『ものがたりいちば』

映画観賞歴5000本以上なりに映画ドラマアニメの感想を書いてます。ゲーム関連はhttps://zwigani.comに移転中です。

アニメ「進撃の巨人」ファイナルシーズンEP15 74話『唯一の救い』ネタバレあらすじ感想

物語の終着点の方向性が示される重要な回の感想です。

 目次です。好きなところから読めます。

 

思想の道具


ジークの回想です。
ジークが幼い頃、両親に連れられてレベリオ収容区の外にある時計塔に登り、そこから壁に囲まれた収容区を眺めました。
父親のグリシャは壁内の狭さを見せて、ジークが外に出たいと思うように仕向けます。
物心がついたジークへの思想教育の第一歩のようです。


そのとき、時計塔の清掃人がやってきました。
人の好さそうなおじさんで、グリシャたちが風景を楽しんでいる見物人と思ったのか「出直すよ」と言ってくれますが、エルディア人の腕章を見た途端に豹変し水をぶっかけてきます。
さらに「悪魔のくせに繁殖しやがって!」と罵声を浴びせてきました。


びしょ濡れでレベリオ収容区に帰る一家に、マーレ人たちの罵倒の言葉がつぎつぎに投げかけられます。
図らずも屈辱的な現実を見せることができたグリシャは「お前が世界を変えるんんだ」と教育に利用しました。


数年後、ジークは戦士候補生に志願して厳しい訓練を積む日々を送っています。
しかし、実際にはエルディア復権派の指導者である父母に志願させられたため、他の子たちのような強いモチベーションがなく、訓練では失敗が多くて成績も低いです。


父母が夜な夜な復権派の活動で忙しいので、ジークは祖父母の家に預けられることになりました。
祖父はエルディア人が何百年も前に犯した『ラーゴの惨劇』という虐殺の歴史を語ります。
グリシャがちゃんと孫に正しい歴史を教えているかチェックしているようです。


べつの日、訓練が早く終わったジークは普通の子と同じように父と遊んでもらおうとしましたが、グリシャは「いっぱい勉強できるな!」と喜び『ラーゴの惨劇』がマーレの捏造した嘘の歴史であると教えました。

 

 

クサヴァーとの出会い


日ごとに正反対の思想教育をされてモチベーションの上がらないジークは、マガト隊長から失格の烙印を押されてしまいます。
落ちこんで兵舎を歩いていると、壁当てをしているクサヴァーという『マーレの戦士』と出会い、キャッチボールをして遊んでもらいました。


楽しい気分で家に帰ると、父母が復権派の仲間と密談しているので盗み聞きします。
話題は『ジークの成績が悪くて戦士になれそうもない』というものでした。
ジークの盗み聞きに気づいた父は「お前ならできる!」と信頼しているというよりは願望混じりのプレッシャーをかけてきました。


マガトにやる気のあるところをアピールして公開訓練に参加したジークですが、父母が見守るなかドベになってしまいます。
それを見て失望したグリシャは訓練を見届けることなく立ち去り、「息子が戦士になれないせいで計画がダメになる!」とジークに聞こえるのもかまわずに嘆きました。
父に重い荷物を背負わされ、そして見放されたジークにとって、クサヴァーとのキャッチボールだけが楽しみです。


クサヴァーに「寿命を縮める戦士になんてなれなくてよかったじゃないか」と慰められて気持ちが楽になったジークですが、たまたま通りかかった兵舎の部屋で公安部の人間たちが『エルディア復権派を一網打尽にする作戦』を話し合っているのを聞いてしまいました。
ドアを半開きにして極秘作戦の話をするとはずいぶん優秀な公安部の人間ですね(笑)


マーレにおいてエルディア人の反マーレ運動は一家の連座制です。
父母が逮捕されれば祖父母も自分も楽園送りになってしまうので、復権派の活動から手を引くようにそれとなく父母に伝えようとするのですが、グリシャたちは聞く耳を持ちません。
それどころか思想教育が浸透していないことに腹を立てたグリシャに怒鳴りつけられる始末です。


困り果ててクサヴァーにすべてを打ち明けて相談すると、「告発なさい」と言われました。
自分たちの計画に利用することしか考えずにジークを愛さなかった父母を見捨てて、自分と祖父母の命を守れと忠告されたのです。
この忠告にしたがったジークは、両親を密告しました。

 

 

安楽死計画と誓い


父母が壁送りになってから数年後、いつものようにキャッチボールをしながら、巨人学の専門家であるクサヴァーから「始祖の力ならユミルの民の身体構造も変えられる」と聞いたジークは「エルディア人が生殖能力をなくせば世界の人々もエルディア人も苦しまなくて済むようになる」と恐ろしいことを思いつきます。


そのアイディアを聞いたクサヴァーは初めて『自分がマーレ人と偽ってマーレ人と結婚して子どもを作ったせいで、そのことを知った妻が子どもと心中した』という過去を語りました。
くしくも、ジークの口にした「生まれなければ苦しまずに済む」という考えと同じで、クサヴァーはずっと「生まれなければよかった」と思ってきたのです。


ジークは実の父よりも父らしく接してくれたクサヴァーの獣を継承し、始祖奪還作戦を成功させて『安楽死計画』を実現することをクサヴァーに誓いました。
2人でこの壮大な計画を実現するために、クサヴァーはジークに『不戦の契り』を破る方法を教え、信頼できる者に始祖を託すようにと言葉を遺し、巨人となったジークに食われました。


後年ジークはクサヴァーとの誓いを叶えるために、単身マーレに乗りこんできた弟エレンの真意を確かめましたが、エレンは『安楽死計画』に同意しました。
回想が終わって、リヴァイに馬車で連行されているジークは、クサヴァーとの誓いを叶えるために勝負に出ます。
自ら雷槍を起爆し、馬車ごと吹っ飛んだのです。
この行動を予測できていなかったリヴァイは至近距離で爆発を食らって吹っ飛びました。

原作ではこのシーンのだいぶ前に描かれていたエレンとの接触がここに回されていました。
以上です。