『ものがたりいちば』

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日テレ系ドラマ「君と世界が終わる日に」シーズン1 10話 ネタバレあらすじ感想

史上初の地上波連続ゾンビドラマ最終話の感想です。

 目次です。好きなところから読めます。

 

クルミの選択


前回、響に向けた銃の引き金を引いたクルミでしたが、銃弾は響の頬をかすめただけでした。
至近距離とはいえ、わりと射撃がうまい(笑)
ゴーレムがやってきたので自衛隊と響グループのにらみ合いは強制終了します。
響はもう一度クルミを誘うのですが、クルミは首藤への忠誠心を示して立ち去りました。


クルミと和解することはできませんでしたが、目的の抗生剤を手に入れた響たちは猿ノ島に帰還します。
前回急に出てきたFMラジオの周波数放送を聞くと、「希望の家」というシェルターが明日港に避難民を迎えに来るという内容でした。
響を除いた一同が喜びます。
とりわけ娘のユヅキちゃんの喘息薬が必要な紹子さんは喜びます。


クルミに未練がありそうな響ですが、みんなの意見に従うと言いました。
しかし、その夜みんなが寝静まったあと、響は弓矢をもってこっそりアジトを抜け出します。
等々力にはお見通しだったようですが、これといって実のある会話にはなりません(笑)


翌朝、響が去ったことを元自衛隊の桑田が告げるとみんなは落胆しましたが、シェルターから送られてくる迎えの船の様子を見るために港近くに向かいました。
迎えの船はかなり大きなクルーズ船です。
偵察した桑田は船員が武器を持っておらず、危険な気配はないと判断しました。


さらに桑田は無線機を取り出し、みんなに響との最後のお別れの機会をもうけます。
「みんなは家族だ」
と響はミンジュンのパクリをして、感動的な演説をしました。(感動してない)
等々力はクルーズ船の様子を見に来ていた坪井率いる刀グループと接触して、ある取引を持ちかけました。

 

 

今明かされる驚愕の事実


みんなとの別れを済ませた響はやけにかんたんに駐屯地に侵入できました。
それもそのはず敷地内はワクチンを投与された自衛隊員や避難民たちのゴーレムでいっぱいだったのです。
クルミを探して歩くうちに桑田の元部下である沢自衛官に見つかり、あっさり捕まりました。


今回も響にこれといって策はありませんでした(笑)
そもそもクルミには拒絶されたわけですから、救い出しに来たのではありません。
説得に来た、というところでしょうけど、クルミに会うことすらできませんでした。


ミンジュンの姉ユン・ジアンと同じ監禁部屋に閉じこめられた響は、ジアンから首藤が冷凍機に保存していたものの正体を教えてもらうことになります。
そして、衝撃的な事実が明らかになりました。


なんと冷凍機で保存されていたのは『死病にかかった首藤の最愛の妻』だったのです!
な、なんだって~!?
オラこんなにびっくりしたの初めてだぞ!?
首藤お気に入りのチョコミントアイスでもなければ救世主キリストの聖遺骸でもなかったのです。
※前回までの感想でわたしがてきとーに予想したやつです。


首藤はかつて妻が助かる見込みのない血液の病にかかったとき、自分が治療法を確立するまで妻を冷凍保存することにしました。
とはいえ人間を含めた動物を冷凍の仮死状態から解凍すれば、その過程で死んでしまいます。


そこで首藤はゴーレムウイルスを作り、さらにクルミの遺伝子から作った抗ゴーレム薬と混ぜて投与することで、血液病と解凍死問題の両方を解決しようとしたのです。
ようやくその目途がついたときに、響に停電させられたせいで冷凍機の温度が上がり、仮死状態の妻は死んでしまいました。


ここ数話の首藤の響への激しい憎しみはこれが原因だったのです。


冷凍機の中身を何話も引っ張ったわりに、あまりにもひねりがなさすぎてマジでビビりました(笑)
そんなありきたりな真相をここまで引っ張るとは……。
制作サイドはこんなオチで視聴者が驚くと思ったんでしょうか?


本当に「視聴者びっくりするぞ~わくわく!」と思っていたのだとすれば、その感覚をまったく理解できなくて『怖い』まであります。
やっぱり、人間は自分の理解できないものがいちばんの恐怖の対象ですから。
このドラマシリーズでいちばん怖いです(笑)


「そもそも驚かせる意図はなかった」という言い訳は成り立ちませんね……だったら隠して引っ張りませんから。
これだったらマジでチョコミントアイスでよかったんじゃないの?w
どっちにしろ視聴者から石を投げられるのは同じなんですから(笑)

 

 

首藤の復讐


というわけで首藤は響への復讐心に狂ったということですが、響に冷凍機を止められる前から首藤は狂っていたので、狂気×狂気です。
残念ながらマイナス×マイナスみたいに改心することはなかったようですw


そもそも時系列で追えば、かつて首藤に愛する母を殺された響のほうが先に復讐をする権利があるはずです。
結果的に首藤の愛する妻を死なせたのでどっちもどっちみたいなことになっちゃってますけど、本来ならお互いが復讐の対象になっている対立構造は、なぜかとくに掘り下げられません(笑)


なんでだよw
圧倒的なスケールとクォリティで描く人間ドラマじゃないのかよw
これは『かつて恋人のクルミや親友の等々力との関係を半年間も絶って、行方知れずの母を探した』というほどの響の母への思いをちゃんと描かず、ゴーレムと化した母との悲しい再会をさらっと済ませてしまったことの弊害です。


母を殺され無残な姿にされた響が首藤への復讐心を燃やして暴走しかけてそれを仲間たちが止めようとしたり、首藤への復讐とクルミの救出のどちらを優先するか響が迷ったり、という展開があれば多少は人間ドラマに見えたかもしれません。


この設定でなんで首藤を憎まないんだよw
もうゴーレムにされた母のことを忘れてるっぽいですね、響と制作サイドが(笑)
こんなことになった原因はわかりませんが、キャラの設定を決めた人とストーリーを決めた人がべつべつで、包括的に構成できる人がいなかったのではないかと予想しています。


さて、健忘症の響が復讐の権利を主張しないので、首藤が一方的に復讐権を行使します。
監禁部屋から響をコロシアムに引っ張り出しナイフを与え、ナイフを持ったクルミと対峙させました。
愛し合う者同士に殺させあうという極上の拷問の時間です。


じつは避難民が監禁されていて、クルミは彼ら人質をゴーレムに変えると脅されているので、響を拒絶したのでした。
駐屯地に侵入して捕まる前に監禁されている避難民を見つけていた響は、すべてを察してクルミの前に「やってくれ……」と身を投げ出します。


1話ぶり3度目の自殺行為です。
この主人公は『首藤を騙して出し抜く』とか、『隙をついて首藤を倒す』とか、生きるためにあがく意思が皆無です。


まあ自分の無策ぶりを熟知しているからとっととあきらめた(笑)ということにしても、愛する者に自分を殺させて、それで愛する者がその後どれほど重いものを背負わされるかということが想像できていないようです。
だいたい首藤はもうヤケクソなんですから、クルミや避難民を見逃す保証なんてありません。


クルミが躊躇っているので、響はクルミの手をつかんで自らの腹に無理やりナイフをぶっ刺しました。
自分のナイフでやればよくない?(笑)
わざわざクルミに精神的ダメージを与えにいくサディスティックな行動です(笑)
もうなにも理解できん……。


首藤が天井のスプリンクラーを起動させると、血のシャワーが振り、その匂いに引き寄せられたゴーレムの群れが押し寄せます。

 

 

クライマックス~エピローグ


窮地に立たされた響とクルミは覚悟を決めましたが、そのとき援軍がやってきてゴーレムたちを一掃します。
やってきたのは等々力、桑田、甲本、カナエの響グループと坪井率いる刀グループです。


どうやら坪井は『駐屯地にはもう自衛隊員はいない』という等々力の嘘(結果的に本当になっていましたが)に騙されて、武器を取りに来たようです。
さすが武器マニアw


いっぽう、響への復讐を終えたと思いこんでいる首藤は妻の死体を抱えて駐屯地をうろついているうちに、ゴーレムと化した沢に噛まれてしまいました。
沢ゴーレムを倒して、なおも歩くのですが、響たちに追いつかれました。


響や生きていることに腹を立てた首藤が響を撃ちますが、元親友の等々力がかばって銃弾を受けます。
あ、ぜんぜん命に別状はありません(笑)


「おまえのせいで多くの人が死んだ!」
と今さら急に憎しみを増大させた響が首藤の首を絞めますが、クルミに「響!」と呼びかけられただけであっさりやめました。
ちょっとは議論しろよw


首藤がゴーレム化したのですぐに響が頭を撃って終わらせました。
え~……。
人類を滅ぼしてまで愛する妻を救いたかった首藤が、ゴーレム化したとたん妻の肉を食い始めたほうがおもしろかったと思うんですけど~。


これにて一件落着!
生き残った響たちは猿ノ島に戻りました。
首藤に撃たれた等々力の治療をカナエがやっていて、なんかいい雰囲気です。
無理やりカップリングしにきてますね(笑)
いっぽう、紹子さんとユヅキちゃんの母子は『希望の家』にたどりつくのでした。


番組終了と同時に、Huluでシーズン2が配信開始されるという衝撃の告知がされましたが、さすがにこのクオリティとスケールのドラマの続きを観るために課金はできません(笑)

 

いいドラマだったとは言えませんが、地上波で国産ゾンビドラマを放送してくれたことにはゾンビファンとして感謝を申し上げます。
以上です!