『ものがたりいちば』

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「特捜部Q キジ殺し」の感想

 人気刑事もののシリーズ第二弾。

 

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2014年デンマーク・ドイツ・スウェーデン合作映画。ジャンルは刑事サスペンス。


監督はミケル・ノルガード。
主演はニコライ・リー・カース。
人気刑事コンビシリーズの第二弾の映画化作品。(わたしは一作目を未見です)


ネタバレは絶対ダメ!憲法違反です!
微グロ描写があります。ご注意を。

 

 

・序盤のかんたんなあらすじ
舞台はデンマークコペンハーゲン
コペンハーゲン警察に新設された未解決事件専門の捜査班「特捜部Q」。


不愛想な仕事人間カールは優秀な刑事だが同僚たちから「酔っ払い」と陰口を叩かれている。

若い移民のアサドは「アラブ人」。

他部署からは変人たちと揶揄される、性格のちがう先輩後輩バディが今回担当する未解決事件とは?

 

コペンハーゲン警察はある夜署内で特捜部Qの新任秘書ローセの歓迎パーティを開いていた。
仕事以外に興味がなく早々に抜け出したカールの前に元刑事の男が現れ、20年前に起きた双子の強姦殺人事件の再捜査をするように求めてくる。


数多くの未解決事件を抱えるカールは「時間ができたら考える。今は無理だ」と冷たくあしらう。


翌日、とあるアパートで手首を切って自殺した死体が発見された。


それは、前夜カールに再捜査を依頼した元刑事の男だった。
そして、その男は、20年前に殺された双子の父親でもあったのだ。
命を懸けた依頼に責任を感じたカールは双子殺人事件の再捜査に着手することに決めた。


実はその事件はすでに解決済みであり、犯人が逮捕され、裁判で有罪となっていた。
犯人の男は3年間服役し、出所してからずいぶん経っていた。


「レイプして2人を殺した犯人がたったの3年?」


疑問をもったカールは、担当した弁護士が金持ち相手専門に仕事をする有名弁護士であることを知ってさらに疑問を深める。


犯人は当時かなり貧乏だったため、到底有名弁護士を雇えるわけがない。実際、その弁護士が金持ち以外を弁護したのは過去にその一件のみだった。


出所済みの元犯人に会いに行くと、豪邸に住み、高級車を所有していた。
本人は出所後に株で儲けた、と主張したが「元手はどこから?」という疑問が新たに生まれる。


捜査を続けるうちに裕福な子女たちが通う寄宿舎学校の卒業生たちが浮き彫りになってくる。犯行現場のすぐそばにある学校だ。

元犯人とかつて接点があった者たちが、いまは経済界の大物として活躍している。
金を出した真犯人が別にいる。
そう確信したカールは1994年度卒業生たちに探りを入れていく。


すると、奇妙なことに容疑者たちが捜査内容を知って先回りし始めたのだ。
警察内部に情報漏出者がいて、真犯人に情報を流している。これは単独犯ではなく複数犯による犯行に違いない。


捜査の過程で、真相を知っていると思われるキルステンという女性が浮上してくる。
容疑者たちと同窓生で、20年前から行方不明。
事件解決の鍵を握るキルステンを、カールたちは捜索しはじめるのであった……。

 

 

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

歪んでいても愛は愛☆☆☆☆☆
恐るべき執念、けして消えない復讐心、そして永遠の愛。
抽象的ですみません。
詳しいことはネタバレになっちゃいますので書きませんけど、ただただ悲しい結末でした……。
後味はビタースイートとしか表現できません。


管理人は4作目の「特捜部Q カルテ番号64」で始めてこのシリーズを観たのですが、あちらもやはり物悲しい結末。
このシリーズはそういう雰囲気なのでしょうね。

 

 

バディもの度☆☆★★★
本作ではあまりカールとアサドの掛け合いとかはクローズアップされていません。
「特捜部Q カルテ番号64」ほどのバディ感はなかったように思います。

同僚として長く働くうちに関係性が強くなっていくんですかね?
そういう意味では、3作目を観るのが楽しみです!

 

 

一途な女性度☆☆☆☆☆
2作目の本作も4作目も、基調が似ています。
それは「若くて早熟な美しい少女は、不幸になりがち」というトーンです。
彼女たちは青春時代の愛を忘れません。


原作者はデンマーク人作家のユッシ・エーズラ・オールスンですが、このトーンが原作によるものなのか、脚本によるものなのかは興味が出てきました。
日本語訳の小説も出版されているみたいなので、機会があったら読んでみたいと思います。

 

個人的には、過去の事件と現在がリンクするという構成が好きなので、おすすめです!