『ものがたりいちば』

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映画「イエスタデイ」の感想

 

イギリス人のみなさん、もっと自国の英雄を誇っていいんだよ?

 

 

2019年イギリス映画
監督はダニー・ボイル(「28日後……」シリーズ、「スラムドッグ$ミリオネア」など)。
出演はヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ


あと、わたしはよく知らないのですが、エド・シーランというミュージシャンが本人役で出演しています。
グラミー賞をいっぱい取ったスーパースターのようです(無関心)。

 

 

概要


この映画の内容をかんたんに要約すると、
ビートルズが歴史から消えてしまったら、現在の世界はどうなってしまうのか?』
という歴史改変シミュレーションものです。


売れないミュージシャンである主人公のジャックだけがビートルズと彼らの楽曲を覚えているという状態になります。
果たして、ジャックはその記憶をどう使っていくのか?というところが見どころです。

 

 

 

序盤のかんたんなあらすじ


舞台は現代イギリスの田舎町。
主人公はジャックという名の黒人。
たぶんアラサーの冴えないアマチュアミュージシャン


スーパーマーケットでバイトしながらスターを夢見て音楽活動していますが、コンサートをしても客は集まらず、ガラガラです。


ロックフェスに参加してもジャックの出番は休憩所として利用される始末。
そんな彼にもファンが一人ついています。
ファン、というかマネージャーです……。


マネージャーはエリーという幼なじみの女性で、ジャックの音楽を支持する地球上で唯一(!)の存在です。


エリーはかわいいです。
派手さはないけど、前向きで、ユーモアにあふれ、TPOに合わせたファッションセンスの持ち主で、ギャップにどきっとさせられます。


彼女はふだんは学校で教師をしていて、放課後や休みのときだけマネジメントしてくれています。
ごめん、マネジメントはかっこつけた。


オファーがぜんぜんないので大半の仕事は車を運転できないジャックの送迎です。
ほぼお母さんみたいな業務です(笑)
それでもロックフェスの参加枠取ってきたりします。


ですが、そのロックフェスで手ごたえを感じなかったジャックは、ちょうどバイト先のスーパーから正社員の誘いがきていたということもあって、その日のうちにギターを置くことを決意します。


エリーの反対にも決心は揺らがず、愛車の自転車に乗って帰路につきます。
自分免許もってないんで……チャリで帰ったw


そのとき、突然全世界で停電現象が発生してその間に世界が変わってしまいます。
世界改変の原因は最後までみてもわかりません(笑)


街が真っ暗になったせいで、愛車をキコキコこいでいたジャックはトラックに轢かれてしまいます。


フラグ的には完全に異世界転生するやつですが、なぜかジャックは現代イギリスの病院で目覚めます。


とくに命に別状はなく、数週間後に退院すると、エリーや友人たちが快気祝いのパーティをやってくれます。


事故でぶっ壊れてしまったギターのかわりに、新しいギターをプレゼントされます。


もう音楽はやめたつもりなので、ジャックは渋い顔ですが、友人たちは勝手に盛り上がって「なんか弾き語りしろ!」とミュージックハラスメントしてきます。


そこで、演奏する曲が「イエスタデイ」です。
友人たちは「いつの間にこんなすごい曲を書いたんだ?」とか絶賛します。


ジャックとしては「なに言ってんだこいつら?」と思いますが、そのあと、色んなひとにビートルズのことを聞いてみたり、ググってみたりと確認した結果、ビートルズが歴史から消えている、という驚愕の結論に至ります。


世界でただ1人、ビートルズの曲を記憶しているジャックははたしてどうするのでしょうか!?

 

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

名曲いっぱい聴ける度☆☆☆☆☆


「俺らの英雄ビートルズの曲、マジですごくね?」
たぶんこれやりたかっただけです(笑)


豆知識なんですが、ビートルズは結成当初じつは5人組だったらしいです。
ただしその筋ではあまりにも有名すぎるので大豆知識です。
ドヤ顔で披露すると苦笑されます(経験談)w

 

 

 

ビートルズファンが怒りそう度☆☆☆☆☆


ビートルズが歴史から消えてるのにほとんど現代に影響がありません。
「イエスタデイ」その他もろもろの曲が消えてるだけなので、せいぜい音楽シーンがちょっと寂しいな、程度です。


ビートルズが世界を変えた、と信じているほど熱狂的なファンからするとむしろディスってるくらいに感じることでしょう。


ビートルズは楽曲のみならず、髪型やファッション、思想の影響力もすさまじく、世界中の若者のカリスマでした。


約10年という短い活動期間で、数々の名曲を生みして、史上初のワールドツアー敢行しました(日本にもきてます)。


コンセプトアルバムの作成など、現代のポップス界では当たり前になっていることを発明しました。


あまりにも世界に影響を与えすぎたせいか、ジョン・レノンは思い上がって「俺たちはキリストより有名」などと暴言めいた発言をしちゃったりもしました。


それほどの影響力を考えれば上記の曲が消えているとか、オアシスが消えているとかそんな程度ではすまないはずなんです。
最低でもポップス界はがらっと変わっているべきでしょう。

 

 

 

世界改変のルールわからない度☆☆☆☆☆


ぜんぜんわかりません!
ビートルズと彼らが生み出した曲が世界から消えているだけ、なんですよね。


一応、ビートルズに強い影響を受けたとされているオアシスというバンドも消えてますが、エド・シーランやジャスティンビーバー、コールドプレイとかはふつうにいます。
なんで?

 

エド・シーランはビートルズの曲を聴かずにミュージシャンになったのかな?(笑)


他のかたの感想をリサーチしてみると「ビートルズの偉大さを理解できてない!」と怒っている人がやっぱりいました(笑)


わたしの場合、単純に世界の変化量が少なすぎてやや退屈に思いました。


たとえばバックトゥザフューチャー2の場合、悪役のビフがスポーツ年鑑という数十年間のスポーツの結果を記した書物を未来から現代に持ちかえっただけで、未来が絶望的に改変されてしまいます。


競馬で荒稼ぎした金で街の支配者になってしまうんですね。


この作品の場合、世界中のひとの記憶からビートルズが消えているだけで、そのほかのことはほぼ変化はありません。


ビートルズはそれほど世界に影響を与えなかった」という結論を母国イギリス人が主張したいのかな、と思ってしまいました(笑)
もっと変化つけて、どうぞ!


なんならビートルズが消失したせいで人々の心が荒んでしまい、第三次世界大戦が発生して世界は荒廃、東西冷戦もいまだに続いていて、人類滅亡へのカウントダウンが止まらない、ぐらいやっちゃってもよかったのに。


「俺らのヒーローはそれくらいすごかったの!!!」
という強い主張を見たかったです!


そして「それは言いすぎだろw」というツッコミを入れたかったです!


あと……コカ・コーラとかハリー・ポッターとかも地味になくなっていましたが、意味がわかりません。
さすがにコーラはビートルズの影響を受けていないだろw

 

エリーがかわいかったです!