下を見るんじゃねぇぞ……
2018年アメリカ映画。ジャンルは超高層タワーパニック。
監督はローソン・マーシャル・サーバー。
主演はドウェイン・ジョンソンこと「ザ・ロック」。
・序盤のかんたんなあらすじ
海兵隊出身のウィル・ソーヤーはFBIの人質救出班の指揮官を務めていたが、任務中に判断ミスを犯し、爆発に巻き込まれたことで左足を失った。
10年後、ウィルは自分を治療してくれた軍医のサラと結婚し、2人の子どもにも恵まれていた。
除隊してから小さな警備会社を経営していたが、FBI時代の同僚のベンからある大きな仕事を回してもらい、その面接に臨むことになっていた。
その大きな仕事とは香港に建設された地上1000メートルの超高層ビルパールのセキュリティシステムの監査である。
パールのビル自体の監査を終え、外部にあるセキュリティ施設の監査に向かっていたウィルは何者かに襲撃された。
じつはパールには悪党が侵入しており、意図的に火災を起こしていたのだ。消火システムが解除されたパールは炎上しつつあった。
ウィルの家族が、まだパールの高層階に残っている。
ウィルは家族を救うためにパールを目指すのだった……。
――ネタバレ注意!――
アメリカ映画ではないのでは?度☆☆☆☆☆
本作はアメリカ映画みたいに扱われていますが、ちがいます(!?)。
当時のレジェンダリーが買収され、中国企業だったことは有名ですが、その影響がばっちり出ています。
2.2km。
これパールから外部施設までの距離なんですけど、劇中のモニターに「km」と表示されていました。
アメリカ映画で「km」なんて表記みたことありません。
100%「mile」です。
いまだにヤードポンド法の度量衡を採用している時代遅れ国家、それがアメリカ合衆国の正体です。
おかげでカーアクションなんかでアクセル全開になったとき、スピードメーターに表示される数値が低くていまいちスピード感がわからないということがまれによくあります。
(※1マイルは約1.6キロなので、時速160キロ出しているときでもメーター表示は100になります。おっそ!)
なぜ「km」表記だったのか?
本作が中国映画だからです(ばばーん)!
※いろいろ書きましたが「km」表記なのは単純に舞台が香港だからでしょうね。
パールの設計者でてこいや!度☆☆☆☆☆
ペントハウスの予備コントロールパネルは地上1000メートルの外壁に設置するのが最適なんですね~。
ぜったいちがうわ!
いや、わかりますよ。
製作者としては、ウィルがパネルを操作するために決死の思いで外壁をつたっていく……そういう画を見せたかったんですよね。
おい、建物の都合じゃなくて映画の都合やんけ!
ただ、あれだけ炎上しつくしていたのに、セキュリティシステムを再起動したら消火システムが作動したのはすごいと思いました。よく電気系統とか消火システムが生きてましたね。
設計者がアホなのか天才なのかよくわかりません。
消火システムだけべつのひとが設計したんですかね?
まあ映画の都合です!!!
無理やり伏線にしたてあげてる度☆☆☆☆☆
伏線を回収すると、ふつうは視聴者に褒めてもらえるものだと思うんですけど、本作では絶好のジュース吹きポイントとなってます。
とくに終盤、PCやタブレットなど顔の近くで利用するデバイスで観賞する方はお気をつけください。
バカみたいな伏線回収が急にきて、思わず人間消火システムが作動してしまう可能性大です。
笑えることはいいことですけどね……。
冒頭でタワーのオーナーが「ここは世界一の観光スポットになる」とか言ってドヤ顔で屋上の施設を紹介してくれます。
バカみたいに金をかけて建てたタワーの屋上に設置された世界一の観光スポットとは!?
鏡の部屋です。
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ正確には鏡じゃなくて高性能8KLEDディスプレイらしいんですけど、用途は鏡と大差ありません。
なんでそんなしょぼいものを作ったんだ?と思ってたら終盤の悪党どもとの戦いで、鏡を利用したバトルを描写したかったからのようです。
おいおい!
ま~た建物の都合じゃなくて映画の都合やんけ!!!
まあ、もうストーリーのこととか考えるのはやめましょう。
いいところを探します。
高所のアクションは、東京タワーの展望台にある透明床に乗れないくらい臆病なわたしには、マジで怖かったです。
あと、こういうパニック映画に出てきがちなイラつく足手まといがいなかったのも高評価したいです。
だいたいクソガ……じゃなくて子どもが押し付けられる役回りですね。
「パパぁ、ぼく、できないよぉ……」(後ずさる)
「だいじょうぶ!おまえならやれる!」(とくに根拠なし)
「こわいよ、ぼく……パパたすけて……」(だから助けようとしてるだろ!)
「かならずパパが受け止める!さぁ跳ぶんだ!」(最初に戻ってリピート)
みたいな悪質な遅延行為ですね。どうせ跳ぶんだからとっとと跳べよ!
あと、悪党が探しにきてるから隠れたのに悲鳴あげるやつとか。
なんもおもしろくないし、見ててイライラするだけだから本気でやめてほしいとずっと思ってました。
そういうのをやめてくれただけでも、ありがたいですね。
なかなかやめられないみたいですよ?しょっちゅう見ますから、そういうク〇展開。
奥さんは長年海軍で軍医を務めていただけあってそこそこ戦えますし、子どもたちも自分で適切な判断ができる聡明さの持ち主です。
ハラハラドキドキおもしろかったです。ほんとですよ!