ネタバレあります!ご注意を!
・今回のあらすじ
テレビにもインターネットにもストームフロントの移民排斥主張があふれかえっています。保守派の白人層はその主張に熱狂的な支持を与えています。
それに対抗するのはニューマン上院議員を代表する反ヴォート主義ですが、リベラル思想は熱狂的な流れを作りづらいのか、劣勢気味です。
両陣営が激しい論戦を繰り広げるなか、ある日ストームフロントの主張に共感した冴えない白人男性(アメリカのネトウヨみたいなやつ)が、行きつけのコンビニ店の店員(ヒスパニック系)をスーパーテロリストと思いこんで射殺しました。もちろんただの人間だったので店員はふつうに死にました。
痛ましいヘイトクライムが起こったにも関わらずストームフロントの勢いは衰えません。
劣勢のニューマン陣営は起死回生の一手として、公聴会を開くことにしました。そこで決め手となる証言者が、前回確保したランプライターです。
マロリーの山荘にランプライターを匿ったボーイズは、ニューマン議員と話し合いの場を持ちました。
議員はボーイズの功績を認め、協力してくれるように求めます。
ランプライターは重要な証言者ですが、マロリーは彼1人の証言ではヴォート社にトドメを刺すにはすこし弱いと考えています。マロリーはもう1人の重要な人物に証言を頼むため、エムエムを連れて山荘を出ました。
マロリーの指示でフレンチとキミコはニューマン議員の護衛を、傷の癒えていないヒューイは山荘に残りランプライターの子守りです。ブッチャーはママから電話がかかってきたのでプライベートの用事で外出しました。
ランプライターは真昼間からポルノ映画ばっか観ています。しかもセブンのエロパロディもの(笑)ばかり。付き合わされるヒューイはうんざりしてますが、もう人生は終わったものと思っているランプライターはおかまいなしです。
たまりかねたヒューイがニュースチャンネルを見ると驚きのニュースが流れました。なんとスターライトがトランスルーセント殺害に関わり、スーパーテロリストと内通していたスパイ疑惑をかけられ、隔離施設に監禁されているというニュースです。
スターライトは今回の冒頭で母親のヘマのせいでブラックノワールに捕まっていたのです。マヌケな家族のせいでピンチに陥るいやーな展開ですね。個人的に嫌いな展開です。だから今回ブッチャーが母親に会いに行ったときも嫌な予感がしました。
驚いたヒューイはボーイズに連絡を取ろうとしますが、だれも電話に出ません。ランプライターからおそらく能力者を監禁するならヴォートタワーの42Dという区画だろうと聞いて、ヒューイは1人で助け出すことを決意しました。
ところがどういう風の吹き回しか、ランプライターも手伝うと申し出ました。どちらにしろヒューイ1人ではヴォートタワーに入ることすらできないので渡りに船です。
マロリーとエムエムが赴いたのは元ヴォートのヴォーゲルバウム博士の邸宅です。シーズン1でホームランダーに息子の存在を教えたひとですね。
シーズン1では元気に歩いていましたが、どういうわけか今は車いす生活です。ホームランダーに背骨でもへし折られたのでしょうか?
かつて研究開発部門のトップだったヴォーゲルバウムはヴォート社の悪事を大部分知っています。
しかし、マロリーからの証言要請を断ります。
もし証言などすれば、家族がヴォートやホームランダーになにをされるかわかりきっているからです。
マロリーはたいして粘ることもなく退散しました。
ブッチャーは母親から父親が死んだと聞かされて、母の泊まるホテルに出向いたのですが、その報せは嘘でした。部屋には父親もいたのです。父親は末期ガンで余命いくばくもないので、ブッチャーに会いに来たようでした。
ブッチャーは父親から殴られて育ったため、父親を憎んでいます。しかし、父親は自殺した弟の存在を引き合いに出し、「おまえがだれよりもタフになったのは、殴られて育ったからだろ」などとめちゃくちゃ言いやがりました。だったら弟もタフになっているはずなのですが、自殺したのはもともと弱かったからだ、などと破綻したことを言い始める始末。
ブッチャーと父親は和解することなく別れました。
家族との嫌な時間を過ごしたブッチャーはその足でヴォーゲルバウムの邸宅を訪れます。たぶんマロリーから説得に失敗したと聞いたのでしょう。
面会したブッチャーにヴォーゲルバウムは先ほどと同じで家族を理由で証言を断りました。
しかし、だれよりもタフに育てられたブッチャーはそんな理由では引きません。おまけに父親のせいで死ぬほどイラついています。
ブッチャーは証言しなければヴォーゲルバウムの家族を全員殺すと脅しつけました。まずは隣の部屋にいる娘を。息子たちも探し出して今日中に殺す、と。
どっちにしても家族を殺されるヴォーゲルバウムさん哀れ……。まあ自業自得なんですけどね。
ヴォートタワーに到着したヒューイたちは、ランプライターが現役セブン時代に女子大生を連れこんでいた秘密のルートで内部に侵入します。タワーにはいたるところに掌紋認識の電子ロックがかかっているのですが、幸いまだランプライターのIDが消去されていませんでした。
42Dにつくと、なぜかランプライターは会議室で足を止めます。そこにはセブンの銅像が飾られています。当然、ランプライターのものはありません。
「自分の銅像のまえでやるつもりだったのに……」
と、ランプライターはひどく落ち込みました。
なにをやるつもりだったのでしょうか?その答えはすぐにわかります。
ランプライターはおもむろに自分に火をつけました。
えぇぇ……なにしに出てきたんだよこいつ……と驚くヒューイの前でヒーローが黒焦げになっていくのです。すぐにスプリンクラーが作動しましたが、火が消えたときすでにランプライターは死亡していました。
火災警報による緊急避難モードにタワーが移行したおかげで、アニー(スターライト)が監禁されていた対能力者特別監房に非常灯が灯りました。
スターライトは近くに電気がないと能力が使えないようです。非常灯から電気を得たので、能力を使って頑丈な扉を吹っ飛ばして廊下に出ました。
ランプライターの突然の炎上自殺にわたしと同じく呆然としていたヒューイは、我に返ると会議室にあった酒瓶を割り、その破片でランプライターの手を切り落としました。掌紋認識を突破するためのやむを得ないグロです。
アニーが監禁されている部屋を探しているうちに、助けを呼ぶ声のする部屋を見つけました。開けてみるとアニーの母親がいました。アニーママは驚いたでしょうね、扉が開いたと思ったら黒焦げの手をもった男が立っていたんですから。
戸惑う2人のまえにスターライトが現れ「ここでなにをしてるの?」と驚きましたが、すぐにヒューイが助けに来てくれたのだとわかり、笑顔がもれます。3人はランプライターの遺した掌紋を使って無事脱出しました。
そして公聴会の日がやってきます。
重要証言者であるランプライターを失ったニューマン議員陣営ですが、ブッチャーの迫真の脅迫のおかげでもっと重要なヴォーゲルバウム博士が証言に出てくれます。
傍聴席にはホームランダーやストームフロント、アシュリー副社長などのヴォート関係者の姿もあります。
どこかのバーでディープとAトレインがテレビで見ています。
もちろん世間的には犯罪者のボーイズも隠れ家でテレビ観戦です。
衆目を集めた重要な公聴会が始まりました。
しかし、委員長がヴォーゲルバウムに質問を始めたとたん、委員長の頭が破裂しました。
それを皮切りに議場のなかにいる人間の頭が次々に破裂していきます。
ヴォーゲルバウム博士も破裂、たまたま居合わせたショックウェーブも破裂してしまいました。
謎の能力者の攻撃にちがいありません。1話でレイナーの頭を破裂させたのと同じやつでしょう。
阿鼻叫喚の地獄……マロリーはニューマン議員を避難させようとしますが、気が動転しているのか、出口とは逆の方向に誘導してしまいました。そのあいだも頭は破裂し続けています。
ほんとうに破裂が大好きなドラマですね!
ランプライターが自殺し、ヴォーゲルバウムが破裂しました。
ヴォート社を追いつめるための証人を失ってしまったのです。テレビ越しに悲惨な光景を見つめるブッチャーの顔は鬼の形相になっていくのでした……。
・かんそう
もはや人間が破裂してない回を数えたほうが早そうですね!
しかしランプライターとはなんだったんでしょうか……。
過去に子どもを焼き殺したことを悔やみ、表舞台から去ったあとも人体実験の哀れな犠牲者を焼き殺し続けた人生……常人なら心が病まないわけはないと思いますが、視聴者的には時間を使って紹介されたキャラがアホみたいに退場するのはちょっと……。
シーズンも残すところ最終話のみとなり、今回はマジメな話が多かったのでディープのお笑いシーンがなくて残念です。
それにしても破裂能力者は何者で、目的はなんなのでしょうか?
まあ、どうせ破裂するだけなんでしょうけど!