『ものがたりいちば』

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「ザ・ボーイズ」シーズン2の8話の感想


ネタバレあります!ご注意を!

 

 

・今回のあらすじ
国会議事堂での大量破裂事件をうけて、状況は一変しました。
合衆国大統領は法案の成立を待たずに全警察所、消防所にコンパウンドVを配備することを決定しました。マロリーは無差別に能力者を作り出すことをCIA長官に抗議しますが、大統領決定なのでどうしようもありません。

 

ボーイズのアジトでも慌ただしい動きがあります。
もう公的な手段での勝利は望めません。フレンチが調達してきたと思われる兵器で戦いの準備を進めています。対ストームフロント用プラズマ弾頭RPG(ロケット弾)、対Aトレイン用エピネフリン(弱った心臓にダメージを与える)など、完全に暴力でセブンを皆殺しにする気まんまんでした。


気の進まないヒューイとアニーは新たな証言者を求めて車を走らせます。目的地はエレナ(メイブの恋人)の家です。
待っていたのはもちろんクイーン・メイブ。なにかとスターライトに助言をくれたり好意的でしたし、前回ノワールに殺されかけていたスターライトを助けてくれました。


ノワールは重度のナッツアレルギーなので、ワンチャン隙さえつければ無能力者でもアーモンドバー食わせて倒せます。


しかし、メイブは証言を拒みます。
ヴォート社やホームランダーが怖いからではありません。理由は「もう疲れた」だそうです。そう言われちゃったらどうしようもないので、ヒューイたちはすごすご帰宅の途につきました。

 

いっぽうアジトでは新たな動きがありました。
前回息子のライアンをホームランダーとストームフロントに連れ去られたベッカがヴォートの施設を逃げ出してブッチャーに助けを求めに来たのです。
いつも威張り散らしているタフな男ブッチャーがメロメロにされた噂の女性ベッカを初めて見たボーイズたちは興味津々です。ブッチャーも照れ臭そうです。
ベッカの頼みを聞いたブッチャーはライアンの居場所を探るためにある人物に連絡を取り、面会することになりました。

 

ブッチャーの面会相手はなんとスタン・エドガー社長でした。敵の親玉です。
ブッチャーはエドガーに取引を持ちかけます。ホームランダーとライアンを引き離すかわりに、ベッカに手を出さないという条件です。エドガーとしてもホームランダーとライアンに結託されてはたまらないのでその条件を飲み、ライアンの居場所を教えました。

 

アジトに帰るヒューイとアニーの車のなかに突然Aトレインが現れます。
「命を救ったのに殺しに来たのか!」と騒ぐヒューイにAトレインは「借りを返す」と言ってファイルを手渡しました。
それはストームフロントについての重要な情報でした。
「なぜ?こんなことを?」と不思議がるヒューイにAトレインは「ナチ女がいたら戻れないから」と答えます。


じつはこの直前、共同教会代表アダナとヴォート社社長エドガーが秘密の会合をもち、セブンについての話し合いをしたのです。そこでアダナは「ディープとAトレインをセブンに戻す時が来た」ともちかけるのですが、エドガーは「戻すのは1人だけ、ディープだけだ」と答えました。
なぜなら落ち目のやつを2人も同時に戻せばヴォート社が甘く見られるし、それにナチ女のストームフロントが黒人のAトレインを嫌っているからです。
この会話を盗み聞きしていたAトレインはストームフロントを追い落とすために、教会の保管庫から情報を盗み出してきたのでした。

 

ヒューイたちが持ち帰ったファイルを見たボーイズは色めき立ちます。
ストームフロントの生い立ち、ナチ時代の写真、すべての秘密が記されている完璧な証拠だったのです。ふだんは渋いブッチャーもさすがに手放しでヒューイたちを誉めます。さっそくこの情報をマスコミに流しました。


ライアンを1人で助けに行くとブッチャーが言いますが、これはボーイズにもベッカにもダメ出しされました。今さら1人で行かせるかよ、とエムエムがかっこいいことを言います。結局全員で行くことになりました。
出発の直前、ベッカはブッチャーに「必ずライアンを連れ戻すとレニーの魂に誓って」と懇願します。レニーというのはブッチャーの亡き弟です。とても愛していたそうです。
これは困ります。

ブッチャーとしてはライアンをヴォートに引き渡すとエドガーと約束したのですから。しかし、結局は誓いました。でまかせかもしれまんが……。

 

ホームランダーの秘密のロッジではいつものDV子育てが進行中です。
今日の課題は目からレーザーを出すことです。柵の上に乗せたフィギュアを撃ちぬけ、というものです。ちなみにディープのフィギュアです。なんでやねん……。どこまでディープいじめんねん……。


へたくそな子育てを見守っていたストームフロントがスマホを見て急に発狂しました。理由もいわずにどこかへ飛び去って行きました。


じつはストームフロントはスマホでニュースを見てしまったのです。ボーイズの流した情報のせいで昨日までの人気は吹き飛び、ネットにはストームフロントを罵倒する動画やクソコラがあふれかえっています。さすがの保守派もナチだけは絶対にNGというわけです。

 

ライアンと2人になったホームランダーの耳に耳障りな異音が響きました。ライアンも苦しんでいるので超聴覚をもつ者にしか聞こえない超音波のようです。モスキート音かな?
ホームランダーはすぐさま音の発生源目がけて飛びたちました。


それを隠れ場所で見ていたボーイズはライアン救出作戦を開始しました。

ブッチャーとベッカが車でロッジに乗りこみ、速やかにライアンを回収すると、隠れ場所に戻ってきました。
この行動は予定と違いました。本来の計画では3人はそのままCIAに逃げ込む手はずだったのです。


しかし、その計画もブッチャーの本当の計画とは違ったのです。ブッチャーの計画ではそのままヴォートにライアンを引き渡し、ベッカと逃げるつもりだったようですから。出発前のベッカへの誓いがきいたようですね。


ブッチャーはエムエムに2人をCIAまで連れていくように言って、自分は隠れ場所に残りました。すぐに追ってくるであろうホームランダーとストームフロントを足止めするためです。
しかし、ボーイズの予想よりヒーローは早かったのです。

 

出発したばかりの車のまえにストームフロントが着地し、電撃で車を何十メートルも吹っ飛ばしてしまったのです。
ブッチャーが車に駆け寄ると奇跡的に全員無事でした。けっこう人間が頑丈ですね……何回転もごろごろ転がっていたんですけど。
それはともかく、エムエムがブッチャーに「時間を稼ぐからベッカとライアンを連れて逃げろ」と言いました。ブッチャーは素直に従い、2人を連れて逃げました。


なし崩し的に戦いが始まりました。ストームフロントはガチギレ状態です。ナチ女はナチと呼ばれるのが大嫌いなようです。
国家社会主義ドイツ労働者党員は自分たちのことを“ナチス”とは呼びません。ナチスは連合国側がつけた蔑称です)


戦いが始まっても男たちは手は出せませんので、能力者のアニーとキミコがタッグで挑みます。
ストームフロントは手ごわく、2対1でも劣勢。さらにこの日のためにフレンチが用意した対ストームフロント特殊RPGを使おうとしたのですが、読まれていたのでしょうか?車ごと電撃を浴びてその場で爆発してしまいました。


はい、もう男たちは無力です。ただのボーイズです!
アニーが電撃で吹っ飛ばされ、キミコは首をへし折られちゃいました……。
ストームフロント様ーーー!!!最強すぎる!!!!

 

怒りに燃えるストームフロントが男たちも皆殺しにしようと足を踏み出したそのとき、
「そこのドイツ人!」
と、背後から声をかけた人物が。
クイーン・メイブです。か、かっこよすぎる……。急にジャンプ漫画みたいになりました。
メイブはナチ女を殴りつけました。もう能力とか関係ありません、ガチンコの殴り合いです。
そこにアニーと復活したキミコも加わると、殴り合いというよりフルボッコになりました。地面にうずくまって3人から殴る蹴るの暴行を受けたナチ女はこれはたまらんと飛行能力で逃げ去りました。

 

撃退したのはよかったんですが、逃げていたブッチャーたちが不運にもストームフロントに見つかってしまいました。
ストームフロントはヒーローたちにタコ殴りにされた腹いせにベッカに襲いかかりますが、しょぼいナイフで反撃されて目を突き刺されました。


え?


女の細腕で、しょぼいナイフ……。
超耐久力……眼球は対象外なの……?けっ!あんま強くねーなこのナチ女!(急に強気)


踏んだり蹴ったりでさらに発狂したストームフロントはベッカの首を絞めます。

じわじわ苦しめて殺すのが趣味です。ケンジのときもそうでした。

ライアンが泣いて頼んでもストームフロントはやめません。ブッチャーがバールで殴りまくってもびくともしません。
そのとき、ライアンの目が赤く輝き――静寂が訪れました。

 

目を覚ましたブッチャーは、両手両足を切断されてなんかブツブツ言ってるストームフロントを見つけました。それからひたすら謝り続けるライアンの姿も。
ライアンの視線の先には、首筋を切り裂かれて大量出血しているベッカがいました。出血量からすると完全に動脈がいかれてます。もう助からないでしょう。
ベッカはブッチャーに「あなたのせいじゃないとライアンに伝えて……ライアンを守って……」と言って絶命しました。

 

そこにヴォート社の特殊部隊を皆殺しにしてきた、血まみれのホームランダーが飛来したのです。
ダルマにされてぶつぶつとドイツ語をつぶやき続けるストームフロントを見て顔を歪めます。しかしすぐに切り替えたのか、ブッチャーにライアンを渡すように迫ります。
ブッチャーは断りました。
「愛する妻を殺したイカれたガキのために死ぬのか!?」
と、ホームランダーが珍しくまともなことを言いました。
でもブッチャーは折れません。ベッカとの最後の約束だからです。
もういいかげんうんざりしたホームランダーがブッチャーをぶち殺そうとしたとき、背後から声がしました。


またもメイブ!かっこいい……。かっこよすぎ……。


メイブは例の飛行機墜落動画を見せて、2人を見逃して、スターライトにつきまとうのもやめて、自分とエレナにもかかわるな、と言いました。そうでなければこの動画をマスコミに流す、と脅しました。
ホームランダーは人も物も全部破壊する、と逆に脅しをかけますが、メイブにそんな脅しはききません。
「そうなれば二度とだれからも愛されない」
と鼻で笑いとばしました。

付き合いの長いメイブには、民衆から嫌われることにホームランダーは耐えられないと知っていたのです。
ホームランダーの耳に市民たちが自分の名を連呼する声がこだまします。
ホームランダーは2人を見逃すのでした。

 

ヴォート社は国会議事堂襲撃事件をすべてストームフロントのせいにしました。
スターライトとメイブがストームフロントの犯罪を暴き、捕らえた、というストーリーに仕立て上げたのです。
予定されていた警察署と消防署へのコンパウンドV配布計画は即時無期限中止になりました。
能力者の数が増えないということは……?

 

というわけで、共同教会代表アダナに呼び出されたのはAトレインと我らがザ・ディープです。
アダナは、正式にセブンに戻れるとエドガーから通達があったと告げます。ストームフロントの分欠員が出たからですね。2人は大喜びです。しかしアダナは非情な一言を続けました。
戻れるのはAトレインだけ、と……どうして……。
今回の件で人種差別企業というレッテルを貼られたヴォート社としては、Aトレインを戻してそのレッテルを払拭したいようなのです。
大喜びで去っていくAトレインを悲しげな目で見送ったディープは、アダナに文句をつけまくり、退出していきました。そりゃそうだわな!

 

そのアダナにどういうわけかニューマン議員が電話しました。

ストームフロントを追い落とせたことへのお礼を言っています。どうやらAトレインの裏切り行為は最初から仕組まれていたようです。べつにAトレインがやらなくても、ボーイズに情報が渡る手はずになっていたことでしょう。


アダナが協力への見返りを口にしたとたんに、ぱぁん!アダナの頭が破裂しました。ほんとうに破裂が好きなドラマなんです。やったのはもちろんニューマン議員です。このシーズンを破裂ドラマにした張本人の能力者はニューマンだったのです!

 

とりあえず戦いはひと段落しました。
マロリーのはからいでボーイズの罪はすべて不起訴。エムエムは家族と再会を果たし、フレンチとキミコはアジトを出て新しい生活を始めます。アニーはセブンのスターライトに復帰し、ヒューイも新しいことを始めます。
それは反ヴォートを掲げるニューマン議員の事務所で働くことでした……。
そこはダメーぜったい!ヒューイにげてー!

 

 


・今シーズンの感想
破裂!以上!閉廷!

 

シーズン2で新登場したキャラたちがだいたいご退場あそばされたので、まあ、なんか、このシーズンなんだったの感を正直感じております。なにかあるたびに、ぱぁん!で済ますのもさすがにワンパターンすぎて飽きました!


えーとシーズン3にむけての謎は、ニューマンの思惑くらいですかね。

能力者なのになぜ反ヴォートの政治家なんてやっているのか、という点は気になるところです(テンション低め)。


メインストーリーはともかく、ディープが弄ばれるのを見るのは最高でした!
はたしてシーズン3でディープは報われるのでしょうか?それだけが気になります。