『ものがたりいちば』

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『シンエヴァ公開記念』映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」ネタバレあらすじ感想

2012年日本映画
監督:庵野秀明
主演:緒方恵美

新作公開を祝して前作『破』の次回予告が無意味だった(笑)映画のおさらいをしときました。

 目次です。好きなところから読めます。

 

序盤のあらすじ


エヴァンゲリオン2号機に乗った式波・アスカ・ラングレーは宇宙ロケットで宇宙空間に上がっていきます。
前作では悲惨な目にあった挙句退場させられたので、元気そうでなによりです。


真希波・マリ・イラストリアスも新しい機体に乗って参加しています。
アスカに『コネメガネ』というあだ名をつけられているので、仲良くなったみたいですね。
懐かしいネルフ管制官たちの声も聞こえます。


この作戦は箱のようななにかを宇宙空間から強奪するのが目的のようです。
防衛システムに邪魔されますが、無事強奪に成功した2号機は大気圏再突入コースに入りました。


ところがそのとき、いつものパターン青が発生します。
箱そのものが使徒だったのです!


すでに再突入態勢になっている2号機にはなにもできず、アスカは「助けろバカシンジ!」と叫びました。
すると箱の中身が覚醒して、ビームを放ち、使徒を殲滅しました。
この宇宙戦闘は目まぐるしいので、初見ではなにがなにやらさっぱり把握できませんでした(笑)


宇宙から持ち帰ったのは初号機です。
内部からサルベージされた碇シンジは移送されるあいだ、医療関係者っぽい若い女の子に本人確認を受けました。


奇妙なことに複数の兵士からずっと銃を向けられていますし、なんのためかよくわからないチョーカー(首輪)をつけられています。
どうしちゃったのかな、ネルフは?(すっとぼけ)


軍用艦の司令室のような部屋に連れていかれたシンジは、周囲のみんなから敵を見るような目で見られます。
管制官たちのほとんどが知らない顔です。
困惑するシンジでしたが、葛城ミサトと赤城リツコを見つけてちょっとほっとしました。


ところがミサトもリツコも態度がヘンですし、すこし老けたように見えます。
シンジはなにがどうなっているのか質問攻めにしましたが、すべて無視されました。
視聴者ともども完全に置いてきぼりです(笑)


首が苦しいのでチョーカーを外すように頼みましたが、シンジ担当の若い女の子に「絶対に外しませんよ、それ……」と言われてしまいます。
そのとき緊急警報が鳴り、『ネーメジスシリーズ』が迫っていることを警告しました。
置いてきぼりは続きます(笑)


ミサトがただちに戦闘態勢に移ることを命じたので敵のようです。
どうやら今の戦力では勝ち目が0らしいのでリツコが退却を提案しますが、ミサトはリツコの提案を受け入れたことがない勝算があると踏んでいるようです。
初号機を主機(メインエンジン)としてこの艦艇をパワーアップさせて戦うという案のようです。


敵が来たということに興奮したシンジがエヴァに乗って自分も戦うと立候補しますが、喜ばれるどころかモブキャラに舌打ちされました(笑)


「あなたはなにもする必要がありません」
とリツコやミサトに冷たく拒絶されました。
なにがなにやらさっぱりわからずひたすら困惑するシンジですが、出撃する2号機を見てアスカが無事だったことを知って安堵します。


戦闘が始まるのですが正直よくわかりませんでした(笑)
光の壁みたいな敵のコアを露出させて、初号機を主機としたことで空を飛べるようになったヴンダー(神殺しの船)で振り回して倒しました!

 

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

混乱しかしないシンジ


戦闘が終わると、ようやく説明する気になったみなさんが現状を語ってくれます。
シンジ担当の若い女の子は鈴原サクラと名乗り、鈴原トウジの妹だと自己紹介しました。
これはおかしいですね、いくら若いと言ってもシンジよりは年上に見えます。


じつは前作『破』のラストから14年も経過していることをリツコが暴露しました。
それを最初に言えよw


今ミサトたちが属しているのNERV(ネルフ)ではなく、WILLE(ヴィレ)という反ネルフ組織だそうです。
なぜ元ネルフのみんながネルフと敵対しているのか、観ている側としてはうすうす察しがつきますけど、シンジはさっぱりわかりません。


ネルフ使徒から人類を守るための組織』という前提が前作の『破』で嘘と判明し、使徒との戦いは茶番で、むしろ人類をどうにかしようとしているのはゲンドウたちだとわかったため、反旗を翻したのでしょう。


さらに前作で助けたはずの綾波レイは初号機のなかにいなかったそうです。
首のチョーカーはエヴァ覚醒のときのリスク管理のためと、それに加えてシンジへの罰の象徴とのことです。
使徒を倒して人類を救ったヒーローに対してなんの罰なのかなぁ?(すっとぼけ)


説明を受けてもむしろわからないことが増えて混乱するシンジのもとに、アスカがやってきました。
アスカは再会を喜ぶシンジに窓越しのパンチで応えます。
なんだかめちゃくちゃ怒っています。


たぶん自分のピンチのときはなにもせず助けなかったのに、レイを助けるときは本気を出したからでしょう。
ところがここでもおかしなことにシンジは気づきました。
14年経っているはずなのに、アスカが当時のままの容姿なのです。


アスカはその現象をエヴァの呪縛」と語りましたが、ぜんぜん説明になっていません(笑)
わけわからん固有名詞がいっぱい出てくるのを楽しみ作品なので、大歓迎ですけど!
むしろへたに説明されたら「ふーん、それで?」になりそうですし……。


つまりシンジが老化しなかった理由は初号機に取りこまれて実体を失っていたからではなく、エヴァの呪縛による『不老』効果だったのです。
もはや大人の言うことが信用できないシンジはアスカ(28歳児)にレイの行方を聞きますが、アスカは「いまさら1人どうでもいい」と突っぱねました。


人命は地球より重いはずですが、どうしちゃったのかな文明社会?(すっとぼけ)
説明タイムが終わったので、ネルフエヴァが攻めてきました。
なぜネルフエヴァと戦うのかさっぱりわからないシンジはますます混乱しますが、この映画ではずっと混乱しかしないのでもう言及するのはこれで最後にします(笑)


攻めてきたエヴァは零号機で、乗っているのはレイでした。
大人が嘘をついていた(ついてないw)ことに腹を立てたシンジは、レイに言われるがままついていくことにしました。


ネルフが初号機よりもシンジの奪取を優先したことに脅威を感じたリツコが、チョーカーでシンジを爆殺することを提案しましたが、ミサトがリツコの提案を飲んだことは歴史上一度もありません(笑)


それは冗談として、ミサトが葛藤したため、リモコンの範囲外にシンジは逃れてしまいました。
葛藤した理由は単純に情を捨てきれなかったのか、あるいは『破』のときに「他人なんて気にせずに自分の願いを叶えなさい!」と焚きつけたことに責任を感じていたのか、そんなところでしょう。

 

 

過疎化著しいネルフ村(5人しかいないw)


懐かしいネルフ本部に連れていかれたシンジは、健在だった父ゲンドウから建造中の新型エヴァ第13号機と新パイロットの渚カヲルを紹介されます。
生きていたレイとの再会を素直に喜ぶシンジでしたが、レイの様子がなにかヘンです……。
かつての思い出をレイがなにも覚えてないのです。


しかも読書好きだったレイがまったく本に興味を示さなくなっています。
読書家という設定があったことを初めて知りましたが、これは明らかに別個体です(笑)
しかし、『綾波を救った』ということだけが精神のよりどころになっているシンジは気づかないフリをしました。


今作は陰鬱でやるせない展開が続きますが、サービス精神旺盛な庵野監督はちゃんとサービスサービス!してくれます。
ということで、楽しいラブコメパートの始まりです!
ただしお相手は男ですけど(笑)


カヲルといっしょにピアノを弾いたり星空を眺めたり、とイチャイチャデートを重ねて、親交を深めます。
もちろんこれもゲンドウらの計画です。
シンジの依存対象をカヲルに変え、精神的に安定させたところで、絶望に叩き落してやることにします。


支給品のYシャツが鈴原トウジのものだったことに気づいたシンジは、ようやく現実を見ようとし始めました。
カヲルに連れられて本部の屋上に行ったシンジは、外の世界がどうなったのか初めて目撃しました。


かんたんに言うと、人類を含めたあらゆる生物がみんな死んでました(笑)
ヴィレのみなさんに憎まれて当然というか、なぜ殺されなかったのかさっぱりわかりません。


前作『破』で願いを叶えるマシンである初号機に願ったことは「世界なんかどうなってもいい、綾波を返せ!」でした。
超絶余計な一言で始まってしまったサードインパクトをカヲルの乗ったエヴァマーク6が止めたように見えたのですが、やっぱり止まらなかったようです。


この「世界なんかどうなってもいい」の部分の願いが優先して叶えられてしまったため、「綾波を返せ」の部分は初号機さんにシカトされたのでしょう。
というわけで、歴史上最悪の大量虐殺者になってしまったシンジをカヲルが慰めようとします。


「大量絶滅には新たな進化を促すといういい面もある」などと供述しますが、それは明らかに人間の視点ではありません(笑)
どうやら人類補完計画とは旧人類を生贄にしてニュータイプ新人類を生みだすのが目的のようです。


だいたい前作で「古(いにしえ)の種族は滅びるのみ……」とリツコが中2っぽい言い回しで予想したとおりですね。
老化を克服した新人類がここにいるので、もう計画は完了しているように見えますが、まだストーリーは続きます。


すでにじゅうぶんなショックを受けたシンジをさらに冬月が追いこみます。
じつは初号機のOSがシンジの母親、綾波ユイであることと、レイがユイのクローンであるという視聴者はだいたい知ってる事実をシンジに叩きつけました。


「おまえ母親のクローンに恋しちゃってマザコン乙w」
と煽られたかどうかは知りませんが、ようやくシンジはレイが別個体であることを認め、メンタルが限界を迎えてしまいました。
ということで、機が熟したのでゲンドウが計略を始めるのでした。

 

 

ヤケクソになったシンジ、フォースインパクトを起こそうとする(笑)


メンタル崩壊したシンジですが、まだおのれの罪を認めていません。
「だれも信用できない!」
などと大量虐殺の現実から逃避しようとしています。


操りやすくなったシンジをカヲルは「13号機で世界を元通りにすればいいのさ」と甘い言葉で誘惑し、さらに爆殺チョーカーを自分の首に付け替えるという自己犠牲を見せて完全に信用を勝ち取りました。
これにて準備完了です。


最終作戦の開始にともなってゲンドウは用済みのゼーレのみなさんの電源を落として回ります。
「すでに我らの宿願は叶った」
とゼーレのリーダーもご満悦です。


ゼーレの望みは『死を克服した生物を生み出すこと』のようですので、不老になったエヴァパイロットが実質的に不死者なので、すでに願いが叶っているということでしょう。


シンジとカヲルが、完成した13号機でセントラルドグマの地下に下りていく途中になにやら気色悪い生物の死骸が山ほどあります。
カヲルが「インフィニティのなり損ないの残骸さ……」と説明してるフリしてまたわけわからん固有名詞を増やしやがりましたが、これはある程度想像がつきます。


インフィニティは無限という意味ですから、ゼーレがなんらかの手段で不死者を作ろうとして失敗したのでしょう。
ところが蓋を開けてみればエヴァパイロットが勝手に不老能力を獲得していたので、満足して解散したわけです。


さて、到着した地底はわちゃわちゃしてました(笑)
なぜかレイの顔をしたリリスの残骸があるわ、マーク6が槍でぶっ刺されて放置されているわで、状況の整理ができません。


一刻も早く大量虐殺者の汚名をすすぎたいシンジとしてはとっとと槍を抜きたいのですが、なぜかカヲルが「槍がちがう……」とかなんとかぶつくさと呪文を唱え始めて、躊躇します。


カヲルがちんたらしているので、ヴィレのみなさんが阻止しに来てしまいました。
『アダムスの器』だの『AA弾(アンチATフィールド?)』だの呪文が飛び交うなかアスカの2号機と13号機、マリの8号機とレイのマーク9がそれぞれタイマンバトルに興じます。


完全に聞く耳を持たないシンジはアスカから『ガキシンジ』というありがたいあだ名を頂戴しましたが、バカとガキとではどっちのほうが強い罵倒になるのかいまいちわかりません(笑)


いまだに旧式の内部動力をつかっている2号機がエネルギー切れを起こしたすきに、シンジは槍を抜きにかかります。
独り言の結果、ゲンドウの策略を見破ったカヲルも「槍を抜いちゃだめだ、シンジくん!」と言いだしました。


敵も味方も全員「槍を抜くな」と警告しているのに、シンジは「これは希望の槍なんだ!」と根拠ゼロの願望にすがりつき、抜いちまいました。
ダチョウ倶楽部かおまえはw


するとわけわからん現象が起きて、レイの乗るマーク9がアダムスの器になってしまいました。(なんのことやら……)
さらに13号機も覚醒して地上に浮き上がっていきます。


どう見てもなんとかインパクトの予兆なので、ヴィレのみなさんは全力で中断を目指します。
飛来したヴンダーが13号機を破壊しようとするのですが、アダムスの器に邪魔され、取り逃しました。


アスカとマリは2手に分かれ、アスカはヴンダーを助けるためにアダムスの器と交戦し始めます。
全身がコアのアダムスは修復能力が高く、優勢に立ち回るのですが、戦いの最中アスカに「あんたはなにをしたいのよ?」と聞かれたレイは、急に任務を放棄して脱出ポッドで逃げだしてしまいました。


ゲンドウ、冬月、レイの3人とシンジしか職員がいない(カヲルはゼーレからの出向)ネルフは人材不足で相当ブラックな環境だったため、こき使われて嫌気がさしていたのでしょう(笑)
残された機体は2号機が自爆して倒しました。


いっぽう13号機のなかではまた世界を滅ぼすことになったシンジが嘆いております。
抜くなってみんなが言ったよなぁ?
人の話を聞かないからガキシンジとか呼ばれるんだぞ?


しかしカヲルは優しいので「このフォースインパクトのトリガーはぼくだから君のせいじゃないよ」と言って慰めます。
そしてヴィレの周到なリスク管理のおかげで、チョーカーが爆発してカヲルはただの赤い液体になってしまいました。


ところが、トリガーが死んだのにフォースインパクトは止まりません。
追いついてきたマリが「ワンコくんはバックアップか!」と見破りましたが、なぜチョーカーをつけていたのがシンジじゃないと知っていたのでしょうか?


チョーカーを付け替えたのは先ほどのことですし、エヴァの内部は見えなかったはずです。
などといちゃもんをつけてみましたが、たぶんチョーカーの生体認識情報が違ったからでしょう。
マリが13号機のエントリープラグを強引に射出すると、からくもフォースインパクトは止まりました。


エントリープラグのなかで腑抜けになっていたシンジをアスカが強引に外に連れ出します。
「今回も助けてくれないんだ」
と、アスカはやはり14年も前のことをいまだに根に持っております。

さっき宇宙で1回助けたんでチャラにしてくれませんかね……?


サービス残業地獄から逃げだした元ブラック企業の社員レイもいたので、3人は新たな職を求めて旅に出るのでした……。
ふ~ぜんぜんわけわからんかった~(笑)

 

 

アスカファンおめでとう度☆☆☆☆☆


14年の間に貧乏性も抜けて、かっこいいアスカを見れたので満足したことでしょう!
まあ、この映画9年も前のやつなんですけど(笑)

 

 

おさらいのためにもう一度観たけど、まったくおさらいにならなかった度☆☆☆☆☆


やっぱりわけわからんということがわかっただけでした(笑)
これならべつに観直さないで新作を観ても影響なかったかもしれません。

 

 

これからどう転ぶのか想像つかない度☆☆☆☆☆


2時間30分以上もなにをやるのかさっぱりわかりません。
空白の14年間に触れたりするのかな?
その答えは明日3月8日公開の新作『シンエヴァ』で確認したいと思います。


月曜公開ってのはそうとう珍しい形ですが、たぶん本来なら7日に緊急事態宣言が解除されているという想定で決定したんでしょうね。

過去作の感想もあります。よろしければどうぞ。

※追記:『シン・エヴァ』の感想も追加しました。

 

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