものですが、おもしろかったのはゾンビが関係ないご近所さんとの陰湿バトルでした(笑)
以上です。