『ものがたりいちば』

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映画『トゥモロー・ウォー』ネタバレあり、あらすじと感想

2021年アメリカ映画(Amazonオリジナル)
監督:クリス・マッケイ
主演:クリス・プラット

目次です。

 

【序盤のあらすじ】

2022年クリスマス。
世界中の人々がサッカーのカタールワールドカップに熱狂するなか、試合会場に突如として謎の軍隊がワープしてきます。


その軍隊はなんと30年後の未来からワープしてきたのです。
きた理由は「30年後にホワイトスパイクという謎のエイリアンに襲撃され、人類が絶滅寸前だ」というメッセージを伝えるためでした。


この驚愕の事実に世界中の国が徴兵制を採用し、ワープの適性がある人物を未来に兵士として送る決断をくだします。
アメリカでも毎日数千人が兵士として徴兵されますが、無事に生還する人はほとんどいません。


高校教師のダンにも徴兵検査の通知がきたので、軍の事務所に出向きます。
ところが、徴兵検査は「ワープの適性がある人物を調べる」のではなく、「30年以内に死亡する人物」を選別しているのでした。


同時代に同じ人間が2人存在すると、タイムパラドックスが起こってしまうかもしれないからです。
同じ理由で、未来から送られた戦士は「現代ではまだ生まれていない若者」なのです。
ダンは1度は徴兵を拒否して逃げようとしますが、思い直して従軍を決意しました。


兵士になったひとたちはろくに訓練すら受けず、銃の撃ち方を知らないひとも混じっています。
こうして未来にワープされた部隊ですが、ワープをミスって大半の兵士が墜落死してしまいました。
入念に訓練してもどうせほとんど墜落死するからてきとーだったようです(笑)


科学知識のある者を集めた特殊部隊に配属されたダンは、イラク戦争で特殊部隊を率いた経験を買われて司令官から部隊長に任命されました。
3度のワープを生き残った強者のドリアンとおしゃべりな科学者チャーリーを中心にダンは「未来の研究者たちを救うミッション」に挑みますが、すでに研究者たちは殺されていました。


そこで貴重な研究用アンプルを持ち帰るミッションに切り替わりましたが、ホワイトスパイクの大群の襲撃を受け、部隊員はほとんど全滅、作戦は失敗に終わるのでした。

 

【娘との再会】

なんとか生き残り、前線基地に搬送されたダンは司令官から呼び出しをくらいます。
司令官はなんと、成長した娘のミューリでした。
ミューリが科学者としても軍人としても立派な実績を残していることに喜ぶダンでしたが、ミューリはよそよそしい塩対応を見せます。


つぎの作戦は「ホワイトスパイクのメスを捕獲すること」です。
旺盛な繁殖力を誇るホワイトスパイクの生態が「蟻のように少数の女王メスと多数の兵隊オス」で構成されているため、メスを殺さなければ戦いが終わらないので、メスを捕獲して研究することで毒を作りたいのです。


捕獲作戦では多くの犠牲を出しながらもなんとか成功し、ダンとミューリも生き残りました。
作戦を終えたミューリはダンによそよそしかった理由を吐露します。


じつはダンは7年後に死亡していたのですが、その前に離婚して家族を捨てていたのです。
自分を捨てた父親と同じことをした、と聞かされてダンはショックを受けました。


捕獲したメスをラボに持ちこみ、毒耐性を無効化する毒を作り始めます。
ミューリはほんの数日で見事に毒を完成させますが、そのときメスを取り戻しにきたオスの大群に基地が襲われてしまいました。
ミューリは過去に帰還する予定のダンに「この荒廃した未来ではもはや毒を量産できないので、過去に持ち帰って量産して、未来を変えてほしい」と頼みます。


つまり、未来人が過去に干渉した理由は「この世界線の未来を救う手助けをしてもらうため」ではなく最初から「過去を変えてべつの世界線を作りだすためだった」のです。


ダンはミューリに「毒を量産して必ず救いに戻ってくる」と約束するのですが、ダンが過去にワープするのと同時にワープポイントが消滅して未来とのつながりは断たれてしまうのでした。

 

【娘を救うついでに世界を救う】

毒をもって帰還したダンでしたが、「人類の滅亡が確定した」と思った民衆がやけくそになったため、世界各国の団結が失われてしまいました。
未来で娘を救えなかったことを悔やむダンは未来を変える決意をします。
戦友のチャーリーやドリアンと連絡を取り、未来にホワイトスパイクが出現する場所を探ることにしました。


ドリアンの持っていたスパイクのトゲを分析してみると、なぜか中国と朝鮮半島特産の火山灰が検出されます。
「やつらが出現する場所はロシアのはずなのになぜ?」と困惑したダンは、教え子の地質学マニアに助けを求めました。


教え子から「だいたい1000年前の火山噴火なら説明がつく」と言われて、「ホワイトスパイクはこれから来るのではなく、もうすでにいる」と判明します。
さっそくそのことを政府の要人に告げますが、他国との戦争の準備で忙しいらしく、相手にされません。


ダンは自分でホワイトスパイクを倒すことに決めて、疎遠だった父親に飛行機を貸してくれるように頼み、さらにパイロットとして作戦にも参加してくれるように頼みます。
未来から来た戦士たちも作戦に加わり、ロシアの永久凍土に乗りこみました。

 

【害虫駆除】

凍てついた大地を調査すると、あっさり宇宙船が見つかりました。
さっそく乗りこんで眠っているスパイクたちに毒を打ち込んでみると、効果があり、スパイクが死にました。
しかしそのときの断末魔で他のスパイクたちが目覚め始めてしまいます。


宇宙船から逃がしてしまっては、同じ絶望の未来が訪れてしまうので、一行は必死で食い止めようとします。
ドリアンが宇宙船ごと自爆するという自己犠牲をみせますが、1匹外に逃げだしてしまいました。
しかもそいつはメスです。


ダンは父親とともにメスを追跡し、激しい戦いの果てにメスの足に毒を打ち込むことに成功しました。
これで世界が救われた……と思ったらメスは自ら足を食いちぎり、毒が回ることを防ぎます。


万策尽きたダンは自分を襲わせてメスを崖から落とそうとしますが、その自己犠牲を父親が阻止しました。
父親は自らの手のひらから出血させ、メスに襲わせようとしたのです。
しかし、その自己犠牲をダンが阻止します。
直接メスの口のなかに毒をぶちこんで、こんどこそ倒しました。


こうして世界を救った英雄になったダンたちでしたが、手柄は政府に横取りされてしまいます。
家に帰還したダンは父親をミューリに引き合わせ、過去のわだかまりも解消するのでした……。

 

【まとめと感想】

塩梅(あんばい)がいい度☆☆☆☆☆
SF要素、家族愛要素、戦友要素、アクション要素などのバランスがよくておもしろかったです。

 

 

未来の戦士たちに敬意を払いたい度☆☆☆☆☆
自己犠牲が多めな作品ですが、とくに未来からきた若者たちの自己犠牲には称賛を送りたいと思います。
なぜならワープポイントが壊れてもう未来に戻れなくなった彼らは「数年以内に死ななければならない」からです。


数年経てば「自分が産まれて同時代に2人存在することになってしまう」ため、タイムパラドックスを起こさないためには死ななければならないのです。
敬礼!

 

 

車とか兵器のデザインが現代とあんまり変わってないのが不思議度☆☆☆☆☆
なんででしょうか?
ついに人類の技術発展が頭打ちになってしまったのでしょうか?(笑)

 

SF要素は軽微で大味ですけど、エンタメとしておもしろかったです!
以上です。