『ものがたりいちば』

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「1917 命をかけた伝令」の感想

 

2019年英米合作映画
監督:サム・メンデス
主演:ジョージ・マッケイ

 

 

・序盤のかんたんなあらすじ
1917年、英独戦線地帯。


ドイツ軍の撤退を罠と判断した英軍司令部は、前線部隊への攻撃中止命令を送ることにした。


ドイツ軍の破壊工作により電話線が寸断されたため、直接伝令を送る必要がある。
伝令として選ばれたのは前線に兄がいるブレイク伍長とその友人スコフィールド上等兵


1600人もの将兵の命がかかった重要な任務は、ドイツ軍の支配領域を突破する危険な任務でもあった。


2人はこの困難な任務を完遂することができるのであろうか……。

 

――ネタバレ注意!――

 

 

 

圧倒的リアルタイム度☆☆☆☆☆
なんと最初の1時間6分、一切のタイムジャンプが発生しませんでした。


映像作品というのは1つ大きな弱点を抱えています。
それは1秒を1秒としてしか描けないということです。


2時間の映画なら2時間ぶんの出来事しか描けないのです。
つまり、リアルタイム描写ではフルマラソンが途中で終わります(笑)。


その弱点をカバーするためにカットを割ってシーンごとにタイムジャンプを発生させて大きな時間軸の物語を描きます。


そのぶんテンポがよくなって大きなスケールを描くことが可能になりますが、臨場感が犠牲になります。


この作品の場合1時間6分で最初のタイムジャンプが発生した後、またリアルタイム描写に戻ります。
臨場感ハンパないって!


この感覚なにかに似ているな~と思っていたのですが、途中でゲームをしているときの感覚に似ていると気付きました。


現代のオープンワールドゲームなどでは一部イベントシーンを除けば、基本的にプレイ中はリアルタイムですから。
静かに歩いていたら急に敵が出てきた!などの臨場感がゲームに近いと感じました。


さぞかし撮影と編集はたいへんだったでしょうね~。
アカデミー撮影賞を受賞したのもうなずけます。


とはいえさすがに2時間ではたどりつけない距離設定だったので、細かいタイムジャンプは発生してないとおかしいんですけど……。


車と川の運搬力がすごかったのかな?(笑)。
ファストトラベル(ゲームによくあるワープ機能)があるとか、そこまでゲームっぽいw

 

 

なんで2人?度☆☆☆☆☆
超重要かつ失敗の可能性も高い任務なのに、なんで2人組1つ送って終わりなんやねんw
描写がなかっただけでもしかしたら別の伝令も送ってたかもしれませんけど……。

 

 

よく考えるとヘンだよね?度☆☆☆☆☆
苦労してドイツ軍の旧前線を抜けた先でトラックに乗った味方部隊と遭遇するとか、それはへんでしょw
車両でかんたんに行ける場所なら車乗っていけよw


いちおう「迂回したから一晩かかった」みたいな言い訳してましたけど。
その言い訳はさすがに苦しい……。


あまり言い訳や説明セリフをしない映画だけに、あのセリフはめちゃくちゃ言い訳感が漂ってました。


デボン隊との電話線は切られても他の部隊とはつながってるでしょw
目的地に近い場所で車もってる部隊にいかせりゃいいでしょww


どの部隊がどこでなにやってるかようわからんという設定は理解できません。
英軍がそんなレベルだったら最強ドイツ様が負けるわけがありません!


撮影賞とか視覚効果賞は受賞したけど、ストーリー関連はスルーされたのもうなずけます。
とはいえ、臨場感についてはすさまじく、おもしろい映画でした!