混ぜるな危険!
2017年アメリカ映画。SFファンタジーサスペンスサイコホラーものとなっております(なにそれ!?)。
監督カロリーヌ・ラブルシュ。
主演ディエゴ・クラセンホフ。
ネタバレ憲法違反度はマックスですが、むしろ功を奏すかもしれません。
ちなみに、よくできているウェルメイドな映画が好きなひとにはぜんっぜんおすすめしません。
おすすめできるのは、ふつうの映画に飽きているひとです。
制作陣の蛮勇を楽しめる猛者にはおすすめです。
・序盤のかんたんなあらすじ
交通事故の影響で記憶を失った主人公リアム(この時点では自分の名前も忘れていますが)は、路上で助けを求めようとしてヒッチハイクします。
ところが、応じてくれそうだった車がウィンカーを出して停車する途中で交通事故を起こしてしまいます。
広々とした平原にある一直線の道路ですから、事故を起こす要因は少ないはずです。
運転手の身を案じたリアムが確認すると、運転手の女性は白目をむいて死んでいました。
なにが起きたのかさっぱりわかりません。
頭から出血しているリアムはふらつきながらも歩きます。
すると、見知らぬダイナー(アメリカでは一般的な大衆食堂)にたどり着きます。
リアムは自分のことも自分のいる場所のことも覚えていません。
店内では、静寂が待っていました。
さきほどまで食事中だったと思われる何人もの客、食事を提供していたであろう店員。
店にいるすべてのひとが死んでいました。
全員、白目をむいています。
リアムは口と鼻を布で覆いつつ、ダイナーを飛び出します。
速攻性のある致死性ウィルスの存在を警戒したからです。
ふたたび歩きだし、一軒家を発見して助けを求めようとします。
返事がないので勝手に入ると(犯罪者!?)、タイミングよく留守番電話が応答してリアムはそこが自分の家であることを知ります。
すっごーい偶然です。
とりあえず、シャワーを浴びたり、室内に外気が入らないようにいろいろ処置します。
テレビを見てみると、やっぱり殺人ウィルスの蔓延を懸念するニュースが流れていて、外出しないようにと警察が警告しています。
ふと窓の外をみると、近くの農園で農民が農業用トラクターを運転しているのが見えました。
記憶喪失のリアムは知らない人ですが、おそらく近所の農民でしょう。
殺人ウィルスのことを知らない隣人に警告せざるを得ません。
家の中から「危険だ!帰れ!」と身振り手振りをまじえつつ叫びますが、まあ聞こえるわけがありません。
農民は気さくに手を振り返してきます。
どうやら相手はリアムを認識しているようです。
やはり隣人のようです。
「家に帰れ!」「外は危険だ!」とメッセージボードを見せますが、農民は距離が遠くて読めないのか、近寄ってきます。
そして、歩いていた農民はふっと倒れました。
死亡です。
これはマジでやばいと思ったリアムは、とっさに外に出てしまいます。
すると、歩いていた彼のそばに鳥が落ちてきます。
白目むいて死んでます。
人間と同じ死に方です。
リアムのなかにある疑念が生まれます。
その疑念を確認するためにリアムは、死んだ鳥との距離を測ってみます。
だいたい20メートルくらいでした。
リアムはこの数時間に目撃した死体のことを思い返し、ある仮説を立てます。
それは、自分にある程度近づいた生物が死ぬのではないか、という仮説です。
事故にあったせいで突然、殺人ウィルスをばらまくスタンド能力に目覚めてしまったのでしょうか?
とりあえずこれ以上の被害を拡大させないために納屋にこもります。
そこへある女性が現れます。
リアムを探しているようです。
彼女は、家屋に人がいないのを確認すると、リアムが潜む納屋に近寄ってきます。
もちろんリアムは「こっちにくるな!」と拒否しますが、女性はついに納屋のドアをノックしてしまいます。
え……?
生きてる……?
リアムと彼女の距離はほんの数メートルです。
この数時間、そこまでの近距離に彼に近づけた生物はいませんでした。
リアムがドアを開けると、生きた女性が立っていました。
その女性はジェーンと名乗り「あなたと同じトラックに乗っていた。なにが起きたか教えて欲しい」と告げてきます。
リアムがなにも覚えていないことを告げると、ジェーンは落胆しました。
なぜなら、彼女も目覚める以前、事故以前の記憶がなかったからです。
リアムの素性は!?
リアムに近づいても死なないジェーンは何者なのか!?
そして、突然死の現象はいったいなんなのでしょうか!?
――ネタバレ注意!――
SFだと思ったらダメ度☆☆☆☆☆
マジメなSFファンは寛容になりましょう。
深呼吸しましょう。
もしくはイラついた瞬間に観るのをやめましょう。
あなたの健康のためです。
ファンタジーファンもサスペンスファンも寛容になりましょう度☆☆☆☆☆
この映画にロジックは通用しません。
論理が通用しない、闇鍋ガチャです。
ひとつのジャンルではくくれない魅力はありますが、筋はまったく通っていません。
伏線を拾い集めて推理したいひとは、観ても無駄であります!
結末だけが救い度☆☆★★★
まあ、それしかないよね……という結末ですが、リアムの隠されたパーソナリティを考えると、納得度は低いです。
制作陣の暴走を許してきた心の広いひとですら、画面にパンチしてしまうでしょう。
これだけ食い散らかしてなんで最後にヒヨるの?
魔王爆誕でいいでしょうがよ!
わたしのようにまともな映画に飽き飽きしていて時間ドブ捨て余裕っていう超絶暇人なら、おすすめです!
でも、貴重な時間を割いて、いい映画を観たいと思っている99%の人類にははっきり言って時間の無駄だと忠告しておきます!
いいですか、わたしは忠告しましたよっ!?