2019年フランス映画
監督:フィリップ・ラショー
主演:フィリップ・ラショー
その他いろいろ:フィリップ・ラショー(笑)
序盤のかんたんなあらすじ
最高のボディガード、最高のスイーパー『シティーハンター』として活動する冴羽獠と槇村香は、ある依頼を受ける。
その匂いを嗅いだ者を完全に魅了してしまう香水を守る仕事だ。
効力を確かめるために獠が依頼人の男性で試したところ、見事にその男性に魅了されてしまう。
そのとき何者かによって香水の入ったバッグが奪われてしまう。
香水の解毒薬は奪われたバッグの中に入っていて、48時間以内に解毒薬を使わないと効力が永遠になってしまう。
生来の女好きである獠は女好きの自分を取り戻すことができるのだろうか!?
原作愛度☆☆☆☆☆
これこそシティーハンター!
オマージュをたくさん散りばめたり、ビジュアルを漫画に寄せたりしたからといって、原作の再現度があがるわけではありません。
物語としての核が再現されていないと台無しになってしまいます。
オマージュや小ネタはそのうえでのファンサービスに過ぎないと思います。
ジャッキー・チェンの香港版は本当にひどかった(笑)
この作品にはとても多くの原作ネタがありましたが、それも作品をシティーハンターとして成立させるために使われていたので、すばらしかったです!
衣装や雰囲気だけでなく、獠たちの住むアパートの外観もかなり原作に寄せていました。
惚れ薬を使われたのに香への態度が変わらなかったのは元から愛していたからというエピソードは原作にもありましたし、他にも原作ネタが満載!
わたしはビッグなファンではないのでちょっとしかわかりませんでしたけど、原作のファンが観ればもっといろいろあるんでしょうね。
吹き替え丁寧度☆☆☆☆☆
エンディングでGETWILDが流れたときは震えるほど感動しました。
日本版だけの演出らしいんですけど、大成功でしょう。
吹き替え版は名前も原作と同じに戻していますし、フランス語のジョークを日本語に訳すのはたいへんだったと思います。
翻訳者に丸投げじゃなくて監督の意図がちゃんと入っていそうなのもよかったです。
史上最高の少年漫画原作実写映画度☆☆☆☆☆
この映画が抜群にいいということもありますけど、主な要因は他がひどすぎるからです(笑)
『鋼の錬金術師』とか『進撃の巨人』とか本当にひどかったですからね~。
いい映画を作ろうとした形跡がなく「とりあえずビジュアルを漫画に寄せとけば文句言われねーだろ」みたいなやっつけ精神しか感じませんでした。
「ビジュアルも原作に寄せて、ストーリーも忠実になぞりました」という原作ファンに忖度したものでも映画としてよくなきゃ話になりませんからね。
実写でアニメチックなカツラとコスプレとかまず最初に誰かが止めなきゃいけないところじゃないですかね。
ジョジョの実写はそれほどひどい内容じゃなかったんですが、ビジュアルの再現度が高すぎて原作ファン以外に避けられて大コケに貢献してしまいました(笑)
なぜこの映画が日本映画じゃなくてフランス映画なのでしょうか!
本来これを邦画界がやれないとまずいと思うんですけど、きっとこれからもカツラとコスプレのひどいやっつけ実写化は続くでしょう(笑)
フィリップ・ラショーのシティーハンター愛が感じられるいい映画でした!