「ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たち」の感想
北欧のひとはスキーが大好き!
2016年ノルウェー映画。実話をもとにした歴史もの。
監督はニルス・ガウプ。
主演はヤーコブ・オフテブロ。
ほかにも「ゲーム・オブ・スローンズ」のトアマンド役で有名なクリストファー・ヒヴュ、「特捜部Q」のニコライ・リー・カースなどが出演。
・序盤のかんたんなあらすじ
1204年ノルウェー王国。
デンマークとの戦いが続くなか、国内は王党派と対立派の対立で乱れていた。
そんな最中、国王が暗殺される。
王は死の間際、隠し子がいることを告げ、その子を継承者にするように言い残す。
ギスレ伯爵が幼い王子を探すように命じる。
ただし、保護するためではなく、殺すために。
ギスレ伯爵こそが王位簒奪をもくろみ、王を暗殺した張本人だったのだ。
かつて王の側近戦士“ビルケバイネル”を務めていたシェルヴァルドは、王の隠し子を逃がすという任務を最後に引退して農民になり、妻と息子とつつましく暮らしていた。
そこへオルム率いる対立派の軍団が現れ、王子の所在を教えろと迫ってくる。
妻と息子を人質に取られたシェルヴァルドは居場所を吐いてしまう。
だが、オルムは容赦なく妻子を殺させた。
家族を失い、王子を守るという誓いを破って名誉を失ったシェルヴァルドにはほとんどなにも残っていない。
ただ1つ残ったのは復讐。
シェルヴァルドは対立派に先回しして王子のもとへ参じる。
親友でありビルケバイネル時代の戦友トリシュテンとともに、絶望的な戦いに挑むのだった。
――ネタバレ注意!――
スポーツ映画度☆☆☆☆☆
スキーすき!
中世ものでスキーをするシーンをはじめて見たのですが、どうやら紀元前からスキーはあったようです。
本作は基本的に対立派の追跡から逃げる場面が多いのですが、敵も味方もスキーで滑りまくります。
中世の戦士姿の男が華麗に滑る非常に珍しい映像となっており、一見の価値ありです。
だれがどっち派なのかわかんねえ度☆☆☆☆★
最初は王政派と教会派が対立しているのかと思いましたが、ちがいました。
対立派が王位簒奪をもくろんで起こした騒動だということはわかるんですが、対立派の対立軸サイドの名前がないので(字幕では)、味方の派閥がどこにいるんだかわからなくてちょっと混乱しました。
まあ、王を殺して幼い王子をも手にかけようとしている悪党が対立派だと思ったらすっきりしましたけど。
ノルウェーの歴史に詳しければ深く味わえるのかもしれませんね。
冬の北欧風景の美しさ☆☆☆☆☆
真っ白な山。
真っ白な雪原。
真っ白な雪をかぶった家。
基本真っ白な風景ばかりで飽きそうだな、と思ったのですが、意外にも飽きませんでした。
とくに雪原を白馬が駆けていく光景はほんとうにきれいでした。
でも、ぜったい住みたくないわ、あそこ……。
なに食うんだろう……?
スキーファンにおすすめの映画です!
北欧の歴史ものに興味をお持ちなら、この映画と同時代を描いた『ヴィンランドサガ』という漫画がおすすめです!傑作です!