ある一点をのぞけば、コロナ禍をリアルにシミュレートしていた予言のような映画。
2006年アメリカ映画。ジャンルはパンデミックもの。
監督はリチャード・ピアス。
ネタバレは現実。現実はネタバレ。です!
・序盤のかんたんなあらすじ
中国で発生した鳥インフルエンザが、めぐりめぐってアメリカで最初の死亡者を出した。
感染したアメリカ人は世界を飛び回るビジネスマンで、数えきれないほどの人物と接触し、感染を広げていた。
アメリカの防疫関係者は、はやくから少なくとも3億人が死ぬ、という予測を立てた。
そこからパニックが始まっていくのだった……。
――ネタバレ注意!――
リアルなシミュレーション度☆☆☆☆★
発生から感染爆発までの流れは、コロナパンデミックの現実をなぞっています。
というか、こっちが先だからほぼ予言ですね。
ただし、ひとつ違う点があります。
それはソーシャルディスタンスの概念の欠如です。
病気で倒れた患者に人工呼吸するとか、密集したところで大口開けて会話しまくるとか、大胆なハグやキスとか、いま見ると恐怖でしかない行動が連発です。
14年のあいだに、疾病対策はずいぶん進んでいたんだなぁ、と思いました。
だれだか知りませんが、ソーシャルディスタンスを思いついたひと、マジえらすぎます!
投げっぱなし度☆☆☆☆☆
終息しません!
たいがい感染爆発ものは、最後に終息したり、希望を残して終わるものだと思うんですが、ラストがすっごいなげやりです。
第二波、第三波がきて、人類は壊滅するだろうみたいな暗示で終わります。
逆にいまだからこそ度☆☆☆☆☆
とはいえ、発生から感染爆発の流れはパンデミックものならだいたい同じでしょう。
いまだからこそ、リアリティのあるシミュレーション映画として一見の価値ありと思いました。
隔離される市民の不安とか、ワクチンの優先順位とか、医療崩壊の過程とか、すごくリアルなものとして受け取れました。
2006年に観ていたら、誇張しすぎwwwwとか低評価していたかもしれません。
コンテイジョンが再評価されるなら、こちらもごま塩程度に評価されるべきだと思いました!