『ものがたりいちば』

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アニメ「さよなら私のクラマー」シーズン1 3話「地獄の門」ネタバレあり、あらすじ感想

修行に本気になるためにしかるべきフルボッコというものがある回の感想です。

 目次です。好きなところから読めます。

 

【自分が主人公だと思いだす希】


前回、前年度全国女子高校サッカー日本1のチーム、久乃木学園高校との練習試合に臨んだ蕨青南高校女子サッカー部(通称ワラビーズ)は圧倒的実力差を見せつけられる形で0-7の大差をつけられ、折り返しのハーフタイムを迎えました。


ある程度予想された結果とはいえ、さすがにワラビーズの面々は落胆を隠せません。
しかし、これまでいまいち目立たなかった主人公の恩田希だけは「こんな強えやつとやるのオラはじめてだ。わくわくすっぞ~!」とどっかのサイヤ人のように目を輝かせています(笑)


希は、年代別代表経験者であり、中学時代全国3位の実績もあるワラビーズの要、曽志崎緑に対して希は自分にボールを回すように要求します。
緑はふだんの練習でやる気を見せていなかった希にそんなことを言われて訝しがりますが、他に手もないのでとりあえずパスを出してみました。


すると希は華麗な足元のテクニックで相手選手をかわし、前線へ決定的なパスを供給します。
ま~たFWの白鳥綾が外しやがりますが、久乃木ゴールを脅かしました。
綾は走りこむセンスはあるようですが、シュート精度に難がありそうです。


希のプレイに敵味方両方が驚かされました。
久乃木の監督も、ワラビーズコーチの能見奈緒子も先ほどまで目立たなかった希に釘付けになります。
とくに久乃木の監督は「さっきまで空気だったのに、今は目を離せない!」と妙にうれしそうです。
スカウトする気かな?


希は卓越した足元の技術、強いフィジカル(今まで男子とやってきたから)、体を張ることをいとわないハードワーク、大差がついてもあきらめずにゴールを狙う姿勢や、味方選手への叱咤激励と、チームリーダーに求められるものを見せます。
希が目立つことで久乃木のマークがぶれて、ガチガチにマークされていた緑も動きやすくなり、パスコースが取りやすくなり、スペースも空きます。


緑、希、そして2年生の田勢恵梨子を中心にパスラインをつないで攻勢に出るワラビーズでしたが、結果的に3点を追加したのは久乃木のほうです。
これで10ー0となり、久乃木の選手に監督から課せられた「10点以上の得点」というノルマを達成しました。
残ったノルマは「クリーンシート(0点に抑えること)」です。

 

【バテたことを策略と言い張るすみれ】


いい感じで攻勢に出たワラビーズが点を取れない理由はスピードスター周防すみれがゴール前に走りこまないからです。
周囲からは「もうバテた?」と思われていますが、闘将モードになった希が納得せずに「サボってんじゃねーよ」と文句をつけると、すみれは「本番で勝つために今日は手の内を隠してやられるままにしたほうがいい」とサボりが策であることを口にしました。


汗の量を見るとバテただけの負け惜しみに聞こえなくもありませんが、希は「本番まで舐められっぱなしなんてがまんできっかよ、今度サボったら固形物食えなくしてやっからな(意訳)」と叱咤します。
希の叱咤では考えを変えなかったすみれですが、ここで状況が変わります。


点差を21点に広げたことで安心したのか、久乃木のディフェンダーが「おめーらみたいなヌルいチームと違うからよぉウチはよぉ!」とすみれを煽ったのです。
しばらくサボって体力が回復したこれですみれの負けず嫌いに火がつきます。
本気のスピードで敵のDFをぶち抜き、さらに華麗なフェイントも披露し、ゴール前に絶妙のクロス(横パス)を出しました。
隠そうとした実力をすべて見せてしまいました(笑)


いつものように走りこむポジショニングだけは素晴らしい綾がやっぱりシュートに失敗しますが、こぼれ球を受けたのは希です。
この展開は久乃木の守備陣も織り込み済みで、3人で希を囲んでボールを奪おうとします。


しかし、希はまるで足の裏がボールに張り付いているかのような抜群のボールコントロールを見せて3人相手にもボールを奪われません。
1年生にして久乃木のエースナンバー10番を背負う天才井藤春名は間近でこの動きを見て「すごい、フットサル出身の選手かな?」と感心します。
交わされてるのに悠長な感想です(笑)


3人を手玉に取った希はそのままシュート、見事にゴール!
なんとか一矢報いることに成功しました。
1-21なのでボロ負けには違いありませんが、久乃木のもう1つのノルマ「クリーンシート」を阻止することができました。
あ~久乃木の有望な1、2年生が公式戦に出れなくなっちゃう……。


監督は有言実行で知られているそうなので、どういう言い訳をして「点を取られたら公式戦に使わない」というノルマを撤回するのか楽しみです(笑)


それにしても1点を取り返したとはいえ、手の内を全部見せちゃったのは再戦のときにきつそうです。
この1点は希、緑、すみれ、恵理子などの個人がもともと持っていた実力を発揮して奪ったものなので、再選までに元日本代表キャプテンの奈緒子コーチがワラビーズをどうやってチームとして強化していくかに期待がかかるところです。


劣勢のときにこそ輝く主人公らしい展開でした。
以上です。