「サムライせんせい」の感想
憂国の志士、ラストサムライが現代日本にワープしたらどうなっちゃうの!?
Amazonビデオなどの配信サービスでごらんください。
今回紹介するのは「サムライせんせい」です。
2018年公開の日本映画。テレビドラマの映画化企画となっております。
(ドラマ版は未見です)
主演は「ROOKIES」の市原隼人。
監督脚本は渡辺一志。
「幕末に活躍した武市瑞山と坂本龍馬が現代の日本にタイムスリップしたらどうなるの!?」
という内容でジャンルはタイムスリップ、時間旅行ものです……のはずです。
ちなみに管理人はべつにタイムスリップものらしさは感じませんでした!
↓こんなひとにおすすめです。
・長い映画はかったるいからとっとと終わる短い映画が好き!(95分で終わります)
・ボケ展開にツッコミをいれるのが好きなひと。あ、自分もそうです。
・市原隼人さんが好きだから目の保養がしたい!
・小難しいのはイヤだけど歴史の匂いをふんわり感じたい!
・高知弁?土佐弁?をいっぱい聞きたい方言好きのひと。
・田舎を捨てて上京したけど、懐かしい故郷の風景を観たいひと。
↓こんなひとは回れ右して帰って、どうぞ。
・歴史考証が甘いとイライラしちゃうガチ勢の歴史マニア。ストレスたまるだけです。
・坂本龍馬ファン。ほぼ空気なので活躍を期待しないでください。
・人生観を180度変えてしまうような名画に出会いたいひと。360度くるっと回るだけで終わります。
・タイムスリップとかタイムリープとかそういう時間ものSFの厳格な愛好者。どーせ文句言うだけなんで。
1、時代背景
時は江戸時代、幕末の動乱期。
アメリカのペリー提督率いる蒸気船の艦隊が日本にきます。いわゆる黒船来航です。
ペリーは圧倒的な軍事力を背景に鎖国政策をやめることを江戸幕府に迫ります。それに対して幕府は弱腰の対応しかできません。
これに衝撃をうけたのが若き武士たちです。
当時の江戸幕府は鎖国していたとはいえ、いろんなルートで国際情勢の情報をキャッチしていました。
欧米列強がつぎつぎとアジア諸国を侵略し、植民地化していたことを知っていました。
ついに日本の番だ、と思い知ったのです。
強固な日本を作り上げて欧米列強に対抗しなければならない。じゃないと侵略されて植民地にされてしまう。
外国勢力への危機感を募らせた武士たちが、日本全国いろんな地域で救国運動を始めます。
いわゆる攘夷志士の誕生です。(攘夷:外敵を駆逐しろ!的な思想のこと)
現在の高知県にあたる土佐藩にも志士がいました。
それが本作の主人公である武市瑞山です。
彼は同じような危機感を抱いた武士たちをまとめあげて土佐勤皇党という組織を作ります。
時代背景はだいたいそんな感じです。
ウィキペディアでちゃちゃっと調べた程度の情報なので、あんまりうのみにしないでください!
2、序盤のストーリー
土佐勤皇党を率いた武市瑞山は、テロの容疑をかけられて党員たちとともに投獄されています。
仲間が拷問に屈してゲロってしまったので、切腹を賜る、つまり処刑されることが決まってしまいます。開幕いきなりゲームオーバーか!?
と思いきや、そうはなりません。
ある朝、瑞山が目を覚ますと、そこは現代の日本は高知県だったのです!
さっきまで牢獄の中にいたはずなのに、なんで外にいるの?と困惑する瑞山。
とりあえずスーパーマーケットに入ってみます。クーラーのきいた店内が涼しくてびっくりします(夏です)。
お腹が空いていたのですが、お金は持っていません。でもリンゴ食べたいです。
ここで万引きするような男ではありません。なにしろ武市瑞山は人格者です。
そこで店長を呼び出して「あとで必ず払いにくるから」と頼み込んで承諾してもらいます。
外でリンゴをかじっていると、警察官に職質され万引き犯人扱いされます。どうやら店長が通報したようです。承諾したはずなのに……。
瑞山はとりあえず逃げますが、その途中で気を失います。
気を失った瑞山を親切にも家へ連れ帰り、布団に寝かせて、かくまってくれた人がいました。
佐伯という名の老人です。彼は瑞山に、ここが未来の日本であることを教えるのです。
この出会いが、瑞山の現代異世界生活を大きく変えてゆくのでした。
果たして瑞山はどうなってしまうのでしょうか!?
――ネタバレ注意!――
・驚く側がちがう度☆☆☆☆☆
タイムスリップ直後の瑞山は一年以上も獄中生活していたので、ヒゲはぼーぼー、汚れた着物、怪しい風体です。
でも現代人の私から見ても、せいぜい「汚い浴衣姿の不審者」です。獄人ですから当然刀なんて持ってません。
ところが、瑞山を目撃した歩行者たちは即座に「サムライだ!!」と腰をぬかすほど驚きます。
もう一度言いますけど、せいぜい「汚い浴衣姿の不審者」にしか見えません。
でも歩行者たちはよれよれの浴衣男を見て、サムライと断定します。
夏に街へ繰り出したら、一日で20や30人そこらの浴衣男と遭遇しますよね。
おいおい高知県人。あんたらエスパーか……?
いっぽうの瑞山はあんまり驚きません。
車を見てちょっとびっくりしますが、ほぼそれだけです。
鉄の馬の車列(自動車)。奇妙な髪型、奇妙な衣服の町人。舗装された硬い道路、天を貫くような謎の建築物の数々。
ちょっと歩くだけで理解の範疇を超えるものばかり。
おしっこ漏らして精神崩壊起こしそうなもんだと思うんですが、そこはやはり幕末を駆け抜けた偉人、武市瑞山せんせいとの胆力やお見事いうところでしょうか?
それとも……あの、ね?
あんまりこういうこと言いたくないんですけど!
ほら、こう見えて私って差別主義者嫌いじゃないですかー?
でも自分に嘘をつくのヤだし~、疑問に思っちゃったし~。
高知って江戸時代の土佐からあんまり発展しなかったんですかね……。
幕末から来た人間を驚かせるほどの現代感がないのかな?
あ、ごめんなさい!マジごめんなさい!
筆者は「そのへんの草でも食ってろ」で有名なダ埼玉県人なので、上級武士高知県人さまに反抗する意思なんてありません!
嘘をつかず、けなさずに紹介するの難しい度☆☆☆☆★
筆者はアマゾンプライムビデオで見ました。
私が見た2020年9月21日時点で星評価は4。かなりいい評価でした。
アマゾンビデオ公式の紹介文から引用させてもらいます。
「坂本龍馬と武市半平太が現代にタイムスリップ!?痛快《サムライ》エンターテインメント!」
……。
紹介文を書いたひとの苦悩が伝わってきます。
映画を見ればすぐにわかるのですが、主人公は武市瑞山(半平太)です。龍馬はほんのちょい役です。べつにいなくてもストーリーに影響はありません。
なんで龍馬が先に書かれているのかといえば、まあ知名度と人気度の差ですよね。
ていうかサムライエンターテインメントってなんやねーん!
ほらね、ツッコミたくなるでしょう?
インスタってそんなにチョロいの?度☆☆☆☆☆
リンゴを万引きした瑞山が警官に追いかけられるシーンを録画した女子高生が「うける~!」とか言いながらインスタにアップするんですけど、その動画がバズります。再生数、いいね、ガン伸びです。
その動画を見たおかげで、何年も前に現代に漂着して東京に住んでいた坂本龍馬が瑞山に会いにくるのですが、そこはどうでもいいです。龍馬はあくまでおまけなので。
恥ずかしながら、筆者はインスタに触れたことがないのでよくわかんないんです。
どういう動画が人気あって、バズるのかぜんぜんわかりません。
ああ恥ずかしい!スマホの料金が高すぎるからだな!
そのうえで、マジで疑問なんですけどー、「汚い浴衣姿の男が走っている」だけの動画がー、そんなに拡散してバズりますか?そんなちょろいの?
インスタの住人って暇なの?
なわけ、ねーだろ!
ほらね、ツッコミたくなるでしょう?
こんな感じでいろいろ楽しめるんです。
けなしているように受け取るかたもいらっしゃるでしょうけど、わりとマジで、管理人はこの作品そこそこ楽しみました。
短いですし、感想を書くために武市瑞山についてちょっぴり調べて勉強にもなったので、けなす気にはなりません。
ほめる気にもあんまなんねーけどな!
電車待ちに一時間半くらいかかる四国の片田舎在住のひとなら、暇つぶしにおすすめです!