『ものがたりいちば』

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ドキュメンタリー映画「The Taste of Nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方」ネタバレあらすじ感想考察

2021年日本作品
監督:Yumi Hasegawa
すみません漢字がわかりませんでした。


『yumi hasegawa ドキュメンタリー』でググっても該当する人物が出てこずに、なぜかAVが検索上位にヒットしてしまいまったので特定を断念しました。
それにしてもAVってドキュメンタリーだったんですねー(笑)


出演:安達建之

 

ドキュメンタリー作品のあらすじはほぼ無意味だと思うので、気になった要素をピックアップして感想していきたいと思います。

 目次です。好きなところから読めます。

 

概要


有名なチョコレートの品評会で世界一に輝いたチョコレート店『green bean to bar CHOCOLATE』の社長、安達建之が世界一の称号にあぐらをかくことなく、『まだ見ぬ新しい味』のチョコレートを作るために至高のカカオ豆を求めて旅をするお話です。

 

 

bean to bar運動とは?


21世紀初頭から急速に広まった第3のチョコレート革命とのことです。
要約すると「できあいのチョコレートを仕入れてきて加工して売るんじゃなくて、カカオ豆からチョコレートを作りましょう」というものだそうです。


他の料理に例えると「魚の切り身を買ってきて調理するんじゃなくて、ちゃんと一匹まるまる仕入れてさばいて調理する」みたいなものですかね?
なんかちがうっぽい(笑)


もしくは「炊いた白米を買ってきて調理するんじゃなくて、ちゃんと生米を自分で炊きましょうね」ですかね?
ぜんぜんちがうっぽいので他の料理でたとえるのはやめます(笑)

 

 

チョコレート革命の歴史


・第1の革命
19世紀。
産業革命による工業化の影響で、チョコレートも大量生産が可能になりました。
高まる消費者の需要に応えるために生産量をあげていったのですが、その過程で問題となったのは品質のバラつきです。


当時の大量生産技術ではチョコレートの原料であるカカオ豆の品質を厳選できなかったため、場合によっては悪質なカカオ豆ばかりが集まったおいしくない製品ができてしまっていたのでしょう。


この問題を解決し、味の均一化をはかるために採用された手段が『添加物で味を調える』ことでした。
そのおかげで消費者は安価で安定しておいしいチョコレートを口にすることができるようになりましたが、カカオ豆がもつ風味やうまみがおざなりになってしまったのです。

 

 

・第2の革命
20世紀にはいると、高級な食材を使ったチョコレートいわゆる『ブランドチョコレート』を製造販売する店が誕生しました。
ゴディバですね。(それしか知りません)


たしかにブランドチョコはおいしかったのですが、やはりできあえのチョコレートを仕入れてきて加工するという手法は変わらなかったのです。

 

 

・第3の革命
そうして訪れたのがbean to bar革命というわけです。

 

 

安達建之、旅をする


至高のカカオ豆を求めて
世界一に輝いてもこの人物は満足しません。


現在取引している農園から仕入れるカカオ豆でもじゅうぶんにおいしいチョコレートを作れるのですが『まだ見ぬ新しいチョコレート』を作るために野生のカカオ豆を求めて南米ボリビアのジャングルに足を踏み入れます。

 

 

いきなり趣旨がずれる


この旅はより品質のよいカカオ豆を探すためのものだったはずですが、安達は現地の貧困問題に直面することになります。
NGO団体などが貧困農民に救済措置としてカカオの樹木を支援しても、途上国の貧困層は人間開発度が低く、品質を向上する知識も商品を公正な値段で取引するノウハウもないのです。


実際、安達が話を聞いた農民はだれかになにかをしてほしいとぼやくばかりで、自分たちで状況をよくしようという意欲がありません。
もちろんチョコレート作りは慈善事業ではありませんので、品質の悪いカカオ豆を買ってあげるわけにはいきません。


一事業者に過ぎない安達にできることは、あくまでよい品質のカカオ豆を生産しているのに安く買いたたかれている農家に公正な取引をもちかけることだけです。
いわゆるフェアトレードの概念ですね。


フェアトレードとは、近年先進国のリベラル層に広まっている運動です。
途上国に工場をつくって、現地の労働者を不当な低賃金で雇って、商品の値段を下げるという手法をやめようという趣旨です。
ファストファッションなどのアパレルメーカーがやり玉にあがることが多いです。

 

 

安達、道半ばで映画が終わる


安達は貧困農家になんとかしてカカオ豆で経済的に裕福になってほしいと試行錯誤するのですが、そもそも意欲のない人物に期待するのは無理なので、困惑します。
やる気と情熱にあふれた人物にはただ流されるだけの生き方は不可解でしょうねー。


アブラハムというカカオ豆栽培の意欲にあふれた農民を見つけるのですが、ほんとにやる気あるんですかね~?
口ではやるやる言ってるのにぜんぜんやらないやつは5億といますから。


実際、出会いから1年後、アブラハムの農園に行くと状況は悪化していました。
農園とは名ばかり、雑草が生い茂り、カカオの樹木の日当たりは悪く、なんもやってないのは明らかです。


生活のために他の作物を栽培するのに忙しくて、カカオ豆には手が回らないそうです。
口では「カカオ豆栽培がんばるよ!」などとアブラハムは聞こえのよい言葉を連発しますが、まあ嘘でしょう。


少なくともよいカカオ豆を作りたいという情熱がないことは明らかですが、安達はいい人なのでスパっと切って捨てることができません。
まあカメラ回ってるし(笑)
そこで映画は終わります――終わるんかーいwwwwwww

 

 

まとめ感想

 

安達迷走度☆☆☆☆☆


結局、新しいチョコレート作りに役立つカカオ豆をひとつも発見できませんでした(笑)
旅で出会ったのはクズみたいな豆ばかりでしたし、出会った貧困農民たちが今後優良なカカオ豆を生産できるようになる未来もぜんぜん見えませんでした。


至高のカカオ豆を求める執念の塊なのかと思ったら、そうでもない感じでした。
なんのための旅だったのかがようわかりませんでした。
まあ、ドキュメンタリーっぽいリアルさですけど。

 

 

ドキュメンタリーとしての趣旨わからない度☆☆☆☆☆


甘いチョコレート業界の裏側に潜む途上国農民の搾取構造を暴くわけでもありませんし、至高のカカオ豆を求める妥協なき職人の姿を描くわけでもありませんし、ほんとにちょっと旅行しただけに見えました。

 

 

ハイパーメディアクリエイター度☆☆☆☆☆


プロデューサーに高城剛の名前がクレジットされていました。
ただそれだけです(笑)
もう書くことなかったんです、おねがいゆるして……。

 

 

ドキュメンタリーとしては冒頭のチョコレートの歴史が興味深かったです。
第1の革命『大量生産』、第2の革命『ブランド品の誕生』、第3の革命『原料にこだわりぬく』と、ここまでの革命はすべて味についてのものでした。


こだわりぬいた原料を最高の技術で調理するというところまで行ったら、味の革命については打ち止めでしょう。
わたしの予想では第4の革命は『客の健康にまで配慮する』でしょう、たぶん!
砂糖を使わないチョコレート、お待ちしています!