2012年イギリス映画
監督:マティアス・ハーネー
主演:ハリー・トレッダウェイ
・序盤のかんたんなあらすじ
ロンドンのイーストエンド(労働者階級の町)で暮らすアンディとテリー兄弟は老人ホームに弁当を配達する仕事についている。
そのホームに入居している祖父からはいつも「もっとまともな仕事につけ」と小言されていた。
口うるさい祖父だが、兄弟は両親が死んでから男手1つで育て上げてくれたことに感謝して愛している。
最近老人ホームの土地が売却され、近々閉鎖されることになっていた。
もし閉鎖されれば愛する祖父と離ればなれになってしまう。
それを阻止するためには大金を手に入れて土地を買い戻さなければならない。
2人はいとこのケイティとともに、銀行強盗に手を染めるのだが、なぜかロンドンはゾンビだらけになってしまうのだった……。
――ネタバレ注意!――
ツボがわかってる度☆☆☆☆☆
ゾンビものは数が大事です。
ゾンビの魅力は群体にあるのであって、個としての魅力はクリーチャー界でも最低クラスでしょう。
ゲームだとスライムとかゴブリンとかそのクラスの最弱モンスターとして扱われることがしょっちゅうです。
だから予算が少ないからって数をケチっていてはぜんぜん面白くなりません。
数をごまかすために走らせたりするのはほんとうにやめてほしいです!
疾走して跳躍して~みたいな脅威的なクリーチャーなら、もうゾンビじゃなくてリッカー(バイオハザードに出てくる強いクリーチャー)出せばいいじゃん?
本作はそれほど予算が潤沢とは思えないのに、ゾンビの数はじゅうぶん確保しています。
しかも走らないし。
劇中でも「死んでるんだから走れるわけないだろ!」みたいなセリフがありました。
わかってらっしゃる~!
B級映画にありがちな無駄な会話での尺稼ぎもイラつかないレベルでうまーくごまかしていますし、ロンドンらしさを出すために2階建てのバスを出したりと創意工夫がすばらしいです。
あと、グロ描写もがんばってました。
ものわかりがいい度☆☆☆☆☆
B級ゾンビとA級ゾンビをわける壁はいくつかありますが、いちばんわかりやすいのはその世界に『ゾンビの概念』があったかどうかです。
「ウォーキングデッド」「ワールドウォーZ」などのマジメな作品は、登場人物がゾンビの概念を知りませんし、なにがあっても絶対に『ゾンビ』という用語を使いません(笑)。
ようするにぶりっこするんですね~www
いっぽうB級作品やコメディでは、登場人物がゾンビの概念を知っているので、あっという間に事態を理解してくれて話がはやいです(笑)。
理解する過程を描く予算がないんですね!!
その作品がマジメぶってるかどうか判別したければ、この観点に注目してみてください!
金髪タンクトップおっぱい美女が足りない度☆☆☆☆☆
イギリスさんマジメかな?
ゾンビ映画にはなぜか露出度の高いおっぱい美女が必須なんですけど!?
ロンドンはけっこう寒いですって?
そのリアリティ、ゾンビコメディにいります?
なぜかわかりませんが画質がよくなかったのはやや気になりましたが、好きなゾンビものです!